製品基本Q&A

製品基本Q&A

プレバイミス®


製品情報

同種造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制です。

<引用>
添付文書

プレバイミス®はウイルスの複製に必要なCMVのDNAターミナーゼ複合体を阻害します。生化学的な検討及び電子顕微鏡所見から、プレバイミス®は一単位長のゲノムの生成に影響し、ウイルス粒子の形成を阻害することが明らかとなりました。

<引用>
添付文書

CMV感染に関しても、他の疾患と同様予防投与のニーズはありましたが、これまでは予防に適した薬剤がありませんでした。
プレバイミス®は有効性、安全性のプロファイルから予防投与に適した薬剤であると考え、適応を取得しました。

プレバイミス®はウイルスの子孫DNAの切断及びパッケージングに関与するウイルスターミナーゼ複合体を阻害します。

プレバイミス®の抗ウイルス作用はHCMV(ヒトサイトメガロウイルス)に選択的であったことから、HCMVのターミナーゼのみを阻害すると考えられます。また、CMVのターミナーゼは、基本的に2つのウイルス遺伝子(UL56及びUL89)の産物である大小2つのサブユニットからなりますが、標的分子はUL56であることが明らかとなっています。

<引用>
申請資料概要 2.4 非臨床試験の概括評価 2.4.2 薬理試験 p7,p8-9

【適応外】
同種造血幹細胞移植患者以外の患者への使用は適応外であり、有効性および安全性データがありません。
本剤のご使用にあたっては製品添付文書をご覧いただきますようお願いいたします。

<承認>
カナダ、米国、EUで承認されています。 (2018年3月時点)

<発売>
2017年12月初めに米国で、2017年12月後半にカナダで発売されました。
EUでは、2018年2月にドイツとオーストリアで発売されました。

レテルモビルは、CMV以外の他のウイルスには抗ウイルス作用が認められず、HCMV(ヒトサイトメガロウイルス)に選択的でした(1)(2)。

<検討したウイルス>
他のヘルペスウイルス:水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)、単純ヘルペスウイルス1型及び2型(HSV-1, HSV-2)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)、Epstein-Barrウイルス(EBV)

ヘルペスウイルス以外:ヒトアデノウイルス2(HAdV-2)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、A型インフルエンザウイルス、C型肝炎ウイルス(HCV)

<引用>
(1)申請資料概要 2.6.2 p.28-30
(2)Marschall M et al. Antimicrob Agents Chemother. 56(2):1135-7,2012

【適応外】
CMV感染症の治療(標的治療)に対する使用は適応外です。
CMV感染症の治療効果を十分に検証したデータはありません。
本剤のご使用にあたっては製品添付文書をご覧いただきますようお願いいたします。

添付文書上、使用の制限はありません。

CMV抗体陰性レシピエントに使用したデータはないため、CMV抗体陽性ドナーから移植を受けるCMV抗体陰性の同種造血幹細胞移植患者におけるプレバイミス®の有効性、安全性は検討されていないものの、作用機序やCMV感染症の重篤性等を踏まえると、臨床的に有用であると考えられることから、使用上の注意に制限は記載しないこととしました。

<引用>
申請資料概要 1.8.2 効能・効果(案)の設定根拠 p.5

プレバイミス®は食事に関係なく投与することができます。

<引用>
(1)申請資料概要2.7.6 個々の試験のまとめ p.54

【適応外】
自家造血幹細胞移植患者への使用は適応外であり、有効性及び安全性データがありません。
本剤のご使用にあたっては製品添付文書をご覧いただきますようお願いいたします。

【適応外】
CMVの先制治療に対する使用は適応外です。先制治療効果を十分に検証したデータはありません。
本剤のご使用にあたっては製品添付文書をご覧いただきますようお願いいたします。

【適応外】
臓器移植患者に対する使用は適応外です。
本剤のご使用にあたっては製品添付文書をご覧いただきますようお願いいたします。

化学療法又は放射線療法によって引き起こされる胃腸粘膜障害、及び移植片対宿主病(GVHD)が関与している可能性が考えられます(1)。

<引用>
(1)申請資料概要 2.7.2 p.87

レテルモビルは体内での代謝を受けにくい薬剤です。

(詳細)
血漿中のレテルモビルの大部分は未変化体として存在し、血漿中に主要代謝物は検出されませんでした。
レテルモビルの全体的な代謝プロファイルから、一部はUGT1A1/1A3を介したグルクロン酸抱合により代謝を受けると考えられます。

