追跡期間中央値:31.3ヵ月

MSI-High固形癌:国際共同臨床試験成績:国際共同第Ⅱ相試験<KEYNOTE-164試験(コホートA)

承認時評価資料:国際共同第Ⅱ相試験(KEYNOTE-164試験)
Le DT et al. J Clin Oncol 2020; 38: 11-19
本試験はMSD社の資金提供を受けており、著者らは同社の社員や謝金を受領したものを含みます。

※本試験はコホートAと、コホートAの組み入れ終了後に新たに追加されたコホートBで構成されています。評価資料として審査されたコホートAの成績についてご紹介します。

試験概要

【目的】フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン及びイリノテカンの3剤による化学療法歴のある治癒切除不能な進行・再発のミスマッチ修復(MMR)欠損又は高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌(CRC)患者におけるキイトルーダ®の有効性及び安全性を検討する。

【デザイン】国際共同非無作為化非盲検第Ⅱ相試験

【対象】フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン及びイリノテカンの3剤による化学療法歴のある治癒切除不能な進行・再発のミスマッチ修復(MMR)欠損又はMSI-High*1を有する結腸・直腸癌(CRC)患者61例(日本人7例を含む)

【方法】キイトルーダ®200mgを3週間間隔(Q3W)で点滴静注した。9週間毎に画像検査による評価を行い、疾患進行(PD)又は許容できない有害事象の発現等による投与中止まで、最長約2年間投与を継続した。

試験概要

【評価項目】主要評価項目:奏効率(overall response rate; ORR)
副次評価項目:病勢コントロール率(disease control rate; DCR)、奏効期間(duration of response; DOR)、無増悪生存期間(progression free survival; PFS)、全生存期間(overall survival; OS)、安全性

【判定基準】ORR、DCR、DOR、PFSは、独立判定委員会(independent review committee; IRC)がRECISTガイドライン1.1版に基づき評価した。

【解析計画】解析対象集団:有効性及び安全性の主要解析はASaT集団を対象として実施した。
有効性評価の統計手法:ORR、DCRは、点推定値及び二項分布に基づく正確法による95%信頼区間(CI)を算出した。DOR、PFS、OSは、Kaplan-Meier法による生存曲線及びその中央値の推定値を計算した。また、サブグループ解析として、日本人集団におけるORR、DCR、DOR、PFS、OSは、治験実施計画書には記載されていないが、全体集団と同様の統計手法にて検討した。

*ASaT(all subjects as treated)集団:治験薬を1回以上投与されたすべての患者

5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
〈がん化学療法後に増悪した進行・再発のMSI-Highを有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
5.9 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、MSI-Highが確認された進行・再発の固形癌患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
5.10 結腸・直腸癌以外の固形癌の場合、本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。また、二次治療において標準的な治療が可能な場合にはこれらの治療を優先すること。
5.11 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.12 臨床試験に組み入れられた患者の癌腫等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。[17.1.12、17.1.13参照]

8. 重要な基本的注意
8.1 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患、8.2 間質性肺疾患、8.3 甲状腺機能障害、下垂体機能障害及び副腎機能障害、8.4 劇症肝炎、肝不全、肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎、8.5 1型糖尿病、8.6 腎障害、8.7 筋炎、横紋筋融解症、8.8 重症筋無力症、8.9 心筋炎、8.10 ぶどう膜炎(虹彩炎及び虹彩毛様体炎を含む)等の重篤な眼障害があらわれることがあるので注意が必要です。詳細は「製品情報:基本情報>「警告・禁忌」等その他の注意」をご参照ください。

患者背景(ASaT集団)

患者背景(ASaT集団)

*術後補助療法を受け、投与終了後6ヵ月以内に疾患進行が認められた場合、前治療1とカウントされた

Le DT et al. J Clin Oncol 2020; 38: 11-19より作成

主要評価項目 奏効率:ORR、副次評価項目 病勢コントロール率:DCR

奏効率(ORR)(ASaT集団)

