海外第Ⅲ相試験 KEYNOTE-054

悪性黒色腫:国際共同臨床試験成績:国際共同第Ⅲ相試験 <EORTC-1325-MG/KEYNOTE-054試験:パート1>

承認時評価資料: 国際共同第Ⅲ相試験 パート1(EORTC-1325-MG/KEYNOTE-054試験)
Eggermont AMM et al. N Engl J Med 2018; 378: 1789-1801

本試験はMSD社の資金提供により行われた。Alexander M.M EggermontはMSD社から顧問料を受領している。その他の著者に同社から顧問料などを受領している者が含まれる。本試験は学術機関に所属の著者らによりデザインされた。データはEORTCにより収集・データベース化され、解析された。著者のうち、Nageatte IbrahimはMSD社の社員であり、同社の株式を保有している。

※本試験の投与期は、パート1(術後補助療法)とそれに続くパート2(クロスオーバー又は再投与)で構成されています。ここでは、パート1についてご紹介します。

試験概要

【目的】完全切除後の再発リスクが高いⅢ期の悪性黒色腫患者における術後補助療法としてのキイトルーダ®の有効性及び安全性をプラセボと比較検討する。

【デザイン】国際共同無作為化二重盲検第Ⅲ相試験[優越性試験]

【対象】完全切除後のⅢA(1mm超のリンパ節転移)、ⅢB、ⅢC期の悪性黒色腫患者1,019例(日本人15例を含む)

【方法】キイトルーダ®群(キイトルーダ®200mgを3週間間隔[Q3W]で点滴静注)又はプラセボ群(生理食塩液をQ3Wで点滴静注)に1:1の割合で無作為割り付けし、再発又は許容できない毒性が認められるまで最大18回(約1年間)投与した。疾患評価として、無作為割り付け前6週間以内に初回の画像評価を実施し、以降は再発まで12週間ごとに評価した。

試験概要

【評価項目】主要評価項目:全集団及びPD-L1発現陽性患者*1における無再発生存期間(recurrence-free survival; RFS)
副次評価項目:全集団及びPD-L1発現陽性患者*1における無遠隔転移生存期間(distant metastasis-free survival; DMFS)及び全生存期間(overall survival; OS)、安全性

※検証的解析項目

【判定基準】再発はCT又はMRIによる画像検査により評価した。

【解析計画】解析対象集団:有効性の主要解析対象はITT集団*2とし、安全性の解析対象はASaT集団*3とした。
有効性評価の統計手法:Kaplan-Meier法を用いて生存時間の分布(RFS、DMFS、OS)に関する推定値を求め、Greenwoodの式を用いて推定値の標準誤差を算出した。RFS、DMFS及びOSの群間比較は層別ログランク検定を用いて評価し、投与群を共変量とした層別Cox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比及びその100(1−α)%の信頼区間を算出した。いずれも無作為割り付け時の病期を層別因子とした。また、サブグループ解析として病期別、PD-L1発現別、BRAF遺伝子変異別などの部分集団解析を実施した。
多重性の調整:本試験では試験全体の有意水準を片側0.025とした。RFS、DMFS、OSの順に、全集団(ITT集団)及びPD-L1発現陽性患者のプラセボ群に対するキイトルーダ®群の優越性を逐次的に検証する。両集団での仮説が棄却された場合、次の評価項目に進む。約330件のRFSのイベントが報告された後に中間解析を実施する。中間解析ではRFSにおけるITT集団のプラセボ群に対するキイトルーダ®群の優越性を検討し、優越性が検証された場合又は409件のRFSイベント観察後(優越性が検証されなかった場合)、RFSの最終解析を実施する。中間解析の棄却限界値は、O’Brien-Flemingの消費関数に基づくものとする。中間解析におけるITT集団のRFS解析の有意水準はカットオフ時のイベント数より全集団では片側0.008、PD-L1発現陽性患者では片側0.0155とした。DMFS及びOSの最終解析は、それぞれ423件(遠隔転移又は死亡)及び380件(死亡)のイベント報告後に行う。

  1. PD-L1発現状況は、腫瘍細胞及び腫瘍関連免疫細胞の膜上でのPD-L1の発現割合から判定するMEL scoreを用いて評価した。1%以上の染色を示すMEL score 2以上の場合をPD-L1発現陽性とした
  2. ITT(intention-to-treat)集団:無作為割り付けされたすべての患者
  3. ASaT(all subjects as treated)集団:治験薬を1回以上投与されたすべての患者

4. 効能又は効果(抜粋)
○ 悪性黒色腫

6. 用法及び用量(抜粋)
〈悪性黒色腫〉
通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。ただし、術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。

8. 重要な基本的注意
8.1 本剤のT細胞活性化作用による、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患、8.2 間質性肺疾患、8.3 甲状腺機能障害、下垂体機能障害及び副腎機能障害、8.4 劇症肝炎、肝不全、肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎、8.5 1型糖尿病、8.6 腎障害、8.7 筋炎、横紋筋融解症、8.8 重症筋無力症、8.9 心筋炎、8.10 ぶどう膜炎(虹彩炎及び虹彩毛様体炎を含む)等の重篤な眼障害があらわれることがあるので注意が必要です。詳細は「製品情報:基本情報>「警告・禁忌」等その他の注意」をご参照ください。

患者背景(ITT集団)

患者背景(ITT集団)

主要評価項目 無再発生存期間:RFS

無再発生存期間(RFS)のKaplan-Meier曲線(ITT集団)