<引用>
申請資料概要 2.7.2 p.20

使用方法

プレバイミス®錠240mg、プレバイミス®点滴静注240mgの添付文書には、以下のとおり記載されています。

【プレバイミス®錠】

6.用法及び用量
通常、成人にはレテルモビルとして480mgを1日1回経口投与する。シクロスポリンと併用投与する場合にはレテルモビルとして240mgを1日1回経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 錠剤と注射剤は医師の判断で切り替えて使用することができる。

7.2 同種造血幹細胞移植の移植当日から移植後28日目までを目安として投与を開始すること。投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後100日目までを目安とすること。 サイトメガロウイルス血症又はサイトメガロウイルス感染症が確認された場合には、本剤の投与を中止し、サイトメガロウイルスに対する治療等、適切な対応を行うこと。[17.1.1 参照]

【プレバイミス®点滴静注】

6.用法及び用量
通常、成人にはレテルモビルとして480mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する。シクロスポリンと併用投与する場合にはレテルモビルとして240mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 錠剤と注射剤は医師の判断で切り替えて使用することができる。ただし、臨床試験において注射剤の長期投与の経験はなく、注射剤の添加剤ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは腎機能障害のある患者で蓄積し、腎機能の悪化等を引き起こすおそれがあることから、注射剤の投与は最小限の期間とし、経口投与可能な患者には、経口投与を選択すること。[9.2.1 参照]

7.2 同種造血幹細胞移植の移植当日から移植後28日目までを目安として投与を開始すること。投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後100日目までを目安とすること。 サイトメガロウイルス血症又はサイトメガロウイルス感染症が確認された場合には、本剤の投与を中止し、サイトメガロウイルスに対する治療等、適切な対応を行うこと。[17.1.1 参照]

<引用>
添付文書

次の患者には投与しないでください。

  • (1) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • (2) 次の薬剤を投与中の患者:ピモジド、エルゴタミン含有製剤、ジヒドロエルゴタミン、メチルエルゴメトリン、エルゴメトリン

<引用>
添付文書

生殖能を有する者、妊婦、授乳婦に対し、本剤の添付文書には、以下のように記載されています。

9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤が胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明し、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5 参照]

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤投与の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を投与するか、本剤投与中の患者が妊娠した場合は、本剤投与による催奇形性等が生じる可能性があることについて、患者に十分説明すること。
妊娠ラット及びウサギの器官形成期に投与したとき、臨床曝露量(シクロスポリン併用下での240mg経口投与)のそれぞれ18倍及び2.8倍の母動物毒性を示す用量で骨格奇形、胎児体重の減少等が認められた。妊娠ラットに着床から分娩後まで投与した試験では、臨床曝露量の3.7倍まで胚・胎児毒性は認められなかった。[9.4 参照]

9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁移行が認められている。

<引用>
添付文書

小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

<引用>
添付文書

レテルモビルを成人健康被験者に720mg/日から1,440mg/日を最長14日間投与した際に認められた副作用は、推奨用量である480mg/日を投与した場合と類似していました。過量投与が生じた際は、患者に副作用の徴候がないか観察し、必要に応じ適切な対症療法を実施してください。

<引用>
インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 10.過量投与

第Ⅲ相臨床試験においてホスカルネットなどの抗CMV作用を持つ薬剤(*)は、CMVの治療又は予防以外の目的での使用は許容されていたため、HHV-6の予防や治療を目的としての投与は制限されていませんでした(1)。

しかしながらそれらの詳細なデータは無く、プレバイミス®と併用した際の有効性・安全性は確立されていません。

添付文書上の併用の制限もありませんが、保険給付につきましては、各都道府県の基金・国保の審査の先生に委ねられているため、地域の審査支払機関にご確認ください。

(*) ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、シドフォビル、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、抗CMV抗体抗力価免疫グロブリン、抗CMV薬又はCMV生物学的療法の治験薬を含むがこれに限定されない。

