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作用機序

作用機序1) 2)

【作用機序】

リベルサス®は、膵β細胞上のGLP-1受容体に選択的に結合し、ATPからcAMPの産生を促進させることにより、グルコース濃度依存的にインスリンを分泌させる。さらに、血糖値が高い場合にはグルカゴン分泌を抑制する。

作用機序

【構造】

セマグルチドはヒトGLP-1と94%のアミノ酸配列の相同性を有するヒトGLP-1アナログ製剤である。セマグルチドは、リラグルチドと同様にアシル化技術に基づいているが、さらにその化学構造に重要な修飾を行うことにより半減期を延長させている。セマグルチドの半減期延長はアルブミンの脂肪酸結合部位と特異的に高い親和性を有すること及びDPP-4による分解からの保護によるものであり、以下の特異的な修飾が施されている。

●DPP-4に対する安定性を向上させるため、ペプチド骨格内8位のアミノ酸を修飾(アラニンを2-アミノイソ酪酸で置換)
●26位リジンに高分子親水性リンカーとγグルタミン酸を介してカルボキシル末端を有するオクタデカン二酸を結合
●ペプチド骨格内のリジンを1つに限定するため、34位リジンをアルギニンで置換

リンカーと脂肪酸はいずれもアルブミン結合親和性の増強に寄与し、血漿中でのセマグルチド分解を遅延させ、結果的に腎クリアランスを低下させる。これらの修飾によりセマグルチドの血漿中濃度消失半減期は約1週間まで延長される。

構造

【経口投与】

ペプチドを基本骨格とするセマグルチドは、分子量が大きいことから消化管での上皮細胞透過性が低く、また、胃の分解酵素により分解されてしまうため、経口投与は適していなかった。しかし、吸収促進剤であるSNAC(サルカプロザートナトリウム)300mgを含有することで、胃でのタンパク質分解からセマグルチドを保護し、吸収を促進して、経口投与が実現した。

投与後の胃のイメージ図/胃上皮でのイメージ図

ADP:アデノシン二リン酸 ATP:アデノシン三リン酸 cAMP:サイクリックアデノシン3′,5′-リン酸 GLUT2:2型グルコース輸送体

【参考文献】
1) Lau J et al.:J Med Chem 58(18):7370-7380, 2015
2) Buckley ST et al.:Sci Transl Med 10(467):eaar7047, 2018

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