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ガーダシル®(女性)

女性を対象とした臨床試験成績

HPV疾患予防効果および安全性①(子宮頸部疾患)

●海外第Ⅲ相臨床試験(015試験)の概要(国際共同試験/検証的

承認時評価資料

【目    的】ガーダシル®の有効性および安全性をプラセボと比較して検討する
【試験デザイン】無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同、国際共同、有効性試験(検証的)
【対    象】      16~26歳の女性12,157例(1回以上接種人数):PPE(Per-Protocol Efficacy)解析対象集団
【方    法】ガーダシル®またはプラセボを0、2、6ヵ月で3回筋肉内接種し、48ヵ月まで追跡し、有効性および安全性について検討した。
【解 析 計 画】有効性および安全性は、PPE(Per-Protocol Efficacy)解析対象集団で検討した。予防効果(%)は、{1-(ガーダシル®群のイベント発生数/ガーダシル®群の追跡期間)/(プラセボ群のイベント発生数/プラセボ群の追跡期間)}×100によって算出した。また、ガーダシル®の予防効果について条件付き二項分布を用いた点推定値と多重性を調整した信頼区間を算出した。有効性の主要評価項目について有意水準(両側)を0.0411と設定した。
※:PPE(Per-Protocol Efficacy)解析対象集団:組み入れ1年以内にガーダシル®の3回接種をすべて受け、プロトコールから大きな逸脱がなく、評価項目に関連するHPVの型に対して初回接種前から3回接種の1ヵ月後(7ヵ月時)まで未感染であり、かつ初回接種前に血清抗体反応陰性であった被験者集団。
【主要評価項目】HPV16、18型に関連した CIN 1/2/3、AISまたは子宮頸がんの発生率(検証項目)および安全性

●海外第Ⅲ相臨床試験(015試験)におけるガーダシル®の予防効果(国際共同試験/検証的

承認時評価資料

海外第Ⅲ相臨床試験(015試験)において、ガーダシル®群ではHPV16、18型関連の子宮頸部疾患の発生が2例認められました。ガーダシル®による予防効果は96.9%であり、プラセボ群に対して有意な予防効果が検証されました(p<0.001*、検証的解析結果)(表1)。

* 条件付き二項分布を用いた点推定。有効性の主要評価項目について有意水準(両側)を0.0411と設定した。

表1:海外第Ⅲ相臨床試験(015試験)におけるガーダシル®の予防効果【主要評価項目(検証的解析結果)】

表1:海外第Ⅲ相臨床試験(015試験)におけるガーダシル®の予防効果【主要評価項目(検証的解析結果)】

●海外第Ⅲ相臨床試験(015試験)における有害事象

承認時評価資料

副反応は、ガーダシル®群で6,075例中603例(10.0%)、プラセボ群で6,076例中536例(8.9%)に認められました。
注射部位の副反応は、ガーダシル®群で531例(8.8%)、プラセボ群で457例(7.6%)、注射部位以外の副反応は、ガーダシル®群で233例(3. 9%)、プラセボ群で221例(3. 7%)に認められました。
重篤な副反応はガーダシル®群で3例に認められ、胃腸炎1例、頭痛および高血圧1例、注射部位疼痛および注射部位関節障害1例でした。試験中止に至った副反応は、ガーダシル®群で5例に認められ、蕁麻疹1例、注射部位腫脹、浮動性めまいおよび注射部位紅斑1例、気管支刺激1例、手根管症候群1例、発疹1例でした。
死亡例はガーダシル®群で7例に認められましたが、いずれも治験担当医師により治験薬との因果関係が否定されました。

※:治験担当医師により治験薬との因果関係が否定できないと判定された有害事象

4.効能又は効果
ヒトパピローマウイルス6、11、16及び18型の感染に起因する以下の疾患の予防
○子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))
○外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3
○肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2及び3)
○尖圭コンジローマ

5.効能又は効果に関連する注意(一部抜粋)
5.1 HPV6、11、16及び18型以外のHPV感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)、肛門癌(扁平上皮癌)又はそれらの前駆病変等の予防効果は確認されていない。

海外長期フォローアップ試験(子宮頸部疾患)

●ガーダシル®長期フォローアップ試験(14年)の概要(海外データ)

Kjaer SK et al. EClinicalMedicine. 2020; 23: 100401.