<引用>
(1)Marty FM et al. N Engl J Med. 377(25):2433-2444,2017 protocol

アシクロビル(バラシクロビル、ファムシクロビル)との併用に関する制限はありません。

相互作用試験でも、アシクロビルとの併用で薬物動態に臨床的に意味のある変動は認められませんでした(1)。

プレバイミス®の第Ⅲ相臨床試験においても、約8割の被験者がアシクロビルを併用していました(2)。

<引用>
(1) インタビューフォーム Ⅶ. 薬物動態に関する項目 1.血中濃度の推移・測定法 (5)食事・併用薬の影響 2)併用薬の影響
(2) 申請資料概要 2.7.3 p.125

移植後100日までの投与は、第Ⅲ相臨床試験(001試験)で規定したプレバイミス®の投与期間に基づき設定しました。

<なぜ001試験でそのように設定したのか?>
001試験では、急性GVHD(*1)が発症しやすく、好中球減少やステロイド投与等による患者の免疫機能の低下も懸念されCMV感染の好発時期である、移植後14週(約100日)までのプレバイミス®の投与を規定しました(1)。

(*1)GVHD(Graft-versus-host disease):移植片対宿主病

<引用>
(1)申請資料概要 1.8.2 p.11

移植後28日までの投与開始(*)は、第Ⅲ相臨床試験(001試験)で規定したプレバイミス®の投与期間に基づき設定しました。

<なぜ001試験でそのように設定したのか?>
本剤が予防投与を目的としていることから、CMV感染が起こるよりも前の時期、早ければ移植当日、遅くとも移植後28日目までに生着の有無にかかわらず投与を開始することが望ましいと考えました(1)。

<引用>
(1)申請資料概要 1.8.2 p.11

本剤の投与開始後にシクロスポリンの使用を新たに開始または中止する場合には、次回の投与から本剤の用量を変更してください。

シクロスポリンの血中濃度の上昇によりシクロスポリンを一時的に休薬する場合は、プレバイミス®240㎎の用量は変更しないでください。

【適応外】
先制治療としての使用は適応外です。
本剤のご使用にあたっては製品添付文書をご覧いただきますようお願いいたします。

添付文書の用法・用量に関連する使用上の注意には、「サイトメガロウイルス血症又はサイトメガロウイルス感染症が確認された場合には、本剤の投与を中止し、サイトメガロウイルスに対する治療等、適切な対応を行うこと。」と記載されており、プレバイミス®の投与は中止していただきますようをお願いいたします。

レテルモビルは他の抗CMV薬(ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネットなど)と作用機序が異なることから、理論的には交差耐性は生じないと考えられます(1)(2)。
レテルモビルに耐性の変異株は、ガンシクロビル、ホスカルネットなどに対して感受性を維持していました (1)(2)。

一方で、第Ⅲ相臨床試験で確認されたレテルモビルに低感受性を示すUL56領域E237G置換は、野生株と比較してガンシクロビルに対する感受性を2.1倍低下させました(3)(4)。

このことから、一部の遺伝子変異は他の抗CMV薬と交叉耐性を示す可能性もありますが、今回のガンシクロビルの感受性を2.1倍低下させる交差耐性の機序および臨床的意義は不明です(3)(4)。

<交叉耐性が生じた例の詳細(3)(4)>
第Ⅲ相試験(001試験)の試験第6週(レテルモビルの予防投与の中止32日後)に採取した血漿検体に、pUL56 E237G置換が同定されました。pUL56 E237G置換を導入した組換えCMV株では、レテルモビルのEC50値が13倍、ガンシクロビルのEC50値が2.1倍増加しました。
実験的にEC50値が有意に増加したことから、GCVに対して「耐性(=低感受性)」を示す置換と判断されました。この置換により組換えCMV株の複製能には明らかな影響はみられませんでした。

