追跡期間中央値:13.4ヵ月

MSI-High固形癌:国際共同臨床試験成績:国際共同第Ⅱ相試験<KEYNOTE-158試験>

承認時評価資料:国際共同第Ⅱ相試験(KEYNOTE-158試験)
Marabelle A et al. J Clin Oncol 2020; 38: 1-10
本試験はMSD社の資金提供を受けており、著者らは同社の社員や謝金を受領したものを含みます。

※本試験は、切除不能な局所進行又は転移性の固形癌患者を組み入れたグループA〜Kで構成されています。ここではグループKを含む全コホートから、高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high; MSI-High)固形癌患者の成績についてご紹介します。

<各グループに組み入れられた癌腫>
A: 肛門癌(扁平上皮癌)、B: 胆道癌[腺癌:胆嚢又は胆道系(肝内又は肝外胆管癌)、ただしファーター膨大部腫瘍は除く]、C: 肺、虫垂、小腸、結腸、直腸及び膵臓由来の神経内分泌腫瘍(高分化型又は中分化型神経内分泌腫瘍)、D: 子宮内膜癌(肉腫又は間葉性腫瘍は除く)、E: 子宮頸癌(扁平上皮癌)、F: 外陰癌(扁平上皮癌)、G: 小細胞肺癌、H: 中皮腫、I: 甲状腺癌、J: 唾液腺癌(肉腫又は間葉性腫瘍は除く)、K: MSI-Highの進行性固形癌(結腸・直腸癌を除く)

試験概要

【目的】一次治療として標準的な化学療法歴のある切除不能な局所進行又は転移性のミスマッチ修復(MMR)欠損又はMSI-Highを有する固形癌患者におけるキイトルーダ®の有効性及び安全性を検討する。

【デザイン】国際共同非無作為化非盲検第Ⅱ相試験

【対象】一次治療として標準的な化学療法歴のある切除不能な局所進行又は転移性のミスマッチ修復(MMR)欠損又はMSI-High*1を有する固形癌(non-CRC)患者

【方法】キイトルーダ®200mgを3週間間隔(Q3W)で点滴静注した。投与開始後12ヵ月までは9週間毎、12ヵ月以降は12週間毎に画像検査による評価を行い、疾患進行(PD)又は許容できない有害事象の発現等による投与中止まで、最長約2年間投与を継続した。

試験概要

【評価項目】主要評価項目:奏効率(overall response rate; ORR)
副次評価項目:奏効期間(duration of response; DOR)、無増悪生存期間(progression free survival; PFS)、全生存期間(overall survival; OS)、安全性

【判定基準】ORR、DOR、PFSは、独立判定委員会(independent review committee; IRC)がRECISTガイドライン1.1版に基づき評価した。

【解析計画】解析対象集団:有効性*2及び安全性の主要解析はASaT集団*3を対象として実施した。
有効性評価の統計手法:ORRは、点推定値及び二項分布に基づく正確法による95%信頼区間(CI)を算出した。DOR、PFS、OSは、Kaplan-Meier法による生存曲線及びその中央値の推定値を計算した。また、サブグループ解析として、癌腫別のORR、DOR、PFS、OS及び日本人集団におけるORR、DOR、PFS、OSは、治験実施計画書には記載されていないが、全体集団と同様の統計手法にて検討した。

*1 本試験ではMMR欠損及びMSI-Highの判定には、それぞれIHC法及びPCR法を用いて検査された
*2 ORRは、全体(グループA~K)及びグループKのASaT集団を対象とした
*3 ASaT(all subjects as treated)集団:治験薬を1回以上投与されたすべての患者

5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
〈がん化学療法後に増悪した進行・再発のMSI-Highを有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
5.9 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、MSI-Highが確認された進行・再発の固形癌患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
5.10 結腸・直腸癌以外の固形癌の場合、本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。また、二次治療において標準的な治療が可能な場合にはこれらの治療を優先すること。
5.11 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.12 臨床試験に組み入れられた患者の癌腫等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。[17.1.12、17.1.13参照]

8. 重要な基本的注意
8.1 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患、8.2 間質性肺疾患、8.3 甲状腺機能障害、下垂体機能障害及び副腎機能障害、8.4 劇症肝炎、肝不全、肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎、8.5 1型糖尿病、8.6 腎障害、8.7 筋炎、横紋筋融解症、8.8 重症筋無力症、8.9 心筋炎、8.10 ぶどう膜炎(虹彩炎及び虹彩毛様体炎を含む)等の重篤な眼障害があらわれることがあるので注意が必要です。詳細は「製品情報:基本情報>「警告・禁忌」等その他の注意」をご参照ください。

患者背景(ASaT集団)

患者背景(ASaT集団)

*全身化学療法未治療。6人の患者のうち2人は、術前/術後補助療法の完了後12ヵ月間再発を認めなかった、もしくは根治的治療を受けた

Reprinted with permission. © 2019 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved.
Marabelle A et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 1-10.

