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海外のHPVワクチンエビデンス

海外のHPVワクチンエビデンス

各国のHPVワクチン接種プログラム

●各国のHPVワクチン接種プログラム

図1は各国のHPVワクチン接種プログラムの開始年、実施法、定期接種およびキャッチアップコホート、3回接種完遂率、プログラム実施後の報告についてまとめたものです。それぞれの国においてHPVワクチンの導入による有効性が示唆されています。

図1:各国のHPVワクチン接種プログラム

オーストラリア
Immunise Australia Program. HPV School Vaccination Program. Department of Health and Ageing website.
https://immunisationhandbook.health.gov.au/vaccine-preventable-diseases/human-papillomavirus-hpv (Accessed June 1, 2020)
Immunise Australia Program. Human Papillomavirus(HPV). Department of Health and Ageing website.
https://immunisationhandbook.health.gov.au/vaccine-preventable-diseases/human-papillomavirus-hpv (Accessed June 1, 2020)
National HPV Vaccination Program Register.
https://www.health.gov.au/resources/collections/historical-data-from-the-national-hpv-vaccination-program-register (Accessed June 1, 2020)

アメリカ
Centers for Disease Control and Prevention(CDC). MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2017; 66: 874-882、
Markowitz LE et al. Vaccine. 2012; 30(Suppl 5): F139-148
Markowitz LE et al. MMWR Recomm Rep. 2007; 56(RR-2): 1-24、
Centers for Disease Control and Prevention(CDC). MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2011; 60: 1117-1123、
Walker TY et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2017; 66: 874-882、
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6633a2.htm?s_cid=mm6633a2_w (Accessed June 1, 2020)
Guo F et al. Am J Prev Med. 2018; 55: 197-204.

スウェーデン
Herweijer E et al. Int J Cancer. 2016; 138: 2867-2874、
Human Papillomavirus and Related Cancers, Fact Sheet 2017(June 14, 2017)
http://www.hpvcentre.net/statistics/reports/SWE_FS.pdf (Accessed June 1, 2020)
https://www.fhi.no/hn/helseregistre-og-registre/sysvak/dekkningsstatistikk/ (Accessed June 1, 2020)

イギリス
http://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/317821/
Green_Book_Chapter_18a.pdf/ (Accessed June 1, 2020)
http://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/412264/
HPV_Vaccine_Coverage_in_England_200809_to_201314.pdf (Accessed June 1, 2020)
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/666087/
HPV_vaccination_coverage_in_adolescent_females_in_England_2016_to_2017.pdf (Accessed June 1, 2020)

日本
厚生労働省 定期の予防接種実施者数 https://www.mhlw.go.jp/topics/bcg/other/5.html (Accessed June 1, 2020)
Yagi A et al. Vaccine. 2019; 37: 2889-2891.

コクラン共同計画 HPVワクチン評価

●コクラン共同計画のメタ解析におけるHPVワクチンの有効性評価

2017年6月に、MEDLINE、Cochrane Central of Controlled Trial(CENTRAL)およびEmbaseにおいて、思春期以降の女性におけるHPVワクチンの影響に関する試験を検索し、登録されていた26試験(73,428例)をもとに、メタ解析を行いました。試験の内訳は1価HPVワクチン関連1試験、2価HPVワクチン関連18試験、4価HPVワクチン関連7試験で、それぞれ、ワクチン接種群とプラセボ群(ワクチンアジュバント接種または他のワクチン接種)で、有効性および安全性について検討しました。HPVワクチンの有効性については、HPV16型または18型関連のCINおよびAISに対して報告されています(表1)1)。エビデンスの確実性は、CIN2+では高、CIN3+では高、AISでは中でした1)

表1:コクラン共同計画のメタ解析におけるHPVワクチンの有効性評価

コクラン共同計画のメタ解析におけるHPVワクチンの有効性評価

【対象・方法】2017年6月に、MEDLINE、Cochrane Central of Controlled Trial(CENTRAL)およびEmbaseで、思春期以降の女性におけるHPVワクチンの影響に関する試験を検索し、登録されていた26試験(73,428例)をもとに、メタ解析を行った。
試験の内訳は1価HPVワクチン関連1試験、2価HPVワクチン関連18試験、4価HPVワクチン関連7試験で、いずれもワクチン接種群とプラセボ群(ワクチンアジュバンド接種または他のワクチン接種)で、有効性および安全性について検討した。
有効性評価は10試験(追跡期間:1.3~8年)、安全性評価は23試験(追跡期間:6~7年)と重篤な有害事象および死亡についてはHPVワクチンの製薬会社の未発表データを用いた。

