【胃癌】HER2陽性*の治癒切除不能な進行・再発胃癌の1次治療におけるキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法の有効性・安全性ー国際共同第Ⅲ相試験 KEYNOTE-811試験ー
2025年5⽉、キイトルーダ®は、胃癌の1次治療において免疫チェックポイント阻害剤としては初めて、HER2陽性*・陰性に関わらず「治癒切除不能な進行・再発胃癌」 […]
本剤は、一部承認外の効能又は効果による臨床試験の成績も含めた臨床データパッケージで評価され、電子添文が改訂されました。そのため、国内で承認されている効能又は効果と異なるデータも紹介しています。
電子添文改訂時評価資料:国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-811試験)
Janjigian YY et al. Lancet 2023; 402: 2197-2208
Janjigian YY et al. Nature 2021; 600: 727-730
本試験はMSD社の資金提供により行われた。著者にMSD社より顧問料などを受領している者が含まれる。著者にMSD社の社員が含まれる。
HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃癌患者の1次治療における、キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群(化学療法はカペシタビン及びオキサリプラチン〈CAPOX〉の併用、又は5-FU及びシスプラチン〈FP〉の併用)の有効性及び安全性をトラスツズマブ+化学療法群と比較検討する。
国際共同第Ⅲ相無作為化プラセボ対照多施設共同二重盲検試験[優越性検証試験]
(第1回中間解析結果のデータカットオフ日:2020年6月17日、第2回中間解析結果のデータカットオフ日:2022年5月25日、最終解析結果のデータカットオフ日:2024年3月20日)
化学療法歴のない*1HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃癌(胃腺癌又は食道胃接合部腺癌)患者698例(日本人患者84例を含む)(グローバルコホート)
※KEYNOTE-811試験では、併用する化学療法としてCAPOX又はFPを投与したグローバルコホートと、追加コホートとして日本でのみSOX(S-1+オキサリプラチン)を投与したSOXコホートを組み入れた。
グローバルコホートでは、キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群(キイトルーダ®200mgを各サイクルの1日目に3週間間隔投与(Q3W)で点滴静注とトラスツズマブ初回8mg/kg、2回目以降6mg/kgを各サイクルの1日目にQ3Wで点滴静注、化学療法としてオキサリプラチン130mg/m2を各サイクルの1日目にQ3Wで点滴静注、カペシタビン1,000mg/m2を各サイクルの1~14日目まで1日2回Q3Wで経口投与、又は、シスプラチン80mg/m2を各サイクルの1日目にQ3Wで点滴静注、5-FU800mg/m2/日を各サイクルの1~5日目までQ3Wで持続静注)、トラスツズマブ+化学療法群(プラセボとトラスツズマブ初回8mg/kg、2回目以降6mg/kgを各サイクルの1日目にQ3Wで点滴静注、化学療法としてオキサリプラチン130mg/m2を各サイクルの1日目にQ3Wで点滴静注、カペシタビン1,000mg/m2を各サイクルの1~14日目まで1日2回Q3Wで経口投与、又はシスプラチン80mg/m2を各サイクルの1日目にQ3Wで点滴静注、5-FU800mg/m2/日を各サイクルの1~5日目までQ3Wで持続静注)の2群に1:1の割合で無作為に割り付けた。治験担当医師が無作為割り付け前にCAPOX又はFPのどちらを使用するかを決定した。6週間毎に画像診断による評価を行い、疾患進行の確定、許容できない毒性発現、キイトルーダ®又はプラセボの35回の投与の完了、CR達成などが生じるまで投与を継続した。キイトルーダ®、プラセボの投与は最大35回までとし、 キイトルーダ®、プラセボの35回の投与を完了した患者は、治験担当医師の判断により、治験依頼者と協議後に追加で最長1年間、トラスツズマブと、カペシタビン、5-FUの投与を受けることができることとした。 地域のガイドラインに従い、オキサリプラチンの投与期間は6又は8サイクルまで、シスプラチンの投与期間は6サイクルまでとしてよいが、カペシタビン又は5-FUの投与は治験実施計画書に従って継続してもよいとされた。 なお、疾患進行又は不耐容以外の理由でキイトルーダ®、プラセボの35回の投与を完了し治験薬投与を中止した患者、又はCR後に治験薬投与を終了した患者は、キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群に割り付けられていた場合、疾患進行後に最大17回のキイトルーダ®再投与を受けることができることとした。
試験デザイン(グローバルコホート)
a:トラスツズマブ初回8mg/kg、2回目以降6mg/kg Q3W点滴静注(各サイクルの1日目に投与、21日を1サイクル)