無再発生存期間(RFS)のKaplan-Meier曲線(ITT集団)
  1. 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
  2. 投与群を共変量とし、無作為割付時の病期(1mm超のリンパ節転移を認めるⅢA期、ⅢB期、1-3個のリンパ節転移を認めるⅢC期、4個以上のリンパ節転移を認めるⅢC期)によって層別化されたCox回帰モデルに基づく
  3. 層別ログランク検定[片側](層別因子は無作為割付時の病期)、有意水準α=0.008

(追跡期間中央値:16.0ヵ月、範囲:2.5, 25.3)

  • RFS中央値は、キイトルーダ®群で未到達(未到達, 未到達)、プラセボ群で20.4ヵ月(95%CI: 16.2, 未到達)でした。プラセボ群に対するキイトルーダ®群のハザード比は0.57(98.4%CI: 0.43, 0.74)であり、有意にRFSを改善しました(p<0.0001、層別ログランク検定[片側]、有意水準α=0.008;検証的解析結果)。

主要評価項目 PD-L1発現陽性患者における無再発生存期間: RFS

PD-L1発現陽性患者における無再発生存期間(RFS)の要約(ITT集団)

PD-L1発現陽性患者における無再発生存期間(RFS)の要約(ITT集団)
  1. 打ち切りデータはproduct-limit(Kaplan-Meier)法に基づく
  2. 投与群を共変量とし、無作為割付時の病期(1mm超のリンパ節転移を認めるⅢA期、ⅢB期、1-3個のリンパ節転移を認めるⅢC期、4個以上のリンパ節転移を認めるⅢC期)によって層別化されたCox回帰モデルに基づく
  3. 層別ログランク検定[片側](層別因子は無作為割付時の病期)、有意水準α=0.0155

(追跡期間中央値:16.0ヵ月、範囲:2.5, 25.3)

  • PD-L1発現陽性患者におけるRFS中央値は、キイトルーダ®群で未到達(95%CI: 未到達, 未到達)、プラセボ群で未到達(95%CI: 17.1, 未到達)でした。プラセボ群に対するキイトルーダ®群のハザード比は0.54(95%CI: 0.42, 0.69)であり、有意にRFSを改善しました(p<0.0001、層別ログランク検定[片側]、有意水準α=0.0155;検証的解析結果)。

サブグループ解析 部分集団因子別の無再発生存期間:RFS

無再発生存期間(RFS)のハザード比のフォレストプロット(ITT集団)

無再発生存期間(RFS)のハザード比のフォレストプロット(ITT集団)
  • 事前に規定されたRFSの部分集団解析の結果を示します。

安全性

主な副作用(いずれかの投与群で発現率5%以上)(ASaT集団)

例数(%)

副作用(発現率5%以上)(ASaT集団)

MedDRA/J v20.1、GradeはNCI CTCAE v4.03

  • キイトルーダ®群の副作用は396/509例(77.8%)に認められました。主な副作用(発現率10%以上)は、疲労143例(28.1%)、下痢94例 (18.5%)、そう痒症85例(16.7%)、甲状腺機能低下症73例(14.3%)、悪心58例(11.4%)、関節痛51例(10.0%)でした。重篤な副作用は66例(13.0%)に認められ、2例以上にみられた重篤な副作用は大腸炎8例(1.6%)、肺臓炎7例(1.4%)、下痢4例(0.8%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、自己免疫性大腸炎、下垂体炎、1型糖尿病各3例(0.6%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、自己免疫性肝炎、食欲減退、糖尿病ケトアシドーシス、疲労、肺塞栓症、サルコイドーシス、甲状腺炎各2例(0.4%)でした。副作用による中止は62例(12.2%)に認められ、その内訳は肺臓炎7例(1.4%)、大腸炎6例(1.2%)、下痢5例(1.0%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加4例(0.8%)、サルコイドーシス、関節痛、肝炎各3例(0.6%)、肺塞栓症、自己免疫性肝炎、疲労、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、1型糖尿病各2例(0.4%)、虹彩毛様体炎、糖尿病性ケトアシドーシス、心筋炎、重症筋無力症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、顕微鏡的大腸炎、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、下垂体機能低下症、下垂体炎、発疹、小腸炎、そう痒症、食欲減退、血小板減少症、筋炎、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、唾液欠乏、自己免疫性心膜炎、気管支炎、心障害、胃炎、浮腫、口腔扁平苔癬、乳頭炎、末梢性感覚ニューロパチー、リウマチ性多発筋痛、関節リウマチ、小腸穿孔、全身性炎症反応症候群各1例(0.2%)でした。副作用による死亡は、好酸球増加と全身症状を伴う薬物反応が1例(0.2%)に認められました。
  • プラセボ群の副作用は332/502例(66.1%)に認められました。主な副作用(発現率10%以上)は、疲労135例(26.9%)、下痢82例(16.3%)でした。重篤な副作用は6例(1.2%)に認められ、その内訳は、下痢、低ナトリウム血症、蜂巣炎、膵炎、ウイルス性上気道感染、続発性副腎皮質機能不全各1例(0.2%)でした。副作用による中止は8例(1.6%)に認められ、その内訳はアラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、肝炎、肺臓炎、続発性副腎皮質機能不全、自己免疫性大腸炎、うつ病、味覚異常、膵炎各1例(0.2%)でした。副作用による死亡は認められませんでした。

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