Arbyn M et al. Cochrane Database Syst Rev. 2018 May 9;5:CD009069
【利益相反】25試験は製薬会社の資金で実施された。

●コクラン共同計画のメタ解析におけるHPVワクチンの安全性評価

これまでに行われたランダム化プラセボ対照比較試験を基にメタ解析を行った結果の安全性評価の結果は、以下のとおりでした(表2、表3)1)

表2:コクラン共同計画のメタ解析におけるHPVワクチンの安全性評価(有害事象)

コクラン共同計画のメタ解析におけるHPVワクチンの安全性評価(有害事象)

【対象・方法】2017年6月に、MEDLINE、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)およびEmbaseで、思春期以降の女性におけるHPVワクチンの影響に関する試験を検索し、登録されていた26試験(73,428例)をもとに、メタ解析を行った。
試験の内訳は1価HPVワクチン関連1試験、2価HPVワクチン関連18試験、4価HPVワクチン関連7試験で、いずれもワクチン接種群とプラセボ群(ワクチンアジュバント接種または他のワクチン接種)で、有効性および安全性について検討した。
有効性評価は10試験(追跡期間:1.3~8年)、安全性評価は23試験(追跡期間:6~7年)と重篤な有害事象および死亡についてはHPVワクチンの製薬会社の未発表データを用いた。

Arbyn M et al. Cochrane Database Syst Rev. 2018 May 9;5:CD009069
【利益相反】25試験は製薬会社の資金で実施された。

表3:コクラン共同計画のメタ解析におけるHPVワクチンの安全性評価(妊婦の転帰)

コクラン共同計画のメタ解析におけるHPVワクチンの安全性評価(妊婦の転帰)

【対象・方法】2017年6月に、MEDLINE、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)およびEmbaseで、思春期以降の女性におけるHPVワクチンの影響に関する試験を検索し、登録されていた26試験(73,428例)をもとに、メタ解析を行った。
試験の内訳は1価HPVワクチン関連1試験、2価HPVワクチン関連18試験、4価HPVワクチン関連7試験で、いずれもワクチン接種群とプラセボ群(ワクチンアジュバント接種または他のワクチン接種)で、有効性および安全性について検討した。
有効性評価は10試験(追跡期間:1.3~8年)、安全性評価は23試験(追跡期間:6~7年)と重篤な有害事象および死亡についてはHPVワクチンの製薬会社の未発表データを用いた。

Arbyn M et al. Cochrane Database Syst Rev. 2018 May 9;5:CD009069
【利益相反】25試験は製薬会社の資金で実施された。

CIN3+インパクト(スコットランド)(海外データ)

●20歳時の子宮頸がん検診における組織診異常率の変化

スコットランドにおいては、1988年から1996年に出生し、20歳時に子宮頸がん検診を受診した女性を対象に、HPVワクチン導入前世代と接種世代における子宮頸部細胞診異常率が比較検討されています。その結果、HPVワクチン接種世代のCIN3+の発生率は導入前世代と比較して89%減少したことが報告されました(図2)2)

図2:20歳時の子宮頸がん検診における組織診異常率の変化

20歳時の子宮頸がん検診における組織診異常率の変化

【対象】1988~1996年に出生し、20歳時に子宮頸がん検診を受診したスコットランド人女性138,692名
【方法】HPVワクチン導⼊前世代(1988年生)と接種世代(1995〜1996年生)における子宮頸部組織診異常率を比較検討した。

Palmer T et al. BMJ. 2019; 365: 1161. より改変
【利益相反】著者にMSD社より旅費の授受がある者が含まれる。

子宮頸がんインパクト(アメリカ)(海外データ)

●15〜24歳女性におけるHPVワクチン接種プログラム導入前後の子宮頸がん発生率の推移

アメリカにおいては、2001~2014年のU.S. Cancer Statics(USCS)データベースに登録された15~34歳の米国人女性を対象に、15~24歳と25~34歳に層別化し、子宮頸がんの平均年間発生率について、HPVワクチン接種プログラム導入前(2003~2006年)と導入後(2011~2014年)で比較検討しました。HPVワクチンの定期接種導入後に、子宮頸がんの発生率が29%有意に減少したことが報告されました(P<0.05、両側検定)(図3)3)