b:カペシタビン1,000mg/m2 Q3W 経口投与(各サイクルの1~14日目まで1日2回投与、21日を1サイクル)
c:オキサリプラチン130mg/m2 Q3W 点滴静注(各サイクルの1日目に投与、21日を1サイクル)
d:5-FU800mg/m2/日 Q3W 持続静注(各サイクルの1~5日目まで投与、21日を1サイクル)
e:シスプラチン80mg/m2 Q3W 点滴静注(各サイクルの1日目に投与、21日を1サイクル)
主要評価項目
・全生存期間(overall survival; OS)#
・無増悪生存期間(progression free survival; PFS)#
副次評価項目
・奏効率(objective response rate; ORR)#
・奏効期間(duration of response; DOR)
・安全性
# 検証的解析項目
PFS、ORR、DORは、BICR*2がRECISTガイドライン1.1版に基づき評価した。
解析対象集団:有効性(PFS、OS及びORR)はITT集団*3、安全性はAPaT集団*4を解析対象とした。DORはCRまたはPRを示した患者のみを本解析に含めた。
有効性評価の統計手法:OS、PFSはKaplan-Meier法を用いて生存曲線を推定した。DORはKaplan-Meier法に基づく中央値及び四分位値を用いて記述的に要約した。OS及びPFSの群間比較は層別ログランク検定を用いて評価した。ハザード比と95%信頼区間(CI)は、投与群を共変量とし、層別Cox比例ハザードモデルにより算出した。層別ログランク検定及び層別Cox比例ハザードモデルの層別因子は、無作為化に用いた層別因子[地域(ヨーロッパ/イスラエル/北アメリカ/オーストラリア、アジア、その他)、PD-L1発現状況*5(CPS*6<1、≧1)、化学療法レジメン(CAPOX、FP)]を用いた。OSは解析時点で死亡が記録されなかった患者は最終連絡日で打ち切りとした。ORRの群間比較は各層の症例数に基づき重み付けした層別Miettinen and Nurminen法を用いて評価し、ORRの差及びその95%CIを算出した。層別Miettinen and Nurminen法の層別因子は、無作為化に用いた層別因子を用いた。OS、PFS及びORRのサブグループ解析を年齢(65歳未満、65歳以上)、性別(女性、男性)、人種(アジア人、非アジア人)、地域(ヨーロッパ/イスラエル/北アメリカ/オーストラリア、アジア、その他)、PD-L1発現状況(CPS<1、≧1)、化学療法レジメン(CAPOX、FP)、MSI*7(陽性、陰性)、ECOG PS*8(0、1)、原発部位(胃、食道胃接合部)、組織型(びまん型、腸型、混合型)、転移数(0-2個、≧3個)、胃切除/食道切除歴(あり、なし)、腫瘍量(≧中央値、<中央値)などに基づいて実施した。OS及びPFSのサブグループ解析はCox比例ハザードモデル、ORRのサブグループ解析はMiettinen and Nurminen法を用いた。なお、CPS≧1患者における部分集団因子別解析及びDORの解析は事前規定されていなかったが、評価資料として電子添文改訂時に評価された。日本人集団については、ITT集団と同様の統計手法により解析したが、層での調整は行わなかった。
多重性の調整:本試験では、3つの仮説([仮説1]ITT集団におけるPFSの優越性、[仮説2]ITT集団におけるOSの優越性、[仮説3]ITT集団におけるORRの優越性)について、組入れ及びイベント発生率の想定に基づき、3回の中間解析と最終解析の計4回の解析を計画した。第1回中間解析は、最初の260例が約8.5ヵ月間フォローアップした時点、第2回中間解析は約542件のPFSのイベントが発生し、最後の患者の無作為化後、約9ヵ月が経過した時点、第3回中間解析は最後の患者の無作為化後約18ヵ月が経過し、かつ約606件のPFSのイベントが認められた時点、最終解析は最後の患者の無作為化後約28ヵ月が経過し、かつ約551件の死亡が認められた時点で実施し、第1回中間解析ではORRの有効性解析を、第2回、第3回中間解析ではPFS及びOSの有効性解析を、最終解析ではOSの有効性解析を実施することとした。
多重性については、Maurer and Bretzのグラフィカルアプローチの拡張版を用いて試験全体の有意水準を片側2.5%に厳密に制御した。OS及びPFSの有意水準の配分にはLan-DeMetsによるO’Brien-Fleming型のα消費関数を用いた。主要評価項目(PFS及びOS)並びに重要な副次評価項目(ORR)の仮説に対する全体の第一種の過誤の確率を、ORRに0.2%、PFSに0.3%及びOSに2%の有意水準を事前に割り当て、仮説が棄却された場合、有意水準を他の仮説へ再配分することとした。
※優越性はキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群のトラスツズマブ+化学療法群に対する優越性を検証した。
仮説間の線上にある枠内に各仮説から他の仮説へ再配分する割合を示す。
