製品基本Q&A

製品基本Q&A

シベクトロ®


製品情報

添付文書に、以下のとおり記載されています。

4. 効能又は効果
〈適応菌種〉
テジゾリドに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
〈適応症〉
深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染

5. 効能又は効果に関連する注意
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性(耐性)を確認すること。[18.3参照]

<引用>
添付文書

本剤(テジゾリドリン酸エステル)はプロドラッグであり、生体内において活性体テジゾリドに変換され、抗菌作用を示します。
テジゾリドは、細菌リボソームの50Sサブユニットに結合して蛋白質合成を阻害することにより抗菌活性を発揮します。

<引用>
添付文書

[14C]標識したテジゾリドリン酸エステル(204 mg注))を単回経口投与したとき、投与288時間後までに放射能の81.5%が糞中、18.0%が尿中に、主にテジゾリドの硫酸抱合体として排泄されました(1)。

尿及び糞中に排泄されたテジゾリドは3%未満であり、未変化体のテジゾリドリン酸エステルは検出されませんでした(2)。

注) 本剤の承認用量は、テジゾリドリン酸エステルとして、1日1回200 mgの経口投与である。

<引用>
(1)添付文書
(2)申請資料概要 2.7.2.3 全試験を通しての結果の比較と解析 2.7.2.3.2 TR-700 の薬物動態 2.7.2.3.2.4 排泄

テジゾリドそのものは水系溶媒にほとんど溶けない事から注射剤には適さず、また消化管吸収されにくいと考えられる事からリン酸エステルのプロドラッグ化をしました(1)。

<引用>
(1)申請資料概要 2.5.2 生物薬剤学に関する概括評価

テジゾリドの代謝物として 脱メチル体、 カルボン酸体、及び 硫酸抱合体が同定されました。 脱メチル体は テジゾリド の 1/32~1/8、硫酸抱合体は 1/64~1/32 の活性を示し、カルボン酸体は全ての菌種に対し不活性でした。
そのため、テジゾリドの 代謝物は臨床的有効性にはほとんど影響しないと考えられます。

<引用>
申請資料概要 2.4.3.1 効力を裏付ける試験

米国のCLSI、ヨーロッパのEUCASTのブレイクポイントは以下の通りです(1)(2)。

CLSIブレイクポイント(mg/L)は S:≦0.5 I:1 R:≧2
EUCASTブレイクポイント (mg/L)は S:≦0.5 R:≧0.5

S:感受性、I:中等度耐性、R:耐性

<引用>
(1)CLSI M100S (2020) Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing – 30th Edition.
(2)EUCAST Clinical breakpoints Clinical breakpoints – bacteria (v 10.0)

食事の影響試験において、テジゾリドリン酸エステル200mgを単回経口投与した際、テジゾリドの薬物動態は高脂肪高カロリー食摂取による影響を受けなかったことから、食事の有無にかかわらず投与することができます。

<引用>
インタビューフォーム Ⅶ.薬物動態に関する項目

テジゾリドの脳への移行性をヒトで検討したデータはありません。

ラットに対して14Cテジゾリド(13.3mg/kg)を単回静脈内投与したとき、脳と血漿の濃度比(*)はテジゾリドで0.06であり、テジゾリドは脳への移行性が低いことが示されています(1)。

(*)脳/血漿、投与後0.25時間及び6時間の平均値

<引用>
(1)申請資料概要 2.4.6、 2.4.4.3

投与経路にかかわらず、蓄積性は認められませんでした。

<日本人健康成人を対象とした反復投与試験>
テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回7日間静脈内又は経口投与したところ、静脈内、経口投与ともに血漿中テジゾリド濃度は、投与後2日目にほぼ定常状態に到達しました。
初回投与後と反復投与後のAUCから算出した線形係数は、静脈内投与で1.02、経口投与で1.06 とほぼ1 に近く、蓄積性はないと考えられました。

