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KEYNOTE-170試験

海外第Ⅱ相試験<KEYNOTE-170試験>(海外データ)

承認時評価資料: 海外第Ⅱ相試験(KEYNOTE-170試験)
Armand P et al. J Clin Oncol 2019; 37: 3291-3299 supplements Study Protocol 1
本試験はMSD社の資金提供により行われた。Philippe ArmandはMSD社から研究助成金などを受領している。
また、著者のうち、Arun Balakumaran、Robert Orlowskiは同社の社員である。
その他の著者にMSD社より講演料、顧問料などを受領している者が含まれる。

試験概要

【 目 的 】再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫患者*1におけるキイトルーダ®の有効性及び安全性を検討する。

【デザイン】海外非盲検単群第Ⅱ相試験[データカットオフ日:2020年5月7日、追跡期間中央値22.3ヵ月(範囲:0.1, 50.4ヵ月)]

【 対 象 】再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫患者53例

【 方 法 】キイトルーダ®200mgを3週間間隔(Q3W)で点滴静注した。投与12週間毎に画像検査による評価を行い、疾患進行(PD)などの中止基準に該当するまで、最大35サイクルとして継続した。

【評価項目】主要評価項目:奏効率(objective response rate; ORR)*2
副次評価項目: 奏効期間(duration of response; DOR)*2, 3、病勢コントロール率(disease control rate; DCR)*2,3、無増悪生存期間(progression free survival; PFS)*2,3、全生存期間(overall survival; OS)、安全性及び忍容性 など

【判定基準】奏効評価は、国際ワーキンググループ(IWG)の効果判定基準に基づき評価した。

【解析計画】解析対象集団:有効性及び安全性の解析はASaT(all subjects as treated)集団*4を対象として実施した。
有効性評価の統計手法:主要評価項目のORRについては点推定値及びClopper-Pearsonによる正確な両側95%信頼区間(CI)を算出した。DOR、PFS及びOSについてはKaplan-Meier法を用いて推定した。ORRのサブグループ解析として、自家造血幹細胞移植歴の有無*5別などの解析を実施した。有効性の主要評価項目であるORRは中間解析と最終解析を計画した。中間解析と最終解析における実際の閾値はα消費関数に基づく。ここではORRの最終解析の結果を示す。

*1 自家造血幹細胞移植後に再発が認められた患者、自家造血幹細胞移植後60日以内にCR若しくはPRが得られなかった患者、又は自家造血幹細胞移植に不適格である場合、2種類以上の前治療を受け、無効若しくは直近の治療後に再発した患者が組み入れられた 
組入れ基準の補足はこちら→
*2 中央画像判定機関(中央判定)による評価
*3 治験担当医師判定による評価
*4 治験薬を1回以上投与されたすべての患者
*5 自家造血幹細胞移植歴なしの理由:化学療法感受性なし、不適格/患者希望

患者背景(ASaT集団)

* 国内での効能又は効果(抜粋):CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫

主要評価項目:奏効率(ORR)(ASaT集団)

中央判定による評価
* 二項分布の確率計算による正確法
データカットオフ日:2020年5月7日、追跡期間中央値:22.3ヵ月(範囲:0.1, 50.4)

■標的病変における腫瘍径のベースラインからの最大変化率(ASaT集団)

中央判定による評価
データカットオフ日:2020年5月7日、追跡期間中央値:22.3ヵ月(範囲:0.1, 50.4)

サブグループ解析:自家造血幹細胞移植歴の有無別の奏効率(ORR)(ASaT集団)

中央判定による評価
* 二項分布の確率計算による正確法
データカットオフ日:2020年5月7日、追跡期間中央値:22.3ヵ月(範囲:0.1, 50.4)

副次評価項目:奏効期間(DOR) (ASaT集団)

■DORのKaplan-Meier曲線

中央判定による評価
*1 CR又はPRを認めた症例数
*2 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
*3 「+」は最後の疾患評価までにPDがみられないことを示す
データカットオフ日:2020年5月7日、追跡期間中央値:22.3ヵ月(範囲:0.1, 50.4)

副次評価項目:無増悪生存期間(PFS) (ASaT集団)

■PFSのKaplan-Meier曲線

中央判定による評価
* 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
データカットオフ日:2020年5月7日、追跡期間中央値:22.3ヵ月(範囲:0.1, 50.4)

副次評価項目:全生存期間(OS)(ASaT集団)

■OSのKaplan-Meier曲線

* 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
データカットオフ日:2020年5月7日、追跡期間中央値:22.3ヵ月(範囲:0.1, 50.4)

安全性(ASaT集団)

■副作用の概要

副作用:30/53例(56.6%) Grade 3以上の副作用:12例(22.6%)
重篤な副作用:4例(7.5%) 内訳:発熱性好中球減少症、クロストリジウム・ディフィシレ感染、肺炎、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、肝酵素上昇、静脈血栓症 各1例
副作用による中止:2例(3.8%) 内訳:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、扁平苔癬 各1例
副作用による死亡:認められなかった

■主な副作用(発現率5%以上)

MedDRA/J v23.0、GradeはCTCAE v4.0

■免疫関連など特に注目すべき有害事象(カテゴリー別で集計)

MedDRA/J v23.0、GradeはCTCAE v4.0

■注目すべき事象:キイトルーダ®治療後の同種造血幹細胞移植関連合併症

同種造血幹細胞移植実施:2/53例
移植関連合併症:1例
[急性移植片対宿主病(GVHD)が発現し、回復後、慢性GVHDへと移行。その後、疾患進行により死亡]

KEYNOTE-170試験及びKEYNOTE-A33試験の組入れ基準補足

※全身性の治療後に地固め療法として局所放射線療法を受けた場合、局所放射線療法は別の療法とはみなさない。

■主な組入れ患者例

①自家造血幹細胞移植後に再発が認められた患者
②自家造血幹細胞移植後60日以内にCR又はPRが得られなかった患者
③自家造血幹細胞移植に不適格である場合、2種類以上の前治療を受け、無効又は直近の治療後に再発した患者

*1 化学療法に対する感受性、年齢、PS、合併症、臓器機能など
*2 年齢、PS、合併症、臓器機能などで自家移植不適格となる場合

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