奏効率(ORR)(ASaT集団)
奏効率(ORR)(ASaT集団)

*二項分布の確率計算による正確法

Le DT et al. J Clin Oncol 2020; 38: 11-19より作成

  • ORRは33%(95%CI:21, 46)、DCRは51%でした。

ベースラインからの腫瘍径の最大変化率(ウォーターフォールプロット)(ASaT集団)

ベースラインからの腫瘍径の最大変化率(ウォーターフォールプロット)(ASaT集団)

*コホートAに含まれる患者2例はベースライン後の評価はなく、含まれていない

Adapted from Le DT et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 11-19.
© 2019 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved.
Readers are encouraged to read the entire article for the correct context at jco.ascopubs.org.

  • 腫瘍(標的病変)の縮小は61例中34例(56%)に認められました。

副次評価項目 奏効期間:DOR

奏効までの期間及び奏効期間(DOR)*1の要約(ASaT集団)

奏効までの期間及び奏効期間(DOR)の要約(ASaT集団)

*1 奏効例の85%は解析時点で治療継続中であり、推定95%の患者が12ヵ月以上の奏効を持続していた
*2 「+」は最後の疾患評価からPDがみられないことを示す

Le DT et al. J Clin Oncol 2020; 38: 11-19より作成

  • 奏効までの期間中央値は4.3ヵ月(範囲:1.8, 24.9)、DORは中央値に未到達(範囲:6.2, 31.3+)でした。

副次評価項目 無増悪生存期間:PFS

無増悪生存期間(PFS)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

無増悪生存期間(PFS)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

無増悪生存期間(PFS)の要約(ASaT集団)

無増悪生存期間(PFS)の要約(ASaT集団)

*打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく

Adapted from Le DT et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 11-19.
© 2019 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved.
Readers are encouraged to read the entire article for the correct context at jco.ascopubs.org.

  • PFS中央値は2.3ヵ月(95%CI:2.1, 8.1)でした。12ヵ月無増悪生存率は34%、24ヵ月無増悪生存率は31%でした。

副次評価項目 全生存期間:OS

全生存期間(OS)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

全生存期間(OS)のKaplan-Meier曲線(ASaT集団)

全生存期間(OS)の要約(ASaT集団)

全生存期間(OS)の要約(ASaT集団)

*打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく

Adapted from Le DT et al. J Clin Oncol Vol.38(1), 2020: 11-19.
© 2019 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved.
Readers are encouraged to read the entire article for the correct context at jco.ascopubs.org.

  • OS中央値は31.4ヵ月(95%CI:21.4, 未到達)でした。12ヵ月全生存率は72%、24ヵ月全生存率は55%でした。

主な副作用(ASaT集団)

  • 副作用は38/61例(62%)に認められました。主な副作用(発現率10%以上)は、関節痛10例(16%)、悪心10例(16%)、下痢、無力症、そう痒症各8例(13%)、疲労6例(10%)でした。副作用による中止としてアラニンアミノトランスフェラーゼ増加1例と肺臓炎1例が認められました。本試験において、副作用による死亡は認められませんでした。

*重篤な副作用に関する記載はありませんでした。

副作用(発現率10%以上)

副作用(発現率10%以上)

GradeはCTCAE v4.0

Le DT et al. J Clin Oncol 2020; 38: 11-19より作成

免疫関連など特に注目すべき有害事象(ASaT集団)

  • 免疫関連など特に注目すべき有害事象は13/61例(21%)に認められました。主な免疫関連など特に注目すべき有害事象(発現率5%以上)は、甲状腺機能低下症6例(10%)、甲状腺機能亢進症、膵炎、肺臓炎各3例(5%)でした。

免疫関連など特に注目すべき有害事象

免疫関連など特に注目すべき有害事象

GradeはCTCAE v4.0

Le DT et al. J Clin Oncol 2020; 38: 11-19より作成

関連コンテンツ


キイトルーダ®・悪性腫瘍関連領域情報

関連製品