なお、この患者に対し約3週間のバルガンシクロビル療法を行った結果、血漿中CMV DNA濃度は、移植後48週に至るまで<151コピー/mL又は検出不可能となりました。ガンシクロビルに耐性を示す株では、pUL97又はpUL54に置換が導入されていることが報告されています。本組換え株では、pUL97及びpUL54に置換を導入していないことから、pUL56 E237Gの置換のみでガンシクロビルに対しても耐性が誘導されることが明らかになりましたが、現時点で交差耐性を示す機序及びその臨床的意義は不明です。

<引用>
(1)申請資料概要 2.6.2 薬理試験の概要文 p.35
(2)Goldner T et al. Antimicrob Agents Chemother. 2014;58(1):610-613.
(3) Douglas CM et al. J Infect Dis. 2020;221(7):1117-1126.
(4)James SH et al. J Infect Dis. 2020;221(7):1036-1038.

添付文書 では、「投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後100日目までを目安とすること」としており、患者様のCMV感染症の発症リスクを考慮した上で100日を超えた投与をご検討ください。

第Ⅲ相試験では、移植後14週(約100日)までの投与としており、100日を超えて投与した際の有効性・安全性は検討されていませんが、患者様の状態に応じて移植後100日を超えてCMV感染の予防を必要とする場合もあると考えられるため、投与期間は患者のCMV感染症の発症リスクを考慮し決定することとしました(1)。

ただし、保険給付に関しては、各都道府県の審査の先生方の判断が異なる場合もあると思われますので、地域の審査支払機関に状況をご確認ください。

<引用>
(1)インタビューフォーム(使用上の注意解説)

添付文書には「移植当日から移植後28日目までを目安として投与を開始すること。」とあります。

移植後28日以内に投与を開始する規定で実施した第Ⅲ相試験で有効性を評価しているため、これを過ぎてから投与を開始した場合の有効性データはありません。

移植後28日以降の投与開始に関しては、このことをご考慮の上、個別にご判断ください。

ただし、保険給付に関しては、各都道府県の審査の先生方の判断が異なる場合もあると思われますので、地域の審査支払機関に状況をご確認ください。

第Ⅰ相臨床試験において、健康被験者にプレバイミス®を経口投与した際の絶対的バイオアベイラビリティが高かった(*1)ことから、第Ⅲ相試験で経口、点滴静注共に同用量(*2)が選択されました。

また、第Ⅲ相臨床試験において、同種造血幹細胞移植(HSCT)患者にプレバイミス®を経口、点滴静注共に同用量(*2)投与した際に得られた曝露量の範囲では、一貫した有効性が認められたこと、また曝露量増加に伴う懸念すべき有害事象は認められなかったことから、用法・用量として経口、点滴静注共に同用量が設定されました。

(*1)バイオアベイラビリティ 健康成人: 約94% (【注!】HSCT患者: 約35%)
(*2)480mg、シクロスポリン併用時は240mg

<引用>
申請資料概要 2.7.2.1.1 薬物動態 p.16-32

添付文書上「錠剤と注射剤は医師の判断で切り替えて使用することができる。」と記載されてはいますが、注射剤の添付文書には、「注射剤の投与は最小限の期間とし、経口投与可能な患者には経口投与を選択すること。」と記載されています。

第Ⅲ相臨床試験(001試験)では原則として、治験薬は錠剤を経口投与することとし、経口投与が難しいと思われる患者さん(*1)にのみ注射剤を用いていました(1)。

注射剤は、中等度又は重度(クレアチニンクリアランス<50mL/min)の腎機能障害のある患者は慎重投与です。

(*1)嘔吐や下痢、吸収不能など、患者が嚥下不能又は錠剤の吸収を妨げる可能性のある状態

<引用>
(1)申請資料概要2.7.6 p.371

【適応外】
本剤を粉砕して投与することは、承認外の用法となります。

粉砕して投与した際の薬物動態、有効性、安全性は検討していませんので、おすすめしていません。

粉砕後の安定性データはありません。

【適応外】
本剤を分割して投与することは、承認外の用法となります。

錠剤分割後の安定性について検討していませんので、おすすめしていません。

錠剤に割線はありません。

本剤を分包、又は他剤と一包化した際の安定性について検討していませんので、おすすめしていません。

【適応外】
本剤を簡易懸濁して投与することは、承認外の用法となります。

簡易懸濁にて投与した際の薬物動態、有効性、安全性は検討していませんので、おすすめしていません。

簡易懸濁後の安定性データはありません。

安全性

プレバイミス®を移植後14週目まで経口又は静脈内投与した第Ⅲ相国際共同試験(001試験)では、移植後24週目までに、プレバイミス®の投与を受けた373例中63例(16.9%)に副作用が認められました。主な副作用は、悪心(7.2%)、下痢(2.4%)、嘔吐(1.9%)でした。

