日本における特定使用成績調査(PMS)の最終報告
日本における特定使用成績調査(PMS)の最終報告1)
1)Shinozaki S et al. Infect Dis Ther. 2024; 13(1): 189-205.
本調査はMSD株式会社より資金提供を受けている。
本論文の著者は同社の社員である。
試験概要
患者背景(安全性解析対象集団)
年齢区分, n(%)
初回投与前のCOVID -19重症度,n(%)
主な基礎疾患(重症化リスク因子の疾患含む), n(%)
ワクチン接種,n(%)
主な重症化リスク因子※1※2
※1:重複あり
※2:重症化リスク因子の保有数(母数:n=3,179);1つ:29.82%(n=948)、2つ:29.51%(n=938)、3つ:21.52%(n=684)4つ以上:14.88%(n=473)
副作用(安全性解析対象集団)
- 副作用は、3,179例中175例(5.50%)に認められました。主な副作用(5例以上に発現)は、下痢59例(1.86%)、発疹22例(0.69%)、めまい、悪心、嘔吐及び薬疹各8例(0.25%)、軟便7例(0.22%)、蕁麻疹5例(0.16%)でした。
- 副作用に関連するベースライン特性※を検討した結果、いずれの因子も副作用の発現との関連は認められませんでした。
- 重篤な副作用は、7例(COVID-19[増悪]2例、うっ血性心不全[増悪]、低酸素症、急性呼吸不全、発疹及び肝機能異常各1例)に認められました。
- 投与中止に至った副作用は、52例(下痢12例、発疹11例、薬疹6例、嘔吐5例、悪心4例、肝機能異常3例、食欲減退、紅斑及び蕁麻疹各2例、その他各1例)に認められました。
- 死亡した39例のうち、自宅で死亡したため情報が十分に得られず評価できなかった3例(うっ血性心不全、低酸素症、急性呼吸不全)を除き、すべてラゲブリオ®と因果関係なしと判定されました。
※:検討したベースライン特性:性別、年齢区分(≧18~<65歳、≧65~<75歳、≧75歳)、COVID-19重症度及びラゲブリオ®開始時の酸素投与/人工呼吸器の使用、基礎疾患 (腎又は肝機能障害を含む) 、重症化リスク因子、SARS-CoV-2ワクチン接種状況
副作用一覧(安全性解析対象集団)
Shinozaki S et al, Safety and Effectiveness of Molnupiravir in Japanese Patients with COVID-19: Final Report of Post-marketing Surveillance in Japan, Infect Dis Ther, 13, 1, 189-205, 2024, Springer Nature.
https://link.springer.com/journal/40121
複合エンドポイントのイベント数及び頻度(有効性解析対象集団)
- 外来患者2,006例中47例(2.34%)が観察期間中(29日目まで)に入院又は死亡しました(COVID-19関連:34例)。入院は46例(2.29%)及びすべての原因による死亡は2例(0.10%)でした。
- 投与開始時に酸素投与/人工呼吸器/特定できない呼吸補助を要さなかった入院患者826例中38例(4.60%)が観察期間中に酸素投与を開始又は死亡し、酸素投与の開始は31例(3.75%) 、死亡は13例(1.57%)でした。
Shinozaki S et al, Safety and Effectiveness of Molnupiravir in Japanese Patients with COVID-19: Final Report of Post-marketing Surveillance in Japan, Infect Dis Ther, 13, 1, 189-205, 2024, Springer Nature.
https://link.springer.com/journal/40121
患者背景と外来エンドポイントの単変量
ロジスティック回帰解析(有効性解析対象集団)
- 単変量ロジスティック回帰解析による外来患者の入院又は死亡に関連する因子は、高齢者(75歳以上)、投与開始時のCOVID-19重症度、重症化リスク因子、その他の薬物療法、ベースライン時の低いSpO2、腎機能障害及び血液透析でした。
Shinozaki S et al, Safety and Effectiveness of Molnupiravir in Japanese Patients with COVID-19: Final Report of Post-marketing Surveillance in Japan, Infect Dis Ther, 13, 1, 189-205, 2024, Springer Nature.
https://link.springer.com/journal/40121