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SOUL:プラセボ比較、心血管アウトカム試験

こちらのページでは、国内第3相臨床試験 PIONEER 10 とともに、SOULの結果をご紹介します。 
まずは、PIONEER 10の主な結果です。

PIONEER 10

日本人2型糖尿病患者を対象とした、経口糖尿病薬併用、デュラグルチドとの比較検討試験

社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4282)(承認時評価資料)
Yabe D et al.:Lancet Diabetes Endocrinol 8(5):392-406, 2020
Yabe D et al.:J Diabetes Investig 13(6):975-985, 2022
本試験はノボ ノルディスク社のスポンサーシップにより実施された。

■PIONEER 10:安全性

有害事象の発現割合は、リベルサス®3mg群、7mg群、14mg群でそれぞれ77.1%(101/131例)、80.3%(106/132例)、85.4%(111/130例)、デュラグルチド0.75mg群で81.5%(53/65例)であり、最も高頻度で報告された有害事象はすべての群で上咽頭炎であり、リベルサス®3mg群、7mg群、14mg群でそれぞれ26.0%(34/131例)、29.5%(39/132例)、30.0%(39/130例)、デュラグルチド0.75mg群で29.2%(19/65例)でした。
重篤な有害事象としてリベルサス®3mg群で9例11件(直腸腺癌、大腸ポリープ、帯状疱疹、虫垂炎、腹膜炎、急性心筋梗塞、心臓アブレーション、脊椎手術、糖尿病網膜症、突発性難聴、虚血性脳梗塞、各1件)、7mg群で4例5件(結腸直腸癌、大腸ポリープ、肺炎、ショック、大腿骨頚部骨折、各1件)、14mg群で7例8件(前立腺癌、大腸腺腫、胃腸の炎症、骨髄炎、蜂巣炎、肩回旋筋腱板症候群、狭心症、良性前立腺肥大症、各1件)が、デュラグルチド0.75mg群で1例2件(狭心症、第二度房室ブロック、各1件)が認められました。また、投与中止に至った有害事象としてリベルサス®3mg群で4例5件(悪心、便秘、高アミラーゼ血症、高リパーゼ血症、直腸腺癌、各1件)、7mg群で8例11件(食欲減退3件、慢性胃炎、悪心、消化不良、腹痛、体重減少、前立腺特異性抗原増加、肝機能異常、高血圧、各1件)、14mg群で8例10件(体重減少2件、胃食道逆流性疾患、胃腸障害、腹部不快感、腹部膨満、慢性胃炎、嘔吐、味覚異常、食欲減退、各1件)が、デュラグルチド0.75mg群で2例2件(下痢、食欲減退、各1件)が認められました。
本試験では死亡例は報告されませんでした。  

PIONEER 10:安全性

■PIONEER 10:HbA1cの変化量

HbA1cのベースラインから投与後26週までの変化量はご覧の通りであり、リベルサス®14mg群はデュラグルチド0.75mg群と比較して有意に低下しました(p=0.0006*)。また、リベルサス®7mg群とデュラグルチド0.75mg群の間に有意差はありませんでした(p=0.2710*)。一方、リベルサス®3mg群の変化量はデュラグルチド0.75mg群と比較して有意に小さい結果でした(p=0.0026*)。

*名目上のp値

PIONEER 10:HbA1cの変化量

■PIONEER 10:SGLT2阻害薬併用下のHbA1cの変化量(サブグループ解析)

前治療の糖尿病治療薬としてSGLT2阻害薬が投与されていたSGLT2阻害薬併用下におけるHbA1cのベースラインから投与後26週までの変化量は、リベルサス®3mg群、7mg群、14mg群とデュラグルチド0.75mg群でそれぞれ、–1.1%、–1.6%、–2.1%、–1.6%でした。

PIONEER 10:SGLT2阻害薬併用下のHbA1cの変化量(サブグループ解析)

Yabe D et al.: J Diabetes Investig 13(6):975-985, 2022より作図

■PIONEER 10:試験概要

PIONEER 10:試験概要

続きまして、SOULの結果です。

SOUL<日本人を含む国際共同第3相臨床試験>

経口セマグルチドの心血管アウトカム試験

McGuire DK et al.:Diabetes Obes Metab 25(7):1932-1941, 2023
McGuire DK et al.:N Engl J Med 392(20):2001-2012, 2025
Marx N et al.:Circulation 151(23):1639-1650, 2025
本試験はノボ ノルディスク社のスポンサーシップにより実施された。

■SOUL:試験デザイン

SOUL:試験デザイン

■SOUL:治療期間

平均治療期間はリベルサス®錠群で平均41.8ヵ月、プラセボ群では42.1ヵ月でした。

■SOUL:ベースラインにおける糖尿病治療薬の使用状況SOUL

べースラインにおける糖尿病治療薬の使用状況は下図に示す通りでした。SGLT2阻害薬はベースラインにおいて全体で26.9%の患者に投与されていましたが、試験期間中のいずれかの時点で48.9%の患者に投与されていました。