【目    的】ガーダシル®の有効性および免疫原性の持続性を検討する。
【試験デザイン】海外第Ⅲ相臨床試験(FUTURE Ⅱ:015試験)の延長試験
【対    象】      16〜26歳の女性を対象としたFUTURE Ⅱ試験(015試験)12,167例のうち、北欧地区(デンマーク、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン) の16〜23歳の女性2,750例(1回以上接種人数):PPE(Per-Protocol Efficacy)解析対象集団
【方    法】省庁のデータベースを用いてフォローアップを実施、免疫原性については血清採取を行い評価した。
【主要評価項目】HPV16、18型に関連したCIN2/3、AISまたは子宮頸がんの発生
【解析計画】1年以内にガーダシル®の3回接種をすべて受け、プロトコールから有効性の評価に影響する逸脱がなく、評価項目に関連するHPVの型に対して初回接種前から3回接種の1ヵ月後(7ヵ月時)まで未感染であり、かつ初回接種前に血清抗体反応陰性であった被験者集団で検討した。
Limitation本試験はベース試験(FUTURE Ⅱ:015試験)の完了時に4価HPVワクチン接種が提案されたため、対照群が設定されなかった。そのため有効性はワクチン未接種集団における推定発生率と比較して検討された。
また、有効性の評価は日常診療での観察に基づいていたため、評価項目はHPVに関連したCINおよび子宮頸がん、外陰部および膣がんに限定されていた。

※:PPE(Per-Protocol Efficacy)解析対象集団:組み入れ1年以内にガーダシル®の3回接種をすべて受け、プロトコールから大きな逸脱がなく、評価項目に関連するHPVの型に対して初回接種前から3回接種の1ヵ月後(7ヵ月時)まで未感染であり、かつ初回接種前に血清抗体反応陰性であった被験者集団。
CIN:cervical intraepithelial neoplasia(子宮頸部上皮内腫瘍)AIS:adenocarcinoma in situ(上皮内腺がん)

●ガーダシル®長期フォローアップ試験(14年)における有効性(海外データ)

Kjaer SK et al. EClinicalMedicine. 2020; 23: 100401.

北欧地区で実施された015延長試験では、14年の時点で、HPV16型、18型関連のCIN2/3、AISまたは子宮頸がんの発生は認められませんでした(表2)。

表2:ガーダシル®長期フォローアップ試験(14年) 有効性【主要評価項目】

表2:ガーダシル®長期フォローアップ試験(14年) 有効性【主要評価項目】

Kjaer SK et al. EClinicalMedicine. 2020; 23: 100401.

【利益相反】本試験はMSD社の資金援助および支援により実施された。本論文の著者に、MSD社の社員が含まれる。著者にMSD社より講演料、顧問料、カンファレンス参加料、研究助成金を受領している者が含まれる。

●ガーダシル®長期フォローアップ試験(14年)における安全性(海外データ)

Kjaer SK et al. EClinicalMedicine. 2020; 23: 100401.

本論文中に安全性に関する記載はありません。
安全性情報は、製品電子添文をご参照ください。

国内市販後臨床試験

●国内市販後臨床試験(国内第Ⅳ相臨床試験)の概要

日本においては、国内第Ⅳ相臨床試験が実施されています。本試験は、16〜26歳の女性1,030例を対象に実施され、観察期間は48ヵ月でした。主要評価項目はHPV6、11、16、および18型に関連したCIN2、3、AIS、または子宮頸がんの発生状況です。

Sakamoto M et al. J Infect Chemother. 2019; 25: 520-525.

【目    的】日本人女性におけるガーダシル®の有効性および安全性を検討する。
【試験デザイン】非盲検単群試験
【対    象】      PPE(Per-Protocol Efficacy)解析対象集団:16~26歳の女性1,030例(1回以上接種した人数)で、1年以内にガーダシル®の3回接種をすべて受け、プロトコールから有効性の評価に影響する逸脱がなく、評価項目に関連するHPVの型に対して初回接種前から3回接種の1ヵ月後(7ヵ月時)まで未感染であり、かつ初回接種前に血清抗体反応陰性であった被験者集団。
【方    法】ガーダシル®を0、2、6ヵ月で3回筋肉内接種し、48ヵ月まで追跡し、有効性と安全性について検討した。
【解 析 計 画】PPE(Per-Protocol Efficacy)解析対象集団を有効性解析対象とした。ガーダシル®の予防効果の点推定値と95%信頼区間をポアソン分布により算出した。
【評価項目】【主要評価項目】
HPV6型、11型、16型および18型に関連したCIN2/3、AISまたは子宮頸がんの発生率
【探索的評価項目】
HPV6型、11型、16型および18型に関連したEGLの発生率 等
【安全性評価項目】
有害事象、死亡 等

