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製品基本Q&A

製品基本Q&A

ピフェルトロ®


製品情報

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

4.効能又は効果
HIV-1感染症

5.効能又は効果に関連する注意
5.1 以下のいずれかのHIV-1感染症患者に使用すること。
・抗HIV薬による治療経験がない患者
・ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前に6ヵ月間以上ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており、ドラビリンに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療患者
5.2 本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。

<引用>
電子添文

【適応外】
HIV-2感染症に対する使⽤は承認されている使⽤法ではありません。本剤のご使⽤にあたっては電⼦添⽂をご確認ください。
本剤は、HIV-2感染症に対して効果を⽰さないと考えられます1)2)
<引⽤>
1)米国保健福祉省(DHHS)発行. HIVを保有する成人及び青少年における抗レトロウイルス薬の使⽤に関するガイドライン
2)Ren J et al. Proc Natl Acad Sci U S A 2002;99(22):14410-14415

ドラビリンは、ピリジノン型の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であり、HIV-1逆転写酵素を非競合的に阻害することにより、HIV-1の複製を阻害します。ドラビリンは、ヒト細胞DNAポリメラーゼα、β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγを阻害しません。

<引用>
電子添文

本剤を分包、又は他剤と一包化した際の安定性について検討していません。

室温保存です。
また、湿気を避けるため、瓶のまま密栓して保存し、常時乾燥剤を入れておいてください。

<引用>
電子添文

使用方法

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

6. 用法及び用量
通常、成人にはドラビリンとして100mgを1日1回経口投与する。
本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。

7. 用法及び用量に関連する注意
本剤とリファブチンを併用投与する場合は、本剤100mgを約12時間の間隔を空けて1日2回に増量すること。なお、リファブチンの併用を中止した場合は、本剤100mgを1日1回に減量すること。[10.2、16.7.2 参照]

<引用>
電子添文

【適応外】
本剤を簡易懸濁して投与することは、承認外の用法となります。

簡易懸濁にて投与した際の薬物動態、有効性、安全性は検討していません。

簡易懸濁後の安定性データはありません。

【適応外】
本剤を粉砕して投与することは、承認外の用法となります。

粉砕して投与した際の薬物動態、有効性、安全性は検討していません。

粉砕後の安定性データはありません。

【適応外】
本剤を分割して投与することは、承認外の用法となります。

錠剤分割後の安定性について検討していませんので、おすすめしていません。

錠剤に割線はありません。

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
ラット及びウサギにおいて胎盤移行が認められました。なお、臨床推奨用量の最大約9倍(ラット)及び約8倍(ウサギ)の曝露量で実施した生殖発生毒性試験において、妊娠及び胚胎児発生への有害な影響はありませんでした。

<引用>
電子添文

授乳を避けさせてください。HIV母児感染の可能性があります。
動物実験(ラット)において経口投与後にドラビリンの乳汁中への移行が認められています。本剤がヒトの乳汁中に移行するか否かは不明です。

<引用>
電子添文

小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

<引用>
電子添文

決して2回分を一度に飲まないでください。気がついた時に、1回分を飲んでください。ただし、次の飲む時間が近い場合は1回とばして、次の時間に1回分飲んでください。

リトナビル、コビシスタット配合剤との併用は可能です。

<リトナビル:併用可>
ドラビリン50mg単回投与とリトナビル100mg 1日2回反復投与した薬物相互作用試験(002試験)では、ドラビリンの血漿中曝露量(AUC)は3.54倍に上昇しましたが、臨床的に意味のある増加ではないと判断されました1)。リトナビルと併用する場合の用量調節は不要です。

<コビシスタット含有配合剤:併用可>
コビシスタット含有配合剤と併用した薬物相互作用試験は実施されていませんが、コビシスタットは CYP3A 以外にCYP2D6、P-gp、BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の阻害剤であり、ドラビリンの薬物動態はCYP3A阻害のみによって影響を受けることがわかっています。そのため、コビシスタットがドラビリンの薬物動態に与える影響はリトナビルより小さいと予想されます。コビシスタットと併用する場合の用量調節は不要です。