<引用>
インタビューフォーム

ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPCD)は、環状オリゴ糖であるシクロデキストリン誘導体の一つであり、レテルモビルが極めて水に溶けにくいため、溶解性を高めるために溶解補助剤として添加されています(1)。

<使用上の注意の設定根拠(2)>
添加剤のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPCD)は代謝を受けずに腎排泄されることから、腎機能障害のある患者ではHPCDが蓄積するおそれがあります。ラット及びイヌを対象とした非臨床試験においては、HPCDにより腎臓に空胞化等の生理学的な適応性変化がみられましたが、変性や壊死等の腎毒性はみられませんでした。また、サルでは腎臓への影響は認められませんでした。001試験の結果、ヒトにおいてHPCDが腎機能に影響を及ぼす臨床所見は得られませんでしたが、ヒトでHPCDが蓄積した場合の安全性情報は限られているため、注射剤の投与期間を最小限とする根拠の一つとして記載しました。

<引用>
(1)申請資料概要 2.7.1 p.14
(2)インタビューフォーム

タクロリムスやシロリムスとの併用時にプレバイミス®を減量しなくてよい理由は、併用してもプレバイミス®の血中濃度には影響を及ぼさないことが示唆されたためです(1)。

シクロスポリンは、OATP1B1/3を阻害することで、併用によりOATP1B1/3の基質であるプレバイミス®の血中濃度が上昇しますが、タクロリムス/シロリムスはOATP1B1/3を阻害しません。

<タクロリムス/シロリムス:併用注意の理由>
プレバイミス®とタクロリムス/シロリムスが併用注意となっているのは、プレバイミス®のCYP3A阻害作用により、「タクロリムス/シロリムスの」血中濃度が上昇するためです(シクロスポリンも同様)。 そのため、これらの免疫抑制剤との併用時には免疫抑制剤の血中濃度を頻繁にモニタリングすることとなっています。

<引用>
(1)インタビューフォーム Ⅶ.薬物動態に関する項目

その他

プレバイミス®錠240mg、プレバイミス®点滴静注240mgの添付文書には、以下のとおり記載されています。

【プレバイミス®錠】

14.1 薬剤調製時の注意

14.1.1 PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。

14.1.2 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

【プレバイミス®点滴静注】

14.1 薬剤調製時の注意

14.1.1 希釈前に、変色や不溶性異物がないか、各バイアルを確認すること。本剤は無色澄明の溶液である。また、製品由来の少量の半透明又は白色の微粒子を含むことがある。バイアル内の溶液に変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められた場合は使用しないこと。バイアルを振盪しないこと。

14.1.2 480mgの場合は2バイアルから24mLを、240mgの場合は1バイアルから12mLを採取し、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液250mLの点滴バッグに添加し、振盪せず静かに混和すること。本剤のバイアルは1回使い切りである。残液は使用しないこと。

14.1.3 混和後、本剤の希釈液は無色~黄色澄明の溶液となる。投与前の希釈液に変色や不溶性異物がないか目視により確認すること。変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められる場合には、希釈液を廃棄すること。

14.1.4 希釈液は、室温保存(2~30°C)では24時間以内に、冷蔵保存(2~8°C)した場合は48時間以内に使用すること。なお、これらの時間には点滴終了までの時間が含まれる。

14.2 配合変化
本剤は他剤と配合したとき、濁りや不溶性異物が生じることがある。配合適性についてはデータが限られているが、次の薬剤は配合禁忌であり、同一の輸液ラインを通して同時に注入しないこと。
主な配合禁忌薬剤:アミオダロン塩酸塩、アムホテリシンBリポソーム、アズトレオナム、セフェピム塩酸塩、シプロフロキサシン、シクロスポリン、ジルチアゼム塩酸塩、フィルグラスチム(遺伝子組換え)、ゲンタマイシン硫酸塩、レボフロキサシン、リネゾリド、ミダゾラム、オンダンセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩

14.3 薬剤投与時の注意

14.3.1 必ず0.2μmインラインフィルター(ポリエーテルスルホン、ポリスルホン又は正荷電ナイロン製)を使用して投与すること。

14.3.2 本剤はポリウレタンを含有する輸液チューブで投与しないこと。

<引用>
添付文書

【プレバイミス®錠】

貯法は、室温保存です。

【プレバイミス®点滴静注】

貯法は、室温保存です。
外箱開封後は遮光して保存してください。

<引用>
添付文書

CMV感染の好発時期は移植後100日以内と一般的に報告されています(1)。

造血細胞移植ガイドライン(2)には、「移植後平均 day35 で、約60%の症例でCMV 抗原血症が陽性化するが、そのリスクは移植前のリスク因子による」と記載されています。

<引用>
(1)Sousa H et al. Biol Blood Marrow Transplant. 2014;20(12):1958-1967.
(2)造血細胞移植ガイドライン サイトメガロウイルス感染症 第4版 発行:日本造血細胞移植学会, 2018:11.

<臨床的に意味のあるCMV感染のNNT(*1)は5人(1)>
第Ⅲ相試験では、移植後24週以内に臨床的に意味のあるCMV感染がみられた患者の割合に関する相対リスクがプラセボと比較して約40%低下し、NNTは5人でした。

<死亡のNNTは22人(1)>
第Ⅲ相試験では、移植後48週時点の全死亡の相対リスクはプラセボと比較して約18%減少し、NNTは22人でした。

(*1)NNT (Number Needed to Treat): 治療必要数 (1イベントを予防するのには、何人に投与すればいいのか)

<引用>
(1)申請資料概要 2.5 p.103

死亡原因に明確な差は認められなかったため、CMVの再活性化を予防することで、何が影響して全死亡率低下につながったのか、明確な理由は不明です。

なお、第Ⅲ相臨床試験では、移植後48週以内にCMV感染症が原因で死亡した例は両群ともにありませんでした(1)。

(関連情報)
過去のレトロスペクティブコホート研究(2)(3)(4)からは、CMV再活性化と、移植後の非再発性死亡率増加および全生存率低下との関連が示唆されています。プレバイミス®投与で再活性化を予防することで全死亡率が低下したという結果は、これらの過去の研究結果を支持するものです。

<引用>
(1)申請資料概要 2.7.4 p.235-237
(2)Teira P et al. Blood. 127(20):2427-38, 2016
(3)Green ML et al. Lancet Haematol. 3(3):e119-27,2016
(4)Takenaka K et al. Biol Blood Marrow Transplant. 21(11):2008-16,2015

再活性化の要因として、ベースライン時のCMV感染のリスクが高いこと、無作為化以降のGVHDの発現およびステロイドの併用が関連することが示唆されました(1)。

<引用>
(1)申請資料概要 2.5 p.65-66

血液疾患の再発の頻度について、プレバイミス®群とプラセボ群で明確な違いは認められませんでした(1)(2)。

<引用>
(1)Marty FM et al. N Engl J Med. 377(25):2433-2444,2017
(2)Marty FM et al. N Engl J Med. 378(10):965,2018

<「終末器官におけるCMV感染症の発症」の定義>
治験担当医師によりCMV感染症が疑われたすべての患者を盲検下の独立臨床判定委員会に報告し、診断の判定が行われました。独立臨床判定委員会により終末器官におけるCMV感染症と判定された症例のみを、終末器官におけるCMV感染症を含む評価項目の解析に含めました(1)。

<引用>
(1)申請資料概要 2.5 p.66

<「CMV血症」の定義(1)>
CMV 血症が確認された場合とは、抗CMV 薬による先制治療の開始直前に採取した血液検体より、中央検査機関でロシュ社のPCR(*1)を用いてCMV DNA が検出された場合と定義しました(定量下限は137 IU/mL、約150 copies/mL に相当。なお、検出されたが定量限界未満の場合も「検出された」に含まれます)。