CIN:cervical intraepithelial neoplasia(子宮頸部上皮内腫瘍)
AIS:adenocarcinoma in situ(上皮内腺がん)
EGL:external genital lesion(外性器病変)

※:尖圭コンジローマ、外陰上皮内腫瘍(VIN)、腟上皮内腫瘍(VaIN)、外陰がんおよび/または腟がん

●国内第Ⅳ相臨床試験におけるガーダシル®の予防効果(16〜26歳)

Sakamoto M et al. J Infect Chemother. 2019; 25: 520-525.

国内第Ⅳ相臨床試験では、HPV6、11、16、18型関連の子宮頸部疾患の発生は認められませんでした(表3) 。
また、尖圭コンジローマを含む外性器病変の発生も認められませんでした(表4)。

表3:HPV6型、11型、16型および18型に関連したCIN2/3、AISまたは子宮頸がんの発生率【主要評価項目】

表3:HPV6型、11型、16型および18型に関連したCIN2/3、AISまたは子宮頸がんの発生率【主要評価項目】

Sakamoto M et al. J Infect Chemother. 2019; 25: 520-525. より作成

【利益相反】著者にMSD社より研究助成費、科研費、講師謝礼を受領している者が含まれる。著者にMSD社の社員が含まれる。

表4:HPV6型、11型、16型および18型に関連したEGLの発生率【探索的評価項目】

表4:HPV6型、11型、16型および18型に関連したEGLの発生率【探索的評価項目】

Sakamoto M et al. J Infect Chemother. 2019; 25: 520-525. より作成

【利益相反】著者にMSD社より研究助成費、科研費、講師謝礼を受領している者が含まれる。著者にMSD社の社員が含まれる。

●国内第Ⅳ相臨床試験における有害事象(16〜26歳)

Sakamoto M et al. J Infect Chemother. 2019; 25: 520-525.

国内第Ⅳ相臨床試験における有害事象の概要はご覧の通りです(表5)。1つ以上の有害事象は1,029例中344例(33.4%)に認められました。主な副反応は頭痛24例(2.3%)、倦怠感18例(1.7%)、発熱13例(1.3%)でした。重篤な有害事象は8例(人工妊娠中絶4例、自然流産1例、扁桃周囲炎1例、くも膜下出血1例、胎位異常1例)でした。死亡例はくも膜下出血1例、ワクチン関連の有害事象による中止例は蕁麻疹1例でした。(表6)。

※:治験担当医師により治験薬との因果関係が否定できないと判定された有害事象

表5:国内第Ⅳ相臨床試験における有害事象の概要(16〜26歳)

表5:国内第Ⅳ相臨床試験における有害事象の概要(16〜26歳)

Sakamoto M et al. J Infect Chemother. 2019; 25: 520-525. より作成

【利益相反】著者にMSD社より研究助成費、科研費、講師謝礼を受領している者が含まれる。著者にMSD社の社員が含まれる。

表6:国内第Ⅳ相臨床試験における有害事象(16〜26歳)
被験者の1%以上に認められたワクチン関連の有害事象(ワクチン接種後15日まで)

表6:国内第Ⅳ相臨床試験における有害事象(16〜26歳)
被験者の1%以上に認められたワクチン関連の有害事象(ワクチン接種後15日まで)

Sakamoto M et al. J Infect Chemother. 2019; 25: 520-525. より作成

【利益相反】著者にMSD社より研究助成費、科研費、講師謝礼を受領している者が含まれる。著者にMSD社の社員が含まれる。

4.効能又は効果
ヒトパピローマウイルス6、11、16及び18型の感染に起因する以下の疾患の予防
○子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))
○外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3
○肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2及び3)
○尖圭コンジローマ

5.効能又は効果に関連する注意(一部抜粋)
5.1 HPV6、11、16及び18型以外のHPV感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)、肛門癌(扁平上皮癌)又はそれらの前駆病変等の予防効果は確認されていない。

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