主要評価項目 奏効率:ORR

奏効率(ORR)(ASaT集団)

奏効率(ORR)(ASaT集団)

*1 二項分布の確率計算による正確法
*2 ベースライン後奏効率の評価を行っていない患者を含む

Marabelle A et al. J Clin Oncol 2020; 38: 1-10より作成

  • ORRはキイトルーダ®群全体において34.3%(95%CI:28.3, 40.8)でした。

癌腫別の奏効率(CR+PR)、PFS、OS、DOR*1(サブグループ解析)

癌腫別の奏効率(CR+PR)、PFS、OS、DOR(サブグループ解析)

*1 ORR、PFS、OSの解析対象は、治験薬を1回以上投与した患者。DORの解析対象は、奏効を達成した患者
*2 二項分布の確率計算による正確法
*3 「+」は最後の疾患評価からPDがみられないことを示す

Reprinted with permission. © 2019 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved.
Marabelle A et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 1-10.

  • 癌腫別の奏効率は、子宮内膜癌57.1%(28/49例)、胃癌45.8%(11/24例)、胆管癌40.9%(9/22例)、膵癌18.2%(4/22例)、小腸癌42.1%(8/19例)、卵巣癌33.3%(5/15例)でした。
  • 脳腫瘍において奏効は認められませんでした。

ベースラインからの腫瘍径の最大変化率(ウォーターフォールプロット)(ASaT集団)

ベースラインからの腫瘍径の最大変化率(ウォーターフォールプロット)(ASaT集団)

治験薬投与後に少なくとも1回の画像評価を実施した患者の腫瘍径の最大変化率を表示

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Marabelle A et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 1-10.

  • 腫瘍(標的病変)の縮小は233例中133例(57.1%)に認められました。

*治験薬投与後に少なくとも1回の画像評価を実施した患者

副次評価項目 奏効期間:DOR

奏効期間(DOR)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

奏効期間(DOR)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

Reprinted with permission. © 2019 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved.
Marabelle A et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 1-10.

奏効期間(DOR)の要約(ASaT集団)

奏効期間(DOR)の要約(ASaT集団)

*1 「+」は最後の疾患評価からPDがみられないことを示す
*2 Kaplan-Meier曲線から推定される値

Marabelle A et al. J Clin Oncol 2020; 38: 1-10より作成

  • 奏効までの期間中央値は2.1ヵ月(範囲:1.3, 10.6)、DORは中央値に未到達(範囲:2.9, 31.3+)でした。
  • 奏効が認められた患者80例のうち、奏効が24ヵ月以上持続していた患者は14例(77.6%)でした。

副次評価項目 無増悪生存期間:PFS

無増悪生存期間(PFS)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

無増悪生存期間(PFS)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

無増悪生存期間(PFS)の要約(ASaT集団)

無増悪生存期間(PFS)の要約(ASaT集団)

*打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく

Reprinted with permission. © 2019 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved.
Marabelle A et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 1-10.

  • PFS中央値は4.1ヵ月(95%CI:2.4, 4.9)でした。12ヵ月無増悪生存率は33.9%、24ヵ月無増悪生存率は29.3%でした。

副次評価項目 全生存期間:OS

全生存期間(OS)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

全生存期間(OS)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

全生存期間(OS)の要約(ASaT集団)

全生存期間(OS)の要約(ASaT集団)

*打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく

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Marabelle A et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 1-10.

  • OS中央値は23.5ヵ月(95%CI:13.5, 未到達)でした。12ヵ月全生存率は60.7%、24ヵ月全生存率は48.9%でした。

主な副作用(発現率5%以上)(ASaT集団)

副作用は151/233例(64.8%)に認められました。主な副作用(発現率10%以上)は、疲労34例(14.6%)、そう痒症30例(12.9%)、下痢28例(12.0%)、無力症25例(10.7%)でした。重篤な副作用は18/233例(7.7%)に認められました。副作用による中止は22/233例(9.4%)でした。副作用による死亡が1例(肺炎)認められました。

*具体的事象に関する記載はありませんでした。

副作用(発現率5%以上)

副作用(発現率5%以上)

*Grade 5の肺炎が1例認められた

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Marabelle A et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 1-10.

免疫関連など特に注目すべき有害事象(ASaT集団)

  • 免疫関連など特に注目すべき有害事象は54/233例(23.2%)に認められました。主な免疫関連など特に注目すべき有害事象(発現率5%以上)は、甲状腺機能低下症21例(9.0%)、甲状腺機能亢進症12例(5.2%)でした。

免疫関連など特に注目すべき有害事象

免疫関連など特に注目すべき有害事象

*Grade 5の肺炎が1例認められた

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Marabelle A et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 1-10.

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