<引用>
1)申請資料概要2.7.2.3.1.1.6

エファビレンツからピフェルトロ®に切り替える際、⽤量調節は不要です。
薬物相互作⽤試験(020試験)において中等度のCYP3A誘導剤であるエファビレンツからドラビリンに切り替えた際の影響を検討しました1)。エファビレンツを中⽌してすぐにドラビリンを開始した際の⾎中濃度は⼀時的に低下しますが、試験中のいずれの時点においても、ドラビリン又はエファビレンツのどちらかが抗ウイルス効果をもたらすと予測される濃度で存在することから、エファビレンツを含むレジメンからドラビリンを含むレジ
メンへの切り替え時の⽤量調節は不要と判断されました2)
<引⽤>
1)申請資料概要 2.7.2.2.3.1.6、2.7.2.3.1.1.6
2)Yee KL et al. Antimicrob Agents Chemother 2017;61(2):e01757-16

安全性

海外第Ⅲ相試験(018試験、021試験及び024試験)における主な副作用(2%以上)は、悪心、下痢、疲労、頭痛、浮動性めまい及び異常な夢でした。

<引用>
インタビューフォーム

海外後期第Ⅱ相臨床試験の用量設定試験(007試験)のパート1において、いずれもエムトリシタビン/テノホビル 半角スペースジソプロキシルフマル酸塩(FTC/TDF)と併用して、ドラビリン 25mg、50mg、100mg、200mg又はエファビレンツ 600mgを24週間投与しましたが、ドラビリンの各用量の安全性プロファイルは類似しており、用量依存的な副作用は認められませんでした1)

【ピフェルトロ®錠100mgの国内承認用法及び用量】
6.用法及び用量
通常、成人にはドラビリンとして100mgを1日1回経口投与する。本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。

<引用>
1)申請資料概要2.7.4.2.2.1

その他

DRIVE-FORWARD試験(018試験)及びDRIVE-AHEAD試験(021試験)に日本人は含まれていませんでした1)2)
アジア人の割合はDRIVE-FORWARD試験において2%、DRIVE-AHEAD試験において17%でした1)2)

なお、DRIVE-AHEAD試験におけるアジアの参加国は台湾及びタイでした2)

<引用>
1)Molina JM et al. Lancet HIV 2018;5(5):e211-e220
2)Orkin C et al. Clin Infect Dis 2019;68(4):535-544

抗HIV薬による治療経験がない患者を対象とした海外第Ⅲ相試験で、有効性に人種差は認められませんでした1)
同様に、安全性については全体の有害事象発現率に人種による差はみられませんでした2)。心障害の有害事象発現率は、アジア人で高い割合でしたが、心障害の副作用による試験中止例はありませんでした。

<引用>
1)申請資料概要2.7.3.3.4
2)申請資料概要2.7.4.5.1

DRIVE-FORWARD試験(018試験)及びDRIVE-AHEAD試験(021試験)では、ウイルス学的失敗を以下のいずれかと定義しました1)

  1. リバウンダー:試験のいずれかの時点でHIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した後、1週間以上の間隔を空けて2回連続してHIV-1 RNA量≥50copies/mLとなった患者
  2. ノンレスポンダー:24週時又は36週時に、1週間以上の間隔を空けて2回連続してHIV-1 RNA量≥200copies/mLとなった患者、もしくは48週時に、1週間以上間隔を空けて2回連続してHIV-1 RNA量≥50copies/mL上となった患者

<引用>
1)申請資料概要2.7.3.1.4.1.3

DRIVE-FORWARD試験(018試験)及びDRIVE-AHEAD試験(021試験)における主要評価項(48週時におけるHIV-1 RNA量<50copies/mLの患者の割合)のサブグループ解析(Observed Failure法)では、ベースラインのウイルス量>100,000copies/mLの患者と≤100,000copies/mLの患者で有効性に臨床的に意味のある違いは認められませんでした1)

