製品特性
製品特性
1.ノクサフィル®は、侵襲性真菌症予防における複数のエビデンスを有し、海外ガイドラインにおいて予防投与として推奨を得ています。
- IDSAのアスペルギルス症治療の実践的臨床ガイドラインにおいて、長期間好中球減少症を発症している侵襲性アスペルギルス症のリスクが高い患者に対する侵襲性アスペルギルス症の予防として、strong recommendation; high-quality evidenceで推奨されています。
アスペルギルス症治療の実践的臨床ガイドライン:Infectious Diseases Society of America
(Patterson TF et al. Clin Infect Dis. 2016; 63(4): e1-e60. P.e7, PROPHYLAXIS OF INVASIVE ASPERGILLOSIS. V. 66)
- ESCMID、ECMM及びERSのアスペルギルス症診療ガイドラインにおいて、侵襲性アスペルギルス症発症率低減を目的とした一次予防として、血液悪性腫瘍疾患患者、中等~重症のGVHDかつ/又は高用量の免疫抑制治療を受けている患者はA-Iで推奨されています。
アスペルギルス症診療ガイドライン:2017 ESCMID-ECMM-ERS
ESCMID=European Society for Clinical Microbiology and Infectious Diseases,
ECMM=European Confederation of Medical Mycology, ERS=European Respiratory Society
(Ullumann AJ et al. Clin Microbiol Infect . 2018; 24 Suppl 1: e1-e38. P.e14, Table 26.)
2.予防投与により既存のアゾール系薬(フルコナゾール/イトラコナゾール)を対照とした試験において、侵襲性真菌症の発症抑制効果を示しました。
- 移植片対宿主病を有する同種造血幹細胞移植患者に対する海外第Ⅲ相試験(C/I98-316試験)の予防投与において、主要評価項目である侵襲性真菌症の発症率はフルコナゾール群に対し、ノクサフィル®の非劣性が検証されました(オッズ比[95.01% CI]:0.5614[0.2959〜1.0651])。
- 持続性好中球減少症を伴う又は予測される急性骨髄性白血病(AML)/骨髄異形成症候群(MDS)患者に対する海外第Ⅲ相試験(P01899試験)において、主要評価項目である侵襲性真菌症の発症率はフルコナゾール/イトラコナゾール群に対し、ノクサフィル®の非劣性及び優越性が検証されました(群間差:-6.09%、P=0.0009、χ2検定)。
ノクサフィル®の侵襲性真菌症の予防効果に関するエビデンスは、日本人患者を対象とした予防投与の臨床試験を新たに実施することなく、承認時評価資料である海外臨床試験データに基づいて承認されており、国内の承認内容とは異なる製剤(経口懸濁剤)を用いた成績が含まれています。
3.侵襲性アスペルギルス症に対する治療効果を示しました。
- 侵襲性アスペルギルス症患者を対象とした海外第Ⅲ相試験(P069試験)において、主要評価項目である治験薬の投与42日後までの全死亡率は、ノクサフィル®群15.3%(44/288例)、ボリコナゾール群20.6%(59/287例)、群間差の点推定値は-5.3%[95%CI:-11.6, 1.0]であり、群間差の95%CIの上限が事前に規定した非劣性マージンである10%を下回ったことから、ボリコナゾールに対するノクサフィル®の非劣性が検証されました。
ノクサフィル®の侵襲性アスペルギルス症の治療効果に関するエビデンスには、国内の承認内容とは異なる用法及び用量による成績が含まれています。
4.真菌症(フサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫)に対する治療効果を示しました。
- 標準的抗真菌治療が無効又は不耐容である侵襲性真菌症患者を対象とした海外第Ⅲ相試験(P00041試験)において、主要評価項目であるフサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫の原因真菌等による侵襲性真菌症に対する総合効果(有効率)は、50.0%(119/238例)でした。
ノクサフィル®のフサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫の治療効果に関するエビデンスは、国内で実施した臨床試験成績及び承認時評価資料である海外臨床試験データに基づいて承認されており、国内の承認内容とは異なる製剤(経口懸濁液)及び菌種を用いた成績が含まれています。