*1 無作為割り付け6ヵ月前までに術前・術後補助療法が完了し、かつ最終投薬後6ヵ月以内に疾患進行のエビデンスがない患者は登録が許容された
*2 BICR(blinded independent central review):盲検化された中央画像判定機関
*3 ITT(intention-to-treat)集団:無作為化したすべての患者
*4 APaT(all participants as treated)集団:治験薬を1回以上投与されたすべての患者
*5 PD-L1発現の評価は、IHC法(PD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」)を用いて、治験薬投与前に採取された腫瘍組織検体中の腫瘍細胞及び炎症細胞を解析した
*6 CPS(combined positive score):PD-L1陽性細胞数(腫瘍細胞、リンパ球及びマクロファージ)を総腫瘍細胞数で除し、100を乗じた値。測定には22C3抗体を用いたPD-L1検査としてPD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」を使用
*7 MSI(microsatellite instability):マイクロサテライト不安定性
*8 ECOG(Eastern Cooperative Oncology Group):米国東海岸がん臨床グループ、PS(performance status):全身状態の指標
キイトルーダ®
4. 効能又は効果(抜粋)治癒切除不能な進行・再発の胃癌
5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
〈治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉
5.33 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.34 本剤の有効性は、PD-L1発現率(CPS)により異なる傾向が示唆されている。
5.34.2 HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対して本剤を投与する場合には、CPSについて、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、PD-L1の発現が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html[17.1.36参照]
トラスツズマブ
6. 用法及び用量(抜粋)
HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でB法を使用する。
B法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
カペシタビン
6. 用法及び用量(抜粋)
胃癌には白金製剤との併用でC法を使用する。
C法:体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。
これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
オキサリプラチン
6. 用法及び用量(抜粋)
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、結腸癌における術後補助療法及び胃癌にはA法又はB法を、治癒切除不能な膵癌及び小腸癌にはA法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。
A法:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして85mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。
B法:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして130mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。
5-FU
6. 用法及び用量(抜粋)
6.3 頭頸部癌、食道癌及び治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
他の抗悪性腫瘍剤との併用療法において、通常、成人にはフルオロウラシルとして1日1000mg/m2(体表面積)までを、4~5日間連日で持続点滴する。投与を繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する。本剤単独投与の場合には併用投与時に準じる。
なお、年齢、患者の状態などにより適宜減量する。
シスプラチン
6. 用法及び用量(抜粋)
〈シスプラチン通常療法〉
(1)神経芽細胞腫、胃癌、小細胞肺癌には、E法を選択する。
E法:シスプラチンとして70〜90mg/m2(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、A~G法の投与量は疾患、症状により適宜増減する。