図3:15〜24歳女性におけるHPVワクチン接種プログラム導入前後の子宮頸がん発生率の推移

15〜24歳女性におけるHPVワクチン接種プログラム導入前後の子宮頸がん発生率の推移

【対象】2001~2014年のU.S. Cancer Statics(USCS)データベースに登録された15~34歳の米国人女性
【方法】対象を15~24歳と25~34歳に層別化し、子宮頸がんの平均年間発生率について、HPVワクチン接種プログラム導入前(2003~2006年)と導入後(2011~2014年)で比較検討した。また、Joinpoint回帰モデルを用いて年間発生率変化の変曲点を求めた。

Guo F et al. Am J Prev Med. 2018; 55: 197-204.

子宮頸がんインパクト(スウェーデン)(海外データ)

●ガーダシル®接種と浸潤性子宮頸がんのリスク低下との関連

スウェーデンにおいては、全国的な人口統計および健康に関するレジストリを用いて、10~30歳の女性1,672,983例を対象に、ガーダシル®接種と浸潤性子宮頸がんのリスクとの関連等について評価した結果が報告されました。
ガーダシル®接種群において、非接種群に対するすべての共変量を調整した場合、浸潤性子宮頸がんの発症リスクは63%低下しました。また、17歳未満で接種した場合、リスクは88%低下し、17~30歳で接種した場合でも53%低下したことが示されました(図4)4)。
浸潤性子宮頸がんの累積罹患率は、4価HPVワクチン非接種群において、30歳までに10万例あたり94例でした。一方、ガーダシル®接種群においては、17~30歳で接種を開始した女性において、30歳までに10万例あたり54例、17歳未満で接種を開始した女性においては、28歳までに10万例あたり4例と報告されました(図5)4)。

図4:ガーダシル®接種と浸潤性子宮頸がん罹患リスクの低下との関連

図5:ガーダシル®接種の有無と浸潤性子宮頸がんの累積罹患率

【安全性】本論文中に安全性に関する記載はありません。ガーダシル®に関する安全性の詳細につきましては、添付文書をご参照ください。
【対象・方法】2006~2017年の間に、スウェーデンの全国的な人口統計および健康に関するレジストリに登録された、浸潤性子宮頸がんの病歴および本試験の登録前にHPVワクチン接種歴のない10~30歳女性1,672,983例(接種群:527,871例、非接種群:1,145,112例)を対象に、ガーダシル®接種と浸潤性子宮頸がんのリスクとの関連を評価した。1回以上のガーダシル®接種者を接種群(3回接種の割合:56.3%)とした。対象集団のうち、接種群の女性438,939例(83.2%)が17歳未満でガーダシル®の接種を開始した。ガーダシル®の接種状況別の子宮頸がんの累積罹患率については、追跡時の年齢に応じてプロットした。接種群と非接種群の罹患率比およびガーダシル®接種開始時の年齢別の罹患率比については、ポアソン回帰モデルを用いて推定し、年齢、暦年、居住地および親の特性(学歴、世帯収入、母親の出生国、母親の病歴など)の共変量により調整した(すべて両側検定)。
【Limitation】本研究では、ガーダシル®接種と子宮頸がんのリスクにはいくつかの交絡が確認されている。特にワクチン接種群では、非接種群と比較し、より健康である可能性があった(健康ボランティアバイアス)。著者らは、ワクチン接種と潜在的な子宮頸がんのリスクに影響を与えた親の特性にて調整を行った。しかしながら、女性自身のライフスタイルと健康要因(喫煙状況、性活動、OC**の服用、肥満)による交絡は排除できなかった。また、ワクチン接種群において子宮頸がん検診率が高い場合、無症候性の子宮頸がんが検出される可能性が高くなると推測される。これはリスク低減の過小評価に関連する可能性があると考えられた。

*:過去のCIN3+および子宮頸がん以外のがんの診断
**:低用量経口避妊薬

Lei J et al. N Engl J Med. 2020; 383: 1340-1348.
【利益相反】著者にMSD社より研究助成費を受領している者が含まれる。

参考文献
1) Arbyn M et al. Cochrane Database Syst Rev. 2018; 5: CD009069.
2) Palmer T et al. BMJ. 2019; 365: 1161.
3) Guo F et al. Am J Prev Med. 2018; 55: 197-204.
4) Lei J et al. N Engl J Med. 2020; 383: 1340-1348.

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