第4回「こんな症状に気づいたら “体のだるさ” 編」

第4回「こんな症状に気づいたら “体のだるさ” 編」
症状や発現時期が様々なキイトルーダ®のirAEの重篤化防止には、早期発見・早期対応が重要です。今回は、看護師が体のだるさの症状に気づいたときのポイントをご紹介します。
ばくぜんとした体のだるさも、irAEを疑って!




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要注意!体のだるさを引き起こすirAEの中には、命にかかわるものも
キイトルーダ®によるirAEとして、疲れやすい・だるいという症状があらわれることがあります。いわゆる倦怠感が引き起こされるirAEは複数あり、原因として考えられるirAEによって、消化器内科や代謝内科、呼吸器内科などとのスムーズな連携が必要になることもあります。
がん治療を行う患者さんの多くが経験する体のだるさですが、「いつもと違う」だるさを聞き取ることがポイントです。


ここがポイント!
体のだるさのように、患者さんがスルーしてしまいがちな症状は、「前回の受診と比べて、今日来られるまでの間に~」など、患者さんが具体的にイメージできるような聞き方が重要です。
疲れやすい・だるいという症状があらわれるirAEの一つとして、甲状腺機能低下症があります。甲状腺機能低下症では、検査データのうち、TSH上昇、FT4などの値の低下がみられます。

ここがポイント!
検査データの異常が疑われるときは、その日の検査データだけでなく、前回からの変化もチェックしましょう。変化は、急激にあらわれることも、長期投与後に緩徐にあらわれることもあります。患者さんの訴えや様子をよく観察して、見逃さないことが重要です。
ピックアップ!「甲状腺機能障害」
甲状腺機能障害を知ろう
甲状腺はのど仏の下あたりにある器官で、体の代謝を高めるために必要なホルモンを分泌しています。ICIでは有害事象として、甲状腺ホルモンの量が多くなる場合(甲状腺中毒症)と少なくなる場合(甲状腺機能低下症)があり、一時的な甲状腺中毒症の後に甲状腺機能低下症になることもあります1)。


ワンポイントアドバイス!
甲状腺機能障害は、内服薬による治療を続けることが多いですが、処方漏れや、患者さんの飲み忘れなどで悪化するケースもあります。患者さんのアドヒアランスを考慮し、セルフモニタリングがしっかりできるよう指導を行いましょう。
コンテンツ監修
虎の門病院 看護部 がん看護専門看護師 緩和ケア認定看護師
入江 佳子 先生