* 治験担当医師の評価によるIHC 1+及びIHC 2+ ISH陰性腫瘍を有する患者も一部含まれる
キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群はトラスツズマブ+化学療法群に対してOSを有意に延長し、ハザード比は0.80(95%CI: 0.67, 0.94)でした(p=0.0040、層別ログランク検定[片側]、有意水準α=0.0201; 検証的解析結果)。OS中央値はキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で20.0ヵ月(95%CI: 17.8, 22.1)、トラスツズマブ+化学療法群で16.8ヵ月(95%CI: 14.9, 18.7)でした。
ITT集団の追跡期間中央値:キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群20.0ヵ月(範囲:0.6~63.4ヵ月)、トラスツズマブ+化学療法群16.8ヵ月(範囲:0.3~62.9ヵ月)
データカットオフ日:2024年3月20日
*1 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
*2 投与群を共変量とした層別Cox比例ハザードモデルに基づいてハザード比を推定した
*3 層別ログランク検定[片側]
※層別Cox比例ハザードモデル及び層別ログランク検定に用いられた各集団の層別因子は次のとおりであった。[地域(ヨーロッパ/イスラエル/北アメリカ/オーストラリア、アジア、その他)、PD-L1発現状況(CPS<1、≧1)、化学療法レジメン(CAPOX、FP)]
併用する化学療法は治験担当医師が無作為化前にCAPOX、FPのいずれかを選択
■ITT集団における全生存期間(OS)のハザード比のフォレストプロット
ITT集団の追跡期間中央値:キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群20.0ヵ月(範囲:0.6~63.4ヵ月)、トラスツズマブ+化学療法群16.8ヵ月(範囲:0.3~62.9ヵ月)
データカットオフ日:2024年3月20日
*1 全例:投与群を共変量とした層別Cox比例ハザードモデルに基づく。層別因子は次のとおりであった。[地域(ヨーロッパ/イスラエル/北アメリカ/オーストラリア、アジア、その他)、PD-L1発現状況(CPS<1、≧1)、化学療法レジメン(CAPOX、FP)] 部分集団:投与群を共変量としたCox比例ハザードモデルに基づく
キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法は、本試験のPD-L1発現状況別の解析の結果を踏まえ、有効性成績が得られたPD-L1陽性(CPS≧1)かつHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃癌に適応が拡大されました。
CPS≧1患者において、OS中央値はキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で20.1ヵ月(95%CI: 17.9, 22.9)、トラスツズマブ+化学療法群で15.7ヵ月(95%CI: 13.5, 18.5)でした。
データカットオフ日:2024年3月20日
*1 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
*2 投与群を共変量としたCox比例ハザードモデルに基づいてハザード比を推定した
*3 ログランク検定[片側]
併用する化学療法は治験担当医師が無作為化前にCAPOX、FPのいずれかを選択
CPS≧1患者における部分集団因子別解析は事前規定されていませんでしたが、評価資料として電子添文改訂時に評価されたため掲載します。
■CPS≧1患者における全生存期間(OS)のハザード比のフォレストプロット
データカットオフ日:2024年3月20日
*1 全例及び部分集団は投与群を共変量としたCox比例ハザードモデルに基づく
キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群はトラスツズマブ+化学療法群に対してPFSを有意に延長し、ハザード比は0.72(95%CI: 0.60, 0.87)でした(p=0.0002、層別ログランク検定[片側]、有意水準α=0.0012795; 検証的解析結果)。PFS中央値はキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で10.0ヵ月(95%CI: 8.6, 11.7)、トラスツズマブ+化学療法群で8.1ヵ月(95%CI: 7.0, 8.5)でした。
ITT集団の追跡期間中央値:キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群16.1ヵ月(範囲:0.6~41.6ヵ月)、トラスツズマブ+化学療法群14.8ヵ月(範囲:0.3~41.2ヵ月)
データカットオフ日:2022年5月25日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
