子宮頸がんとHPV感染

子宮頸がんとHPV感染

子宮頸がん

●子宮頸がんと子宮体がん

女性の生殖器に発生するがんには、卵管がんや卵巣がん、腟がん、外陰がん、子宮がんなどがあります。一般に子宮がんは、「子宮頸がん」と「子宮体がん」に分けられます。
子宮頸がんと子宮体がんは、それぞれ発症しやすい年代や原因が異なります(図1)。

図1:子宮頸がんと子宮体がん

子宮頸がんと子宮体がん

日本産科婦人科学会・婦人科腫瘍委員会:2013年度患者年報
病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科 第2版:136-137 より改変

●子宮頸がんの主な手術

子宮頸がんの主な手術には、子宮の一部を切除する円錐切除術と子宮の広い範囲を摘出する広汎子宮全摘出術の2つがあります。前がん病変や、がんが子宮頸部内に限局される場合は、円錐切除術を行います(図2)。一方、がんが子宮頸部を超えてさらに進行している場合、広汎全摘出術を行います(図2)。いずれも、術後にさまざまな後遺症があらわれることがあり、QOLを著しく低下させる可能性があります。

図2:子宮頸がんの主な手術

子宮頸がんの主な手術

1. 日本産科婦人科学会. 婦人科腫瘍委員会報告2017年度患者年報
2. 国立がん研究センターがん対策情報センター 患者必携 子宮・卵巣のがんの療養情報

ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)

●HPV

子宮頸がんの原因のひとつにHPV感染があげられます。HPVは、生涯に80%以上の方が、感染を経験するといわれているごくありふれたウイルスです1)
200種類以上の型があり、発がん性のある高リスク型と、良性腫瘍を引き起こす低リスク型があります。子宮頸がんの約65%はHPV16型と18型が原因です(図3)2)

図3:子宮頸がんの原因

●HPV感染と子宮頸がんへの進行

HPVに感染しても、そのウイルスの多くは、自然に身体から排除されます。排除されずに残った一部のウイルスの持続感染によって、十数年という年月をかけてがん化することがあります(図4)。

図4:HPV感染と子宮頸がんへの進行

HPV感染と子宮頸がんへの進行

Markowitz LE et al. MMWR Recomm Rep. 2007; 56(RR-2): 1-24.
日本産科婦人科学会・日本病理学会編 子宮頸癌取扱い規約 病理編 第4版 2017 より作図

●世界のHPV関連子宮頸がんにおけるHPV型分布(海外データ)

世界のHPV関連子宮頸がんにおけるHPV型の分布です(図5)3)。欧米諸国と比較し、アジアにおいては、HPV6/11/16/18型に加え、HPV52/58型の比率が高かったことが報告されています4)

図5:世界のHPV関連子宮頸がんにおけるHPVの分布

世界のHPV関連子宮頸がんにおけるHPVの分布

【対象・方法】HPV関連の国際研究におけるHPV型陽性の浸潤性子宮頸がん(ICC)症例8,977例を抽出し、各HPV型のICC相対寄与率を推定した。

Serrano B et al. Infect Agent Cancer. 2012; 7: 38. より作図

【利益相反】Serrano Bら6名はMerck社およびSanofi Pasteur MSD社より施設を通してHPVワクチンの臨床試験および疫学研究への支援を得ている。Alemany Lら2名はMerck社およびSanofi Pasteur MSD社より、Bruni Lら2名はSanofi Pasteur MSD社より、会議への旅費等の授受がある。Weiss TはMSDはMerck社の社員。

●日本における子宮頸がんのHPV型分布

日本においては、浸潤性子宮頸がん(invasive cervical cancer:ICC)はHPV16、18型が65.4%をカバーし、HPV16、18、31、33、45、52、58型では88.2%をカバーします(図6)2)

図6:日本における子宮頸がんのHPV型分布

日本における子宮頸がんのHPV型分布

【対象】日本人女性で組織学的にICCと診断された症例のうち単感染として検出された306例
【方法】多施設より提供された1990~2017年の検体から、PCRでHPV遺伝子の検出および型判定を行った。

Sakamoto J et al. Papillomavirus Res. 2018; 6: 46-51. より作図

参考文献
1) CDC Vaccine for HPV
 https://www.cdc.gov/hpv/parents/vaccine/six-reasons.html (Accessed June 1, 2020)
2) Sakamoto J et al. Papillomavirus Res. 2018; 6: 46-51.
3) Serrano B et al. Infect Agent Cancer. 2012; 7: 38.
4) Summary Report Japan.
 http://www.hpvcentre.net/statistics/reports/JPN.pdf (Accessed June 1, 2020)

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