(*1)Roche COBAS® AmpliPrep/COBAS® TaqMan (CAP/CTM)System CMV DNA PCR アッセイ:WHO 国際基準に適合したPCR検査法

<先制治療の開始基準(1)>
先制治療の開始基準は、CMV血症の確認(中央検査機関による測定)及び臨床状態に基づくとされましたが、先制治療を開始する目安となるウイルス量閾値に関して、リスクの高低に応じて以下のガイダンスを示していました。

治験薬投与期間中[移植後14週目(約100日)まで]:
高リスク:CMV DNA ≧150 copies/mL
低リスク:CMV DNA >300 copies/mL

後観察期間中[移植後14週(約100日)以降]:
高リスク:CMV DNA >300 copies/mL
低リスク:CMV DNA >300 copies/mL

ただし、患者のリスク状態および臨床状態は試験実施中に変化するため、先制治療開始の閾値は治験実施計画書で規定するのではなく、担当の治験担当医師が最終判断を行うこととしました。また、中央検査機関によるCMV血症の結果を入手できない場合、治験担当医師は治験実施医療機関の検査結果(PCRまたはアンチジェネミアによる)が陽性であれば治療を開始してもよいとされました。(その場合はPCR検査用の血漿検体を中央検査機関に送付する。)

<引用>
(1)申請資料概要 2.7.3 p.40-44

第Ⅲ相臨床試験において、移植から治験薬投与(=無作為割付の日)までの期間の中央値は、両投与群で9日でした(1)。(安全性解析対象集団(ASaT)(*1))

両投与群で、63.4%が移植後2週間以内に治験薬の投与を開始しました(1)。(安全性解析対象集団(ASaT))

(*1) ASaT(All Subjects as Treated):無作為割付け後に治験薬投与を1回以上受けたすべての患者(実際に投与された治験薬に対応する投与群)

<引用>
(1)申請資料概要 2.7.3 p.122

第Ⅲ相臨床試験で治験薬が投与された全集団(*1)において、移植後48週までに死亡に至った有害事象として、最も多かったのは、プレバイミス®、プラセボ両群ともに疾患再発を含む良性/悪性(および詳細不明の)新生物であり、次いで感染症、GVHDでした(1)。


(*1)ASaT(All Subjects as Treated)解析対象集団。なお、有効性の主要解析集団はFAS(Full analysis set)です。FAS は、ASaTのうち、Day 1(無作為割付日)に中央検査機関の検査にてCMV DNAが検出されないすべての患者から構成されます。
 割付け患者:570例(プレバイミス®群 376例、プラセボ群 194例)
 ASaT解析対象:565例(プレバイミス®群 373例、プラセボ群 192例)
 FAS解析対象:495例(プレバイミス®群 325例、プラセボ群 170例)
(*2)いずれも多臓器機能不全症候群
(*3)いずれもGVHD
(*4)再発急性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、再発急性リンパ性白血病など

<引用>
(1)申請資料概要 2.7.4 p.235-237

非再発死亡(*)率は、プレバイミス®群で低い傾向が認められました。

(詳細)
移植後14週以内の非再発死亡割合は、プレバイミス®群で4.0% (95%CI: 2.1, 6.7)、プラセボ群で5.3% (2.4, 9.8) 、移植後24週以内では、プレバイミス®群で6.5% (4.0, 9.7) 、プラセボ群で10.6% (6.4, 16.2)、移植後48週以内ではプレバイミス®群で12.0 (8.7, 16.0) 、プラセボ群で15.9 (10.7, 22.3)でした(FAS解析対象集団)(1)。

カプラン・マイヤーによる移植後24週以内の非再発死亡に関するイベント発生率は、プラセボ群(11.7%)と比較してプレバイミス®群(6.9%)で低く、非再発死亡は、プレバイミス®群よりプラセボ群で早期に生じる傾向が認められました(層別ログランク検定、両側P値:P=0.0757、多重性の調整なし)(1)。
同様に、移植後48週以内の非再発死亡に関するイベント発生率は、プラセボ群(17.8%)と比較してプレバイミス®群(13.7%)で低い傾向が認められました。移植後48週時点の非再発死亡までの期間の分布には、プレバイミス®群とプラセボ群で明確に乖離していました(層別ログランク検定、両側P 値:P=0.1342、多重性の調整なし)(1)。