SOUL:ベースラインにおける糖尿病治療薬の使用状況SOUL

■SOUL:<参考情報>MACEへの影響

MACE(心血管死、非致死性心筋梗塞又は非致死性脳卒中)のいずれかが最初に発現するまでの時間に関するハザード比の推定値は0.86(95%CI 0.77; 0.96)であり、リベルサス®錠のプラセボに対する優越性が検証されました(p=0.006)*。

SOUL:MACEへの影響

■SOUL:<参考情報>非致死性心筋梗塞への影響

最初の非致死性心筋梗塞を発現するまでの時間に関するハザード比の推定値は0.74(95%CI 0.61; 0.89)でした。

SOUL:<参考情報>非致死性心筋梗塞への影響

解析法:無作為に割り付けられた投与群を固定効果とするCox比例ハザードモデル

■SOUL:<参考情報>心血管死への影響

心血管死が発現するまでの時間に関するハザード比の推定値は0.93(95%CI 0.80; 1.09)でした。

SOUL:<参考情報>心血管死への影響

解析法:無作為に割り付けられた投与群を固定効果とするCox比例ハザードモデル

■SOUL:<参考情報>非致死性脳卒中への影響

最初の心非致死性脳卒中を発現するまでの時間に関するハザード比の推定値は0.88(95%CI 0.70; 1.11)でした。

SOUL:<参考情報>非致死性脳卒中への影響

解析法:無作為に割り付けられた投与群を固定効果とするCox比例ハザードモデル

Adapted with permission from The New England journal of medicine, McGuire DK et al., Oral Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in High-Risk Type 2 Diabetes. Copyright © 2025 Massachusetts Medical Society.

■SOUL:有害事象

重篤な有害事象
重篤な有害事象の発現割合は、リベルサス®錠群で47.9%(2,312例/4,825例)、プラセボ群で50.3%(2,427例/4,825例)で認められました。
なお、心血管系以外の原因による死亡例がリベルサス®錠群で4.7%(227例/4,825例)、プラセボ群で5.3%(257例/4,825例)に認められました。

重篤な有害事象

投与中止に至った有害事象
投与中止に至った有害事象の発現割合は、リベルサス®錠群で15.5%(749例/4,825例)、プラセボ群で11.6%(559例/4,825例)で認められました。内訳については下表に示す通りでした。

投与中止に至った有害事象

注目すべき有害事象
事前に規定した注目すべき有害事象、追加した注目すべき有害事象の内訳とそれぞれの発現割合は下表に示す通りでした。

注目すべき有害事象

■SOUL:試験概要

SOUL:試験概要

■リベルサス®錠の開始投与量と漸増法

本剤3mgの治療により十分な血糖マネジメントが得られる方については、本剤3mgでの投与継続が可能です。いずれの用量においても1回1錠を投与してください。14mgを投与する際には、本剤の7mg錠を2錠投与することは避けてください。

リベルサス®錠の開始投与量と漸増法

■リベルサス®錠の服用の際の注意

食事や服用する際の飲水量によって、セマグルチドの吸収に影響を及ぼすことが確認されているため、服用には注意が必要です。

リベルサス®錠の服用の際の注意

リベルサス®錠の服用にあたって
・錠剤はそのままの状態で服用してください(分割・粉砕及びかみ砕いて服用しないでください)
・多量の水、コーヒー、お茶、服薬ゼリーなどでの服用はできません
・湿気と光の影響を受けやすいため、服用直前にPTPシートから取り出すようにしてください

■リベルサス®錠の用量調節レジメン

リベルサス®錠は以下の背景を有する2型糖尿病がある方にも同じ用量調節レジメンで投与することが可能です。

リベルサス®錠の用量調節レジメン

6. 用法及び用量
通常、成人には、セマグルチド(遺伝子組換え)として1日1回7mgを維持用量とし経口投与する。ただし、1日1回3mgから開始し、4週間以上投与した後、1日1回7mgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、1日1回14mgに増量することができる。

7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.1 本剤の吸収は胃の内容物により低下することから、本剤は、1日のうちの最初の食事又は飲水の前に、空腹の状態でコップ約半分の水(約120mL 以下)とともに3mg錠、7mg錠又は14mg錠を1錠服用すること。また、服用時及び服用後少なくとも30分は、飲食及び他の薬剤の経口摂取を避けること。分割・粉砕及びかみ砕いて服用してはならない。[電子添文16.2.1-16.2.3参照]
7.2 本剤14mgを投与する際には、本剤の7mg錠を2錠投与することは避けること。[電子添文16.2.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.8 高齢者患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。[電子添文16.6.3参照]

α-GI:グルコシダーゼ阻害薬 CI:信頼区間 eGFR:推算糸球体濾過率 EOR:群間比の推定値 EOS:調査終了来院時 ETD:群間差の推定値 FAS:最大の解析対象集団 GLP-1 RA:GLP-1受容体作動薬 GIP/GLP-1 RA:GIP/GLP-1受容体作動薬 HR:ハザード比 MACE:主要な心血管イベント SAS:安全性解析対象集団 SGLT2阻害薬:ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害薬 SU:スルホニルウレア薬 TZD:チアゾリジン薬

禁忌を含む注意事項等情報】等はこちらをご参照ください。

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