KEYNOTE-A33試験
国内第Ⅰ相試験<KEYNOTE-A33試験>
承認時評価資料: 国内第Ⅰ相試験(KEYNOTE-A33試験)
試験概要
【 目 的 】再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫患者*1におけるキイトルーダ®の有効性及び安全性を検討する。
【デザイン】国内非盲検単群第Ⅰ相試験[最終解析結果(データカットオフ日:2022年4月12日、追跡期間中央値:5.6ヵ月(範囲:2.4, 17.5)]
【 対 象 】再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫の日本人患者7例
【 方 法 】キイトルーダ®200mgを3週間間隔(Q3W)で点滴静注した。投与12週間毎に画像検査による評価を行い、疾患進行(PD)などの中止基準に該当するまで、最大35サイクルとして継続した。
【評価項目】主要評価項目:奏効率(objective response rate; ORR)*2、安全性及び忍容性
副次評価項目:病勢コントロール率(disease control rate; DCR)*2,3 など
探索的評価項目:奏効期間(duration of response; DOR)*2,3、無増悪生存期間(progression free survival; PFS)*2,3、全生存期間(overall survival; OS) など
【判定基準】奏効評価は、国際ワーキンググループ(IWG)の効果判定基準に基づき評価した。
【解析計画】解析対象集団:有効性及び安全性の解析はASaT(all subjects as treated)集団*4を対象として実施した。
有効性評価の統計手法:ORR及びDCRについては点推定値及びClopper-Pearsonによる正確な両側95%信頼区間(CI)を算出することとした。DOR、PFS及びOSはKaplan-Meier法を用いて推定した。そのほか、治験薬投与後に同種造血幹細胞移植を受けた患者については、同種造血幹細胞移植に関連する合併症を収集することが規定されていた。
*1自家造血幹細胞移植後に再発が認められた患者、自家造血幹細胞移植後60日以内にCR若しくはPRが得られなかった患者、又は自家造血幹細胞移植に不適格である場合、2種類以上の前治療を受け、無効若しくは直近の治療後に再発した患者が組み入れられた
組入れ基準の補足はこちら→
*2 中央画像判定機関(中央判定)による評価
*3 治験担当医師判定による評価
*4 治験薬を1回以上投与されたすべての患者
患者背景(ASaT集団)
* 国内での効能又は効果(抜粋):CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
主要評価項目:奏効率(ORR) (ASaT集団)
中央判定による評価
解析計画では点推定値及び95%信頼区間を算出することが計画されていたが、解析対象が10例未満のため、例数のみ示した
データカットオフ日:2022年4月12日、追跡期間中央値:5.6ヵ月(範囲:2.4, 17.5)
- 7例中3例(CR 1例、PR 2例)に奏効が認められました。
■標的病変における腫瘍径のベースラインからの最大変化率(ASaT集団)
中央判定による評価
データカットオフ日:2022年4月12日、追跡期間中央値:5.6ヵ月(範囲:2.4, 17.5)
探索的評価項目:無増悪生存期間(PFS)(ASaT集団)
- PFSの中央値*は、2.9ヵ月(95%CI:2.6, 未到達)でした。
中央判定による評価
副次評価項目:病勢コントロール率(DCR)(ASaT集団)
- 病勢コントロール例(CR+PR+SD)は7例中4例でした。
中央判定による評価
※10例未満のため例数のみ示した
探索的評価項目:奏効期間(DOR)(ASaT集団)
- DORの中央値*は、未到達(範囲:0.0+ , 2.8+ヵ月)(95%CI:算出不能)でした。
中央判定による評価
「+」は最後の疾患評価までにPDがみられないことを示す
探索的評価項目:全生存期間(OS)(ASaT集団)
- OSの中央値*は、17.5ヵ月(95%CI:算出不能)でした。
* 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
データカットオフ日:2022年4月12日、追跡期間中央値:5.6ヵ月(範囲:2.4, 17.5)
主要評価項目:安全性(ASaT集団)
■ 副作用の概要
副作用:5/7例(71.4%) Grade 3以上の副作用:2例(28.6%)
重篤な副作用/副作用による中止/副作用による死亡:認められなかった
■ 副作用
MedDRA/J v25.0、GradeはCTCAE v5.0
■免疫関連など特に注目すべき有害事象(カテゴリー別で集計)
MedDRA/J v25.0、GradeはCTCAE v5.0
■注目すべき事象:キイトルーダ®治療後の同種造血幹細胞移植関連合併症
同種造血幹細胞移植実施:1/7例
移植関連合併症:1例[急性移植片対宿主病(GVHD)が発現し、転帰は未回復で、疾患進行により死亡]
KEYNOTE-170試験及びKEYNOTE-A33試験の組入れ基準補足
- 2つの臨床試験では、いずれも、自家造血幹細胞移植後に再発が認められた患者、自家造血幹細胞移植後60日以内にCR若しくはPRが得られなかった患者、又は自家造血幹細胞移植に不適格である場合、2種類以上の前治療※を受け、無効若しくは直近の治療後に再発した患者が組入れの対象となりました。
※全身性の治療後に地固め療法として局所放射線療法を受けた場合、局所放射線療法は別の療法とはみなさない。
■主な組入れ患者例
①自家造血幹細胞移植後に再発が認められた患者
②自家造血幹細胞移植後60日以内にCR又はPRが得られなかった患者
③自家造血幹細胞移植に不適格である場合、2種類以上の前治療を受け、無効又は直近の治療後に再発した患者
*1 化学療法に対する感受性、年齢、PS、合併症、臓器機能など
*2 年齢、PS、合併症、臓器機能などで自家移植不適格となる場合