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開発の経緯

開発の経緯

スージャヌ®配合錠[一般名 シタグリプチンリン酸塩水和物/イプラグリフロジン L-プロリン配合錠]は、ジペプチジルペプチダーゼ4(以下、DPP-4)選択的阻害薬であるシタグリプチンリン酸塩水和物(以下、シタグリプチン)およびNa+/グルコース共輸送担体2(以下、SGLT2)選択的阻害薬であるイプラグリフロジン L-プロリン(以下、イプラグリフロジン)を有効成分とし、1錠中にシタグリプチン/イプラグリフロジンとして50mg/50mgを含有する配合剤です。

シタグリプチンは2006年に世界初のDPP-4阻害薬としてメキシコで承認され、本邦では、万有製薬株式会社(現MSD株式会社)が2009年10月に承認を取得しジャヌビア®錠として販売を開始しています。
イプラグリフロジンは、アステラス製薬株式会社が2014年1月に本邦初のSGLT2阻害薬として承認を取得し、スーグラ®錠として販売されています。

本邦の2型糖尿病治療においては、血糖コントロールが十分でない患者は依然として多く、本邦の『糖尿病治療ガイド2020-2021』(日本糖尿病学会 編・著. 文光堂, 東京, 2020)では、1種類の経口血糖降下薬によって良好な血糖コントロールが得られない場合は、作用機序の異なった薬を併用すると記載されています。
血糖コントロール目標を達成する上で、血糖降下薬に対する低いアドヒアランスが障害となっており、その要因として、低血糖や体重増加、消化器症状などの経口血糖降下薬の副作用、服薬錠数や服薬回数の多さが知られています1)-15)

スージャヌ®配合錠の有効成分であるDPP-4阻害薬シタグリプチンとSGLT2阻害薬イプラグリフロジンは、異なる作用機序を有することから、各単剤投与と比較して、併用投与ではより良好な血糖降下作用をもたらすことが期待されています。
なお、本邦においては、シタグリプチンとイプラグリフロジンはそれぞれ豊富な臨床経験(シタグリプチン:米国で累計1億2千万回の処方実績*1、イプラグリフロジン:国内大規模の特定使用成績調査)による有効性・安全性情報を有しております。また、両剤の併用療法は治療選択肢の1つとして処方されています。
スージャヌ®配合錠は、1日1回1錠で両剤の併用療法が可能となるため、服薬アドヒアランスの向上と長期にわたる安定した血糖コントロールの維持・改善に寄与することが期待されます。

本剤は、MSD株式会社とアステラス製薬株式会社が共同で開発し、イプラグリフロジン使用中の患者へのシタグリプチン追加投与試験、シタグリプチン使用中の患者へのイプラグリフロジン追加投与試験およびシタグリプチン使用中の患者へイプラグリフロジンを追加投与する長期併用試験を実施しました。これらの第Ⅲ相試験では、いずれかの単剤治療で効果不十分な患者へのシタグリプチンまたはイプラグリフロジン追加投与時の有効性が示され、また、両剤の併用投与と本剤との生物学的同等性も示されたことから、2017年5月に製造承認申請を行い、2018年3月に「2型糖尿病*2」を効能・効果として承認を取得しました。

*1:米国におけるシタグリプチン(配合剤含む)の延べ処方数(2006年10月~2018年4月, IMS NPA Rx data)
*2:ただし、シタグリプチンリン酸塩水和物およびイプラグリフロジン L-プロリンの併用による治療が適切と判断される場合に限る。

【参考文献】
1) de Pablos-Velasco P et al. Clin Endocrinol (Oxf) 2014; 80(1): 47-56.
2) Schectman JM et al. Diabetes Care 2002; 25(6): 1015-1021.
3) Pladevall M et al. Diabetes Care 2004; 27(12): 2800-2805.
4) Hauber AB et al. Diabet Med 2009; 26(4): 416-424.
5) Larkin AT et al. J Diabetes 2015; 7(6): 864-871.
6) 松村典昭 ほか. 日本臨床 2015; 73(3): 470-473.
7) Pullar T et al. Clin Pharmacol Ther 1988; 44(5): 540-545.
8) Dezii CM et al. South Med J 2002; 95(1): 68-71.
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11) Srivastava K et al. Patient Prefer Adherence 2013; 7: 419-434.
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15) Donnan PT et al. Diabet Med 2002; 19(4): 279-284.

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