(*)非再発死亡:移植を実施した原疾患以外の理由による死亡

<引用>
(1)申請資料概要 2.7.3 p.81-83

ターミナーゼはウイルス特有の機能で、ヒトにはDNAターミナーゼに相当するものがありません(1)。

<引用>
(1) Bowman LJ et al. Expert Opin Investig Drugs. 26(2):235-241,2017

240mgを125mLに希釈した場合、480mgを250mLに希釈した場合と同一の濃度であることから、濃度による問題はありません。

しかしながら、第Ⅲ相試験において、用量(480mg又は240mg)を問わず250mLに希釈した際の有効性及び安全性を評価していることから、添付文書ではいずれも250mLへの希釈と規定しています。

ポリウレタンを含有する輸液チューブとの適合性を検討したところ、プレバイミス®の定量値が低下することが確認されたため、ポリウレタンを含有する輸液チューブで投与しないこととしました。

添付文書上特に規定はありませんが、続けて他の薬剤を投与する場合には、生理食塩液でフラッシュして使用することをおすすめします。

第Ⅲ相臨床試験(001試験)の結果から、プレバイミス®の注射剤の忍容性は概して良好であり、安全性プロファイルは錠剤も含めた全体の有害事象プロファイルと類似していました(1)。 なお、注射剤では、注射部位の副作用が報告されましたが、プレバイミス®群の2例のみ(紅斑及び炎症)であり、いずれも軽度でした(1)。

<引用>
(1)申請資料概要 2.5 p.92-93

第Ⅲ相臨床試験の結果より、製剤(錠剤、注射剤)の違い及び切替えの有無にかかわらず、投与期間が十分であれば一貫した有効性が得られることが示唆されています(1)。

<引用>
(1)申請資料概要 2.5 p.60

in vitroでの検討において、CMVのDNAターミナーゼをコードする遺伝子(UL51遺伝子、UL56遺伝子、UL89遺伝子) における変異が、レテルモビル低感受性に関係していることが明らかになりました(1)(2)(3)。

第Ⅲ相臨床試験では、予防不成功例で得られた検体の遺伝子解析により、3例で4種類のレテルモビルに低感受性を示す変異(C325W、R369T、V236M、E237G)が検出されました(3)。

なお、上記4種類の耐性を誘導する置換それぞれのRI (Resistance index)値の範囲は13~8262でした。現時点では例数が限定されていることから、RI値と予防失敗との臨床的な関連性は明らかではありません。

[市販後の報告]
市販後、一次予防または二次予防に使用した際、耐性が生じたとする報告があります(4)-(10)。(2020年9月現在)

また、市販後、適応外使用となりますが、先制治療あるいは感染症治療に使用した際、効果不十分で耐性変異が生じたとする報告があります。(2020年9月現在)

<引用>
(1)申請資料概要 2.6.2 p.33-35, 51-52
(2)Goldner T et al. Antimicrob Agents Chemother. 2014;58(1):610-613.
(3)Chou S et al. Antimicrob Agents Chemother. 2018; 62: e00922-18.
(4)Knoll BM et al. Bone Marrow Transplant. 2019;54(6):911-912.
(5)Jung S et al. BMC Infect Dis. 2019;19(1):388.
(6)Alain S et al. J Antimicrob Chemother. 2020;75(8):2253-2257.
(7)Lin A et al. Transpl Infect Dis. 2019;21(6):e13187.
(8)Kilgore JT et al. J Pediatric Infect Dis Soc. 2019;9(4):486-489.
(9)Robin C et al. Biol Blood Marrow Transplant. 2020;26(5):978-984.
(10)Popping S et al. Open Forum Infect Dis. 2019;6(9):ofz375.

1.警告
同種造血幹細胞移植患者の感染管理に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに投与すること。

十分な知識・経験を持つ医師として、具体的な規定はされていません(移植認定医という規定もありません。)
同種造血幹細胞移植患者の感染管理に十分な知識・経験を持つと判断される医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに投与いただきますようお願いいたします。

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