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開発の経緯

当製品サイトは、レンビマ®(肝細胞癌用)の情報提供を目的としています。

開発の経緯

レンビマ®カプセルは、レンバチニブメシル酸塩を有効成分とし、腫瘍血管新生に関わる各種受容体チロシンキナーゼ(RTK)の活性を阻害する薬剤の探索研究において、エーザイ筑波研究所において合成されました。レンバチニブメシル酸塩はキナーゼ阻害剤であり、主に血管内皮増殖因子(VEGF)の受容体VEGFR1~3、及び線維芽細胞増殖因子(FGF)の受容体FGFR1~4を阻害することにより、腫瘍の増殖・転移等に重要な血管新生を阻害し、抗腫瘍効果を発揮することが期待されます。また、がんの悪性化に関与することが報告されているRTKである血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)α、幹細胞因子受容体(KIT)、Rearranged During Transfection がん原遺伝子(RET)も阻害することが確認されています。

放射性ヨウ素により病変が制御不能となった分化型甲状腺癌、並びに切除不能の甲状腺髄様癌及び甲状腺未分化癌では標準治療が存在しないことから、新たな治療薬の開発が望まれていました。

レンバチニブメシル酸塩は、甲状腺癌、肝細胞癌を含む各種の癌細胞株を移植したマウスにおいて腫瘍増殖抑制効果を示しました。また、海外臨床試験、国内臨床試験及び国際共同試験の結果から、レンバチニブメシル酸塩は上記の進行した甲状腺癌に対して有効性を示し、発現した副作用の多くは休薬・減量等で管理可能なものでした。

レンバチニブメシル酸塩は、2012年8月、甲状腺癌の適応にて希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けました。レンビマ®カプセル4mg、10mg は2014年6月、世界に先駆けて製造販売申請を行ない、2015年3月「根治切除不能な甲状腺癌」の効能又は効果にて製造販売承認取得に至りました。

切除不能な肝細胞癌に対する治療は、塞栓療法(肝動脈化学塞栓療法[TACE ]等)を含む局所療法、化学療法及び肝移植等の中から選択されます。切除不能な肝細胞癌に対する薬物治療は限られており、新たな薬剤の開発が求められていました。切除不能な肝細胞癌に対する国際共同試験の結果、レンバチニブメシル酸塩は有効性を示し、発現した副作用の多くは休薬・減量等で管理可能でした。

レンビマ®カプセル4mg注)は、2017年6月、「切除不能な肝細胞癌」の効能又は効果、用法及び用量を追加するため、世界に先駆けて承認事項一部変更承認申請を行い、2018年3月承認取得に至りました。

注)カプセル10mgは、「切除不能な肝細胞癌」の効能又は効果を取得していない。

本剤のご使用にあたり、詳細は添付文書をご参照ください。

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