*2 投与群を共変量とした層別Cox比例ハザードモデルに基づいてハザード比を推定した
*3 層別ログランク検定[片側]
※層別Cox比例ハザードモデル及び層別ログランク検定に用いられた各集団の層別因子は次のとおりであった。[地域(ヨーロッパ/イスラエル/北アメリカ/オーストラリア、アジア、その他)、PD-L1発現状況(CPS<1、≧1)、化学療法レジメン(CAPOX、FP)]
併用する化学療法は治験担当医師が無作為化前にCAPOX、FPのいずれかを選択
■ITT集団における無増悪生存期間(PFS)のハザード比のフォレストプロット
ITT集団の追跡期間中央値:キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群16.1ヵ月(範囲:0.6~41.6ヵ月)、トラスツズマブ+化学療法群14.8ヵ月(範囲:0.3~41.2ヵ月)
データカットオフ日:2022年5月25日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 全例:投与群を共変量とした層別Cox比例ハザードモデルに基づく。層別因子は次のとおりであった。[地域(ヨーロッパ/イスラエル/北アメリカ/オーストラリア、アジア、その他)、PD-L1発現状況(CPS<1、≧1)、化学療法レジメン(CAPOX、FP)] 部分集団:投与群を共変量としたCox比例ハザードモデルに基づく
CPS≧1患者において、PFS中央値はキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で10.8ヵ月(95%CI: 8.5, 12.5)、トラスツズマブ+化学療法群で7.2ヵ月(95%CI: 6.8, 8.4)でした。
データカットオフ日:2022年5月25日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
*2 投与群を共変量としたCox比例ハザードモデルに基づいてハザード比を推定した
*3 ログランク検定[片側]
併用する化学療法は治験担当医師が無作為化前にCAPOX、FPのいずれかを選択
CPS≧1患者における部分集団因子別解析は事前規定されていませんでしたが、評価資料として電子添文改訂時に評価されたため掲載します。
■CPS≧1患者における無増悪生存期間(PFS)のハザード比のフォレストプロット
データカットオフ日:2022年5月25日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 全例及び部分集団は投与群を共変量としたCox比例ハザードモデルに基づく
ITT集団のPFS中央値はキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で10.0ヵ月(95%CI: 8.6, 12.2)、トラスツズマブ+化学療法群で8.1ヵ月(95%CI: 7.0, 8.5)でした。
ITT集団の追跡期間中央値:キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群20.0ヵ月(範囲:0.6~63.4ヵ月)、トラスツズマブ+化学療法群16.8ヵ月(範囲:0.3~62.9ヵ月)
データカットオフ日:2024年3月20日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
*2 投与群を共変量とした層別Cox比例ハザードモデルに基づいてハザード比を推定した
*3 層別ログランク検定[片側]
※層別Cox比例ハザードモデル及び層別ログランク検定に用いられた各集団の層別因子は次のとおりであった。[地域(ヨーロッパ/イスラエル/北アメリカ/オーストラリア、アジア、その他)、PD-L1発現状況(CPS<1、≧1)、化学療法レジメン(CAPOX、FP)]
併用する化学療法は治験担当医師が無作為化前にCAPOX、FPのいずれかを選択
CPS≧1患者において、PFS中央値はキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で10.9ヵ月(95%CI: 8.5, 12.5)、トラスツズマブ+化学療法群で7.3ヵ月(95%CI: 6.8, 8.4)でした。
データカットオフ日:2024年3月20日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
*2 投与群を共変量としたCox比例ハザードモデルに基づいてハザード比を推定した
*3 ログランク検定[片側]
併用する化学療法は治験担当医師が無作為化前にCAPOX、FPのいずれかを選択
ITT集団§において、ORRはキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で74.4%(95%CI: 66.2, 81.6)、トラスツズマブ+化学療法群で51.9%(95%CI: 43.0, 60.7)であり、キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群はトラスツズマブ+化学療法群に対してORRを有意に改善しました(p=0.00006、層別Miettinen and Nurminen法[片側]、有意水準α=0.002;検証的解析結果)。