<引用>
1)申請資料概要2.7.3.3.4

DRIVE-SHIFT試験(024試験)では、解析方法としてFDAスナップショット法を用いており、理由を問わず試験を中止した患者を含めすべてのデータ欠損を治療失敗と定義しています。主要評価項目であるドラビリンへの切り替え(切替)群*148週時及びベースライン治療継続(継続)群*2の24週時のHIV-1 RNA量<50copies/mLの患者の割合の⽐較において、切替群の48週時のデータ欠測は7.6%、継続群24週時のデータ欠測は3.6%と、データ欠測が切替群で多くなっているためと考えられます1)

なお、効果不十分による中止例を失敗例とみなすObserved Failure(OF)法による解析では、HIV-1 RNA量<50copies/mLの患者の割合は切替群48週時が98.3%、継続群24週時が98.1%でした2)

*1:切替群:Day1からDOR/3TC/TDF*3を投与
*2:継続群:24週時にDOR/3TC/TDFに切り替えるまでベースライン治療*4を継続
*3:DOR/3TC/TDFは、ドラビリン100mg/ラミブジン300mg/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mgを含有する製剤で、国内未承認。
各成分の国内承認用法及び用量(各製品電子添文より):
・ドラビリン:通常、成人にはドラビリンとして100mgを1日1回経口投与する。本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。
・ラミブジン:通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ラミブジンとして1日量300mgを1日1回又は2回(150mg×2)に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩:通常、成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)を1日1回経口投与する。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
*4:ベースライン治療:下記のいずれか
・リトナビル⼜はコビシスタット+プロテアーゼ阻害剤(PI)+ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)2剤
・コビシスタット+エルビテグラビル+NRTI2剤
・⾮ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)+NRTI2剤

<引用>
1)Johnson M et al. J Acquir Immune Defic Syndr 2019;81(4):463-472
2)申請資料概要2.5.4.4.2

DRIVE-SHIFT試験(024試験)におけるデータ欠測の理由は、 ドラビリンへの切り替え(切替)群*1では有害事象又は死亡による試験中止が14例(3.1%)、追跡不可、試験薬のコンプライアンス不適合、医師の判断、プロトコール逸脱、同意撤回などの他の理由による試験中止が20例(4.5%)でした1)
切替群では、48週とベースライン治療継続(継続)群*2の24週と比べて長期に観察していること、本試験はオープンラベルで行われており、ベースライン治療*3をそのまま継続した場合と⽐べて有害事象や他の理由による試験中止が多かったためと考えられます2)

*1:切替群:Day1からDOR/3TC/TDF*4に切り替えて投与
*2:継続群:24週時にDOR/3TC/TDFに切り替えるまでベースライン治療*3を継続
*3:ベースライン治療:下記のいずれか
・リトナビル⼜はコビシスタット+プロテアーゼ阻害剤(PI)+ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)2剤
・コビシスタット+エルビテグラビル+NRTI2剤
・⾮ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)+NRTI2剤
*4:DOR/3TC/TDFは、ドラビリン100mg/ラミブジン300mg/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mgを含有する製剤で、国内未承認。
各成分の国内承認用法及び用量(各製品電子添文より):
・ドラビリン:通常、成人にはドラビリンとして100mgを1日1回経口投与する。本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。
・ラミブジン:通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ラミブジンとして1日量300mgを1日1回又は2回(150mg×2)に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩:通常、成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)を1日1回経口投与する。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。

<引用>
1)申請資料概要2.7.3.2
2)Johnson M et al. J Acquir Immune Defic Syndr 2019;81(4):463-472

プロトコールで規定したウイルス学的失敗(PDVF)又はウイルス学的失敗以外の理由による中止例のうち、HIV-1 RNA量≥400copies/mLであった被験者に対し耐性検査(遺伝子型及び表現型解析)を実施しました1)2)3)

