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小児肺炎球菌感染症に関する疫学

小児肺炎球菌感染症に関する疫学

【国内データ】 PCV7*およびPCV13**導入前後における血清型別IPD***罹患率の推移

本データは、国内の肺炎球菌ワクチン導入前後の小児におけるIPD罹患率の推移を示しています。PCV7およびPCV13導入後、ワクチンに含まれる血清型によるIPDは減少しました。本データが示しているように、「PCV13に含まれない血清型によるIPDを抑えること」は、今後の課題の一つであると言えます。

【国内データ】 PCV7*およびPCV13**導入前後における血清型別IPD***罹患率の推移

対象と方法:小児侵襲性細菌感染症のアクティブサーベイランス(対象地域:北海道、福島県、新潟県、千葉県、三重県、岡山県、高知県、福岡県、鹿児島県、沖縄県)において、生後0日~15歳未満で肺炎球菌による侵襲性感染症に罹患した全例を対象とした。2008~2010年の罹患率をベースとしてPCV7、PCV13導入後のIPD罹患率について検討した。

IASR. 2023; 44(1): 11-13.より改変

【国内データ】小児IPD患者から分離した肺炎球菌の血清型割合
小児肺炎球菌ワクチン定期接種導入前におけるバクニュバンス®に含まれる血清型および含まれない血清型について

小児肺炎球菌ワクチン導入前において、小児IPD患者から分離した肺炎球菌のうち、バクニュバンス®に含まれる血清型*の割合は90.8%、バクニュバンス®に含まれない血清型**の割合は9.2%でした。(小児肺炎球菌ワクチン定期接種導入前 2008~2010年時点)

【国内データ】小児IPD患者から分離した肺炎球菌の血清型割合

対象と方法 :小児侵襲性細菌感染症のアクティブサーベイランス(対象地域:北海道、福島県、新潟県、千葉県、三重県、岡山県、高知県、福岡県、鹿児島県、沖縄県)において、生後0日~15歳未満で肺炎球菌による侵襲性感染症に罹患した全例を対象とした。2008~2013年の罹患率をベースとしてPCV7導入後の予防効果を検討した。

Limitation  :本研究の限界として、血清型分類のための分離株の割合が比較的低いこと、調査地域が全都道府県をカバーしていないことが挙げれられる。

Suga S, et al. Vaccine. 2015; 33(45):6054-6060.より作図

【国内データ】肺炎球菌性髄膜炎の年齢別累積報告
小児肺炎球菌ワクチン定期接種導入前

本データは、2006年から2011年の小児肺炎球菌ワクチン定期接種導入前の小児における肺炎球菌性髄膜炎の年齢別の報告数を示しています。
全年齢において、肺炎球菌性髄膜炎は318例報告され、そのうち0歳児における報告数は45例報告であり、全年齢の中で最も多く認められました。

【国内データ】肺炎球菌性髄膜炎の年齢別累積報告

対象と方法:感染症サーベイランス事業による全国約460カ所の基幹定点医療機関からの報告をもとに2006~2011年の肺炎球菌性髄膜炎の データ(合計:n=318、0~14歳:n=126、15歳以上:n=192)を年齢別に集計した。

厚生労働省/国立感染症研究所, IDWR(Infectious Diseases Weekly Report) Japan 2012年 第16週(4月16日~4月22日):通巻第14巻 第16号より改変

【国内データ】肺炎球菌性髄膜炎(0歳)の月齢別報告数
小児肺炎球菌ワクチン定期接種導入前

小児肺炎球菌ワクチン定期接種導入前の2006年から2011年に報告された肺炎球菌性髄膜炎の0歳児45例について、月齢別報告数を示しています。0歳児における髄膜炎は、0歳の各月齢で発生が見られました。

【国内データ】肺炎球菌性髄膜炎(0歳)の月齢別報告数

対象と方法:感染症サーベイランス事業による全国約460カ所の基幹定点医療機関からの報告をもとに2006~2011年の肺炎球菌性髄膜炎のデータ(合計:n=318、0歳:n=45、1歳以上:n=273)を集計し、起因菌別、月齢別の報告数をまとめた。

厚生労働省/国立感染症研究所,IDWR(Infectious Diseases Weekly Report) Japan 2012年 第16週(4月16日~4月22日): 通巻第14巻 第16号. より改変

【国内データ】肺炎球菌性髄膜炎の年齢別推移
小児肺炎球菌ワクチン定期接種導入前後

日本における小児肺炎球菌ワクチンの定期接種導入前後の肺炎球菌性髄膜炎の年齢別の患者数推移を示しています。
肺炎球菌性髄膜炎の患者数推移は、定期接種導入前のⅢ期と定期接種導入後のⅤ期を比較し、70.3%の減少が認められました。年齢別の肺炎球菌性髄膜炎の減少率は0歳で83.1%、1歳で81.4%、2歳で57.1%、3歳で28.6%でした。

【国内データ】肺炎球菌性髄膜炎の年齢別推移

対象と方法:肺炎球菌性髄膜炎サーベイランス研究会を通じ、2002年1月~2016年3月に調査を行い、日本全国の髄膜炎患者(n=484)を対象に、5つの期間(Ⅰ期:2002~2004年、Ⅱ期:2005~2007年、Ⅲ期:2008~2010年、Ⅳ期:2011~2013年、Ⅴ期:2014~2016年)に分け、年齢別の髄膜炎患者数および肺炎球菌の分離株と背景因子の疫学的変化について検討した。

Limitation:本研究は、医療機関長が参加を承認し、微生物検査室を有する医療機関に限定されていたため、発生率を正確に計算することは不可能である。しかし、菌株を送付した医療機関はほぼ全国で均一な分布であることは確認された。

Iwata S, et al. J Infect Chemother. 2021; 27(4): 604-612. より作成 【利益相反】MSDに研究助成を受けた著者が含まれる。