B型肝炎の特徴
B型肝炎の特徴
B型肝炎ウイルスの疫学
世界の疫学
■ 全世界で20億人以上の人がHBVに感染している(一過性も含む)と推定される(1)。
■ 約3億5,000万人が慢性的にHBVに感染している(2)。
■ 推定で、毎年60万人がHBV感染による疾患(肝硬変や肝がんなど)により死亡している(3)。
日本の疫学
■ わが国におけるHBV持続感染者は、130~150万人存在すると推計されている(4)。
■ B型急性肝炎による新規の推定入院者数は年間1,800人程度で、軽症や潜伏感染例も含めると、5,000人以上の新規感染者が想定される(5)。
HBV:B型肝炎ウイルス
(1)WHO position paper 2009;84:405-420
(2)「B型肝炎ワクチン作業チーム報告書」厚生労働省予防接種部会 ワクチン評価に関する小委員会B型肝炎ワクチン作業チーム
(3)Goldstein ST et al. International J of Epidemiol 2005;34:1329-1339
(4)日本肝臓学会 編集 慢性肝炎の治療ガイド 2013 ;文光堂、東京、2013
(5)田中靖人 他 : 肝臓 2009;50:598-604
B型肝炎ウイルスの疫学
B型肝炎の感染様式
感染様式は、感染した時期、感染したときの健康状態によって、2つに大別される。
- 「一過性感染」
感染成立後一定期間の後にウイルスが生体から排除されて治癒する。 - 「持続感染」(HBVキャリア状態)
ウイルスが年余にわたって生体(主として肝臓)の中に住み着く。
成人の大部分は「一過性感染」で治癒するのに対し、免疫機能が十分に成熟していない乳幼児や免疫機能不全の成人がB型肝炎ウイルスに感染した場合、ウイルスを排除できないため、「持続感染」になる。

B型肝炎ワクチンに関するファクトシート(平成22年7月7日版)追加編
https://www.msdconnect.jp/wp-content/uploads/sites/5/2021/04/2r9852000000bxqf.pdf