<引用>
1)Molina JM et al. Lancet HIV 2018;5(5):e211-e220
2)Orkin C et al. Clin Infect Dis 2019;68(4):535-544
3)Johnson M et al. J Acquir Immune Defic Syndr 2019;81(4):463-472

治療未経験のHIV-1感染症患者を対象としたDRIVE-FORWARD試験(018試験)及びDRIVE-AHEAD試験(021試験)では、48週時のドラビリン耐性変異の発現率は7/747例(0.9%)であり1)2)、治療経験があるHIV-1感染症患者を対象としたDRIVE-SHIFT試験(024試験)ではドラビリン耐性変異は認められませんでした3)。96週時までに DRIVE-FORWARD試験では1例のドラビリン耐性変異の発現が認められましたが、DRIVE-AHEAD試験では認められませんでした4)5)
最も多くみられたアミノ酸置換部位はV106であり、この置換はF227Cと同時に認められることが多い状況でした6)

<引用>
1)Molina JM et al. Lancet HIV;5(5):e211-e220
2)Orkin C et al. Clin Infect Dis 2019;68(4):535-544
3)Johnson M et al. J Acquir Immune Defic Syndr 2019;81(4):463-472
4)Molina JM et al. Lancet HIV 2020;7:e16-e26
5)Orkin C et al. Clin Infect Dis 2021;73(1):33-42
6)申請資料概要2.7.3.3.3.5

In vitro試験では、V106A/F227L変異がエファビレンツに対して22倍の耐性を示すことを除き、V106Aを含むドラビリン耐性株は、エファビレンツ及びリルピビリンに対し感受性を示しました1)
治療により発現するドラビリン耐性変異は、エファビレンツ、リルピビリン、ネビラピン及びエトラビリンに対して交差耐性をもたらす可能性があります2)
海外後期第Ⅱ相試験(007試験)及び海外第Ⅲ相試験*でドラビリンを投与され、表現型検査でドラビリンに対し耐性となった7例のうち6例はドラビリン及びエファビレンツの両方に対して表現型耐性を示しました。残る1例はドラビリンに対しては表現型耐性でしたが、エファビレンツに対しては感受性を示しました3)

*:海外第Ⅲ相試験:DRIVE-FORWARD試験(018試験)及びDRIVE-AHEAD試験(021試験)

<引用>
1)Feng M et al. Antimicrob Agents Chemother 2015;59(1):590-598.
2)申請資料概要 2.5.4.4.2.2
3)申請資料概要 2.7.3.3.3.5

逆転写酵素領域K103N、Y181C又はG190Aのいずれか⼀つの⾮ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)耐性変異を有する治療経験のないHIV-1感染者10例を対象に、1⽇1回ドラビリン/ラミブジン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の配合剤*(DOR/3TC/TDF)を投与した⾮盲検単群試験(DRIVE-BEYOND試験[030試験])を実施しました。9例が有効性解析の基準を満たし(1例はスクリーニング時に中央検査機関においてK103Nの変異が確認されなかった)、8例(K103N[7例]及びG190A[1例])は48週時までの試験を完了し、全員がウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量<50copies/mL)を達成しました。なお、48週時以前に中⽌した2例は、中⽌前にウイルス学的抑制を達成しました。試験期間中にその他の薬剤耐性変異を⽰した患者は認められませんでした1)

*:ドラビリン100mg/ラミブジン300mg/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mgを含有する製剤で、国内未承認。
各成分の国内承認⽤法及び⽤量(各製品電⼦添⽂より):
・ドラビリン:通常、成人にはドラビリンとして100mgを1⽇1回経⼝投与する。本剤は、⾷事の有無にかかわらず投与できる。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併⽤すること。
・ラミブジン:通常、成人には他の抗HIV薬と併⽤して、ラミブジンとして1⽇量300mgを1⽇1回又は2回(150mg×2)に分けて経⼝投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩:通常、成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)を1⽇1回経⼝投与する。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併⽤すること。

<引用>
1)Wong A et al. J Acquir Immune Defic Syndr;82(4):e47-e49

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