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日本のHPVワクチン安全性報告

日本のHPVワクチン安全性報告

副反応疑い報告 追跡調査結果

●副反応疑い報告 追跡調査結果

HPVワクチン販売開始から平成26年11月までの被接種者における副反応疑い報告の追跡調査結果です1)。副反応追跡調査では、HPVワクチンを接種した約338万人を対象としました。発症日および転帰等が把握できた1,739人のうち、回復した方、または通院不要である方は1,550人の89.1%、未回復の方は186人の10.7%(被接種者の0.005%)でした。未回復の186人の症状は、多い順に、頭痛66人、倦怠感58人、関節痛49人、接種部位以外の疼痛42人、筋肉痛35人、筋力低下34人でした。

副反応追跡調査結果

2015年9月17日 第15回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会 資料4-1

全国疫学調査(祖父江班)

●全国疫学調査(祖父江班)結論

厚生労働省は、HPVワクチンの積極的な接種勧奨の一時差し控え後、研究班を立ち上げ、大阪大学の祖父江先生を班長として、全国疫学調査を実施しました。その結果、HPVワクチン接種歴のない者においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」が一定数存在したことが報告されました。これらの結果により、HPVワクチン接種と接種後に生じた症状との因果関係は言及できないと結論づけられました2)

全国疫学調査(祖父江班)結論

HPVワクチン接種歴のない者においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を呈する者が、一定数存在した。
本調査によって、HPVワクチン接種と接種後に生じた症状との因果関係は言及できない。

第23回 副反応検討部会(2016年12月26日開催)
全国疫学調査(子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究

●全国疫学調査(祖父江班)概要

祖父江班の全国疫学調査では、青少年における「疼痛または運動障害を中心とする多様な症状」について、その頻度と特性を調査しました。調査対象診療科は18,302診療科、調査対象症例基準は、①12~18歳、②疼痛および光や音、においの感覚の障害、または運動障害、または自律神経症状または認知機能の障害の少なくとも1つ以上の症状がある、③②の症状が、3ヵ月以上持続している、④②および③のため、通学や就労に影響がある、以上①から④のすべてを満たすこととしました(図1)2)

図1:全国疫学調査概要
(青少年における「疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状」について、頻度と特性を調査)

全国疫学調査概要(青少年における「疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状」について、頻度と特性を調査)

第23回 副反応検討部会(2016年12月26日開催)
全国疫学調査(子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究) より一部改変

●全国疫学調査(祖父江班)まとめ

HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を呈する者は、12〜18歳の女子全体では人口10万人あたり40.3人と推計されました。また、HPVワクチンの接種歴がなく、「多様な症状」を呈する女子は人口10万人あたり20.4人、接種歴があり、「多様な症状」を呈する女子は人口10万人あたり27.8人と推計されました。「多様な症状」を具体的な症状別にみると、接種、非接種にかかわらずみられる症状と、「接種歴あり」で割合が高い症状がありましたが、頻度と同様、多数のバイアスが存在するため、比較ができないとされています。しかし、すべての症状は「接種歴あり」と「接種歴なし」の両群に存在し、一方の群だけに特異的な症状はありませんでした(図2)2)

図2:全国疫学調査(祖父江班)結果のまとめ

全国疫学調査(祖父江班)結果のまとめ

第23回 副反応検討部会(2016年12月26日開催)
全国疫学調査(子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究) より一部改変

Nagoya study

●Nagoya study 調査概要

名古屋市では、HPVワクチン接種に関する被害者団体の要請を受け、独自に大規模な疫学調査を実施しました。本調査では、2015年8月12日時点で名古屋市に住民票のある、1994年4月2日〜2001年4月1日生まれの女性71,177人を対象として、接種の有無による24項目の「多様な症状」の割合を比較しました(表1)3)

表1:HPVワクチン接種と多様な症状に関する疫学調査(日本:名古屋)

HPVワクチン接種と多様な症状に関する疫学調査(日本:名古屋)

【目的】HPVワクチン接種、非接種を含めた約7万人を対象とした調査において、接種の有無による24項目の症状の割合を比較する
【対象】2015年8月12日時点で名古屋市に住民票のある、1994年4月2日~2001年4月1日生まれの女性71,177例
【方法】名古屋市で1994年4月2日~2001年4月1日に生まれた女性(2010年4月1日時点9~15歳)71,177人に対して、2015年9月に郵便による匿名のアンケート調査を実施し、回答が得られた29,846人を対象に24の症状発生とHPVワクチン接種の有無について検討した。年齢調整オッズ比(OR)及び95%CIはロジスティック回帰分析を用いて解析した。
【主要評価項目】HPVワクチン接種と24症状の発生

Suzuki S et al. Papillomavirus Res. 2018; 5: 96-103.

●Nagoya study 症状とHPVワクチンの関連

年齢調整された分析では、HPVワクチン接種と24項目の「多様な症状」との間に有意な関連性は見出されませんでした(表2)3)。いくつかの症状による病院受診の増加がみられましたが、生物学的関連性に起因するものとは考えにくいと結論づけられました(図3)3)

表2:24の症状発生と、HPVワクチン接種との関連性に関する調査結果(名古屋市 2015年)

24の症状発生と、HPVワクチン接種との関連性に関する調査結果(名古屋市 2015年)

Suzuki S et al. Papillomavirus Res. 2018; 5: 96-103.

図3:Nagoya studyの結果

Nagoya studyの結果

Suzuki S et al. Papillomavirus Res. 2018; 5: 96-103.

参考文献

1) 厚生労働省 2015年9月17日 第15回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会 資料4-1
2) 第23回 副反応検討部会(2016年12月26日開催)
 全国疫学調査(子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究)
3) Suzuki S et al. Papillomavirus Res. 2018; 5: 96-103.

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