<引用>
申請資料概要 2.7.2.2.2.1.2 薬物動態 日本人健康被験者を対象とした反復投与試験(試験16102)

テジゾリドリン酸エステルナトリウム 200、300及び400mgを1日1回反復経口投与したときの蓄積率とその予測値は、いずれの用量においても同様でした。また、線形係数は1に近似していることから、反復投与後のテジゾリドの薬物動態は線形であることが示されました。

<引用>
申請資料概要 2.7.6.4.3

使用方法

添付文書に、以下のとおり記載されています。

【シベクトロ®錠200mg】
6. 用法及び用量
通常、成人にはテジゾリドリン酸エステルとして200mgを1日1回経口投与する。

【シベクトロ®点滴静注用200mg】
6. 用法及び用量
通常、成人にはテジゾリドリン酸エステルとして200mgを1日1回、1時間かけて点滴静注する。

【シベクトロ®錠200mg】【シベクトロ®点滴静注用200mg 】共通
7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 本剤はグラム陽性菌に対してのみ抗菌活性を有する。したがってグラム陰性菌等を含む混合感染と診断された場合、又は混合感染が疑われる場合は適切な薬剤を併用して治療を行うこと。
7.2 注射剤から錠剤への切り替え
注射剤からテジゾリドリン酸エステルの投与を開始した患者において、経口投与可能であると医師が判断した場合は、同じ用量の錠剤に切り替えることができる。

添付文書「9. 特定の背景を有する患者に関する注意」に、以下のとおり記載されています。

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胚・胎児毒性試験において、マウスでは肋軟骨異常(主に癒合)の発現頻度の増加傾向が、ラットでは肋骨及び椎骨の骨格変異の発現頻度の増加が、それぞれ臨床曝露量(AUC)の約3~4倍及び約5~6倍に相当する用量で認められた。

9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

添付文書「9. 特定の背景を有する患者に関する注意」に、以下のとおり記載されています。

9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

テジゾリドに特異的な解毒剤はなく、また、血液透析により体内からほとんど除去されないことから、過量投与した場合は、直ちに本剤の投与を中止し、一般的な支持療法を行ってください。

<引用>
インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目

[用法・用量:200mg1日1回 経口投与]

決して2回分を一度に飲まないでください。
気がついた時に、1回分を飲んでください。ただし、次の飲む時間が近い場合は1回とばして、次の時間に1回分飲んでください(1)。

<引用>
(1)シベクトロ®錠 『患者向医薬品ガイド』

【適応外】
本剤を粉砕して投与することは、承認外の用法となります。

粉砕して投与した際の薬物動態、有効性、安全性は検討していませんので、おすすめしていません。

粉砕後の安定性データはありません。

【適応外】
本剤を分割して投与することは、承認外の用法となります。

錠剤分割後の安定性について検討していませんので、おすすめしていません。

錠剤に割線はありません。

本剤を分包、又は他剤と一包化した際の安定性について検討していませんので、おすすめしていません。

【適応外】
本剤を簡易懸濁して投与することは、承認外の用法となります。

簡易懸濁にて投与した際の薬物動態、有効性、安全性は検討していませんので、おすすめしていません。

簡易懸濁後の安定性データはありません。

安全性

添付文書「8. 重要な基本的注意」に、以下のとおり記載されています。

【シベクトロ®錠200mg】
8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、次のことに注意すること。
・感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで行うこと。
・投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

【シベクトロ®点滴静注用200mg 】
8.1 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
・事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
・投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
・投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.2 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、次のことに注意すること。
・感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで行うこと。
・投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

【シベクトロ®錠200mg】
本剤の添付文書「10. 相互作用」に、以下のとおり記載されています。

In vitro試験において、テジゾリドリン酸エステル及びテジゾリドは乳癌耐性蛋白(BCRP)の阻害作用を有する。テジゾリドリン酸エステルを経口投与したとき、腸管のBCRPを阻害することにより、BCRPの基質である薬剤の血中濃度等に影響を与える可能性がある。[16.7参照]