■奏効率(ORR: CR+PR)
■奏効率及び最良総合効果
§ 最初の264例の患者を8.5ヵ月以上フォローアップした時点のカットオフデータに基づいて実施
ITT集団の追跡期間中央値:キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群11.1ヵ月(範囲:2.2~19.0ヵ月)、トラスツズマブ+化学療法群10.4ヵ月(範囲:0.5~17.9ヵ月)
データカットオフ日:2020年6月17日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 層別Miettinen and Nurminen法に基づく
*2 層別Miettinen and Nurminen法[片側]
※層別Miettinen and Nurminen法に用いられた各集団の層別因子は次のとおりであった。[地域(ヨーロッパ/イスラエル/北アメリカ/オーストラリア、アジア、その他)、PD-L1発現状況(CPS<1、≧1)、化学療法レジメン(CAPOX、FP)]
併用する化学療法は治験担当医師が無作為化前にCAPOX、FPのいずれかを選択
CPS≧1患者において、ORRはキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で76.1%(95%CI: 67.3, 83.5)、トラスツズマブ+化学療法群で50.9%(95%CI: 41.3, 60.5)でした。
■奏効率(ORR)
■奏効率
データカットオフ日:2020年6月17日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 Miettinen and Nurminen法に基づく
併用する化学療法は治験担当医師が無作為化前にCAPOX、FPのいずれかを選択
ITT集団において、ORRはキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で72.6%(95%CI: 67.6, 77.2)、トラスツズマブ+化学療法群で60.1%(95%CI: 54.7, 65.2)でした。
■奏効率(ORR: CR+PR)
■奏効率及び最良総合効果
ITT集団の追跡期間中央値:キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群20.0ヵ月(範囲:0.6~63.4ヵ月)、トラスツズマブ+化学療法群16.8ヵ月(範囲:0.3~62.9ヵ月)
データカットオフ日:2024年3月20日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 層別Miettinen and Nurminen法に基づく
*2 層別Miettinen and Nurminen法[片側]
※層別Miettinen and Nurminen法に用いられた各集団の層別因子は次のとおりであった。[地域(ヨーロッパ/イスラエル/北アメリカ/オーストラリア、アジア、その他)、PD-L1発現状況(CPS<1、≧1)、化学療法レジメン(CAPOX、FP)]
併用する化学療法は治験担当医師が無作為化前にCAPOX、FPのいずれかを選択
CPS≧1患者におけるDORの解析は事前規定されていませんでしたが、評価資料として電子添文改訂時に評価されたため掲載します。
ITT集団において、DOR中央値*1はキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で11.3ヵ月(範囲*2: 1.1+, 60.8+)、トラスツズマブ+化学療法群で9.5ヵ月(範囲: 1.4+, 60.5+)でした。
*1 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
*2 「+」は最後の疾患評価までPDがみられなかったことを示す
ITT集団の追跡期間中央値:キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群20.0ヵ月(範囲:0.6~63.4ヵ月)、トラスツズマブ+化学療法群16.8ヵ月(範囲:0.3~62.9ヵ月)
データカットオフ日:2024年3月20日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
CPS≧1患者において、DOR中央値*1はキイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群で11.3ヵ月(範囲*2: 1.1+, 60.8+)、トラスツズマブ+化学療法群で9.6ヵ月(範囲: 1.4+, 60.5+)でした。
データカットオフ日:2024年3月20日
RECIST 1.1に基づくBICR判定による評価
*1 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