10.2 併用注意(併用に注意すること)

併用注意の薬剤

【シベクトロ®点滴静注用200mg】
添付文書上、相互作用の記載はありません。

MRSA感染あるいはその疑いがある皮膚・軟部組織感染症患者を対象とした国内第Ⅲ相実薬対照試験において、テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回、7~14日間点滴静注(経口投与への切り替え可)した83例中25例(30.1%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められました。

主な副作用は、ALT上昇 4件(4.8%)、AST上昇 3件(3.6%)、注射部位紅斑 3件(3.6%)等でした。

<引用>
添付文書

その他

添付文書「14. 適用上の注意」に、以下のとおり記載されています。

【シベクトロ®錠200mg】
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

【シベクトロ®点滴静注用200mg】
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製方法
(1) 本剤1バイアルに注射用水4 mLを加える。
(2) なるべく泡立たないようにバイアルをゆっくり回し、内容物を完全に溶解させる。
(3) 生じた泡が消えるまで放置し、不溶物がないことを確認する。
(4) 得られた溶液は速やかに使用すること。やむを得ず溶液を保存する場合でも、室温又は冷蔵庫(2~8℃)に保存し、24時間以内に使用すること。
(5) 投与前に(4)の溶液を生理食塩液250 mLで希釈して使用する。このとき目視で不溶物が確認された場合には使用せずに廃棄すること。

14.1.2 配合変化
(1) 本剤と乳酸リンゲル液を含む二価カチオン液との配合は不可である。
(2) 配合変化については限られたデータしかないため、本剤を他の薬剤と混合又は混注しないこと。

14.2 薬剤投与時の注意
本剤と他の薬剤を同一の輸液ラインにより連続注入する場合には、生理食塩液を本剤の投与前後に輸液ライン内に流すこと。

錠剤、点滴製剤共に遮光の必要はありません。

国内第Ⅲ相試験(16099試

国内第Ⅲ相試験(16099試験)において、主要評価項目:治癒判定時の臨床効果(治癒率)(ME-MRSA(*1)、皮膚・軟部組織感染症)はテジゾリド群で86.2%、リネゾリド群で80.0%、治癒判定時の微生物学的効果(消失率)(ME-MRSA、皮膚・軟部組織感染症) はテジゾリド群で93.1%、リネゾリド群で90.0%でした。

(*1)ME-MRSA:微生物学的評価可能解析対象集団(スクリーニング時の培養でMRSA が同定された被験者)

<引用>
(1)申請資料概要 2.7.6.24

国内第Ⅲ相試験ではグラム陽性菌に加えグラム陰性菌の混合感染の場合はグラム陰性菌治療にアズトレオナムを使用することを可としています。
海外第Ⅲ相試験では、創感染患者でグラム陰性菌感染が疑われた場合はアズトレオナム又はメトロニダゾール補助治療を可としています。
その他の全身性抗菌薬使用は国内第Ⅲ相試験・海外第Ⅲ相試験ともに許容していません。

<引用>
インタビューフォーム V.治療に関する項目 5.臨床成績

国内第Ⅲ相臨床試験:投与開始後3-4日後の臨床効果判定以降であればとくに規定はありません。

海外第Ⅲ相臨床試験(ESTABLISH-2(113試験)):投与開始24時間以降、かつ以下4つの基準の少なくとも2つを満たした場合、経口製剤に切り替え可能。
 ①原発のABSSSI病変部に拡大がない
 ②体温 37.7°C未満
 ③原発感染部位に増悪の局所徴候等がない
 ④前回来院時から1つ以上の改善傾向が見られる

<引用>
インタビューフォーム V.治療に関する項目 5.臨床成績

日本人を対象とした第Ⅰ相試験(試験16101、16102)及び第Ⅲ相試験(試験16099)があります。

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