*2 「+」は最後の疾患評価までPDがみられなかったことを示す
キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群の副作用は341/350例(97.4%)に認められました。主な副作用(発現率20%以上)は、下痢166例(47.4%)、悪心154例(44.0%)、貧血110例(31.4%)、好中球数減少94例(26.9%)、食欲減退92例(26.3%)、血小板数減少91例(26.0%)、嘔吐88例(25.1%)、末梢性感覚ニューロパチー84例(24.0%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群80例(22.9%)でした。
重篤な副作用は91例(26.0%)に認められました。発現率が1%以上であった重篤な副作用は、下痢16例(4.6%)、注入に伴う反応、肺炎、肺臓炎各7例(2.0%)、嘔吐6例(1.7%)、急性腎障害、大腸炎、疲労、悪心各4例(1.1%)でした。
いずれかの治験薬の投与中止に至った副作用は、130例(37.1%)に認められました。発現率が1%以上であった投与中止に至った副作用は、末梢性ニューロパチー19例(5.4%)、末梢性感覚ニューロパチー17例(4.9%)、血小板数減少13例(3.7%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群11例(3.1%)、好中球数減少7例(2.0%)、肺臓炎6例(1.7%)、下痢、悪心、嘔吐各5例(1.4%)、血中クレアチニン増加、食欲減退、注入に伴う反応、好中球減少症各4例(1.1%)でした。
死亡に至った副作用は4例(1.1%)で、その内訳は肺臓炎、脳梗塞、肝炎、敗血症各1例でした。
MedDRA v26.1
データカットオフ日:2024年3月20日
トラスツズマブ+化学療法群の副作用は334/346例(96.5%)に認められました。主な副作用(発現率20%以上)は、悪心153例(44.2%)、下痢145例(41.9%)、貧血112例(32.4%)、血小板数減少93例(26.9%)、食欲減退91例(26.3%)、嘔吐86例(24.9%)、好中球数減少83例(24.0%)、末梢性感覚ニューロパチー、手掌・足底発赤知覚不全症候群各73例(21.1%)でした。
重篤な副作用は79例(22.8%)に認められました。発現率が1%以上であった重篤な副作用は、下痢15例(4.3%)、嘔吐8例(2.3%)、血小板数減少6例(1.7%)、低カリウム血症、血小板減少症各5例(1.4%)、悪心、脱水各4例(1.2%)でした。
いずれかの治験薬の投与中止に至った副作用は、117例(33.8%)に認められました。発現率が1%以上であった投与中止に至った副作用は、末梢性ニューロパチー18例(5.2%)、末梢性感覚ニューロパチー16例(4.6%)、血小板数減少14例(4.0%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群8例(2.3%)、好中球数減少、下痢、注入に伴う反応、好中球減少症、神経毒性各5例(1.4%)、悪心、血小板減少症各4例(1.2%)でした。
死亡に至った副作用は3例(0.9%)で、その内訳は肺塞栓症、胆管炎、心筋炎各1例でした。
MedDRA v26.1
データカットオフ日:2024年3月20日
MedDRA v26.1、GradeはCTCAE v4.03
データカットオフ日:2024年3月20日
キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群
キイトルーダ®+トラスツズマブ+化学療法群の免疫関連など特に注目すべき有害事象は140/350例(40.0%)に認められ、発現率が3%以上であった免疫関連など特に注目すべき有害事象は、Infusion Reaction58例(16.6%)、甲状腺機能低下症37例(10.6%)、肺臓炎22例(6.3%)、大腸炎17例(4.9%)、甲状腺機能亢進症15例(4.3%)でした。
MedDRA v26.1
データカットオフ日:2024年3月20日
トラスツズマブ+化学療法群
トラスツズマブ+化学療法群の免疫関連など特に注目すべき有害事象は86/346例(24.9%)に認められ、発現率が3%以上であった免疫関連など特に注目すべき有害事象は、Infusion Reaction45例(13.0%)、甲状腺機能低下症16例(4.6%)、甲状腺機能亢進症11例(3.2%)でした。
MedDRA v26.1
データカットオフ日:2024年3月20日
MedDRA v26.1
データカットオフ日:2024年3月20日
2025年5⽉、キイトルーダ®は、胃癌の1次治療において免疫チェックポイント阻害剤としては初めて、HER2陽性*・陰性に関わらず「治癒切除不能な進行・再発胃癌」 […]
キイトルーダ®は2025年5月より、HER2陽性*・陰性に関わらず「治癒切除不能な進行・再発胃癌」患者の1次治療に対して投与が可能となりました。 本動画では、P […]
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