1分で読める睡眠豆知識 ~ドライアイと睡眠の質は強く関連している?~

1分で読める睡眠豆知識 ~ドライアイと睡眠の質は強く関連している?~

最近よく眠れないという方、ひょっとしてドライアイではないでしょうか。パソコンやスマートフォンが普及し目を酷使する機会が増えた今日、世界では何百万人もがドライアイを呈し、その有病率は5~50%とも推定されています1)。ドライアイが睡眠の質に強く関連する可能性を示唆する観察研究の結果が、欧州から報告されています2)

ドライアイ患者は睡眠の質が低い人が多い

オランダのフローニンゲン大学/フローニンゲン大学医療センターのMorten Schjerven Magno氏らは、オランダ北部の大規模な住民コホート研究Lifelinesから、19~94歳の男女7万1,761人(平均年齢50.2±12.3歳、女性59.4%)のデータを対象に、ドライアイと睡眠の質との関連を調査しました。ドライアイはWomen’s Health Study Dry Eye Questionnaire、睡眠の質はピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)で評価し、年齢、性別、BMI、教育歴、所得のほか、自己免疫疾患や精神疾患など睡眠の質の低下と関係する51の併存疾患の影響を調整した上で、ロジスティック回帰モデルにて睡眠の質の低下(PSQIスコア5超)とドライアイとの関連を調べました。

その結果、ドライアイは参加者の8.9%に見られ、ドライアイ患者にはコホート全体(対照群)よりも睡眠の質が悪い人が多いことが分かりました(36.4%対24.8%、オッズ比[OR]1.52、95%信頼区間[CI]1.44~1.60、年齢と性別のみを調整後のP<0.0001、ロジスティック回帰分析)。ドライアイと睡眠の質は、併存疾患の影響を考慮しても有意に関連しており(OR 1.20、95%CI 1.11~1.28、P<0.0001、ロジスティック回帰分析)、これは年齢層や性別にかかわらず一貫していました。

ドライアイ症状の頻度が高いほど睡眠の質は低い

またドライアイ患者は、対照群と比べPSQIの全項目で低スコアを示し、中でも症状の強い群(1,320人)では、ほぼ2人に1人(44.9%)で睡眠の質の低下が認められました。これは、睡眠時無呼吸症候群や変形性関節症の患者に匹敵する割合でした。

さらに、ドライアイ症状の頻度が高いほど、睡眠の質が悪い人の割合は増加していました)。睡眠の質が悪い人の割合は、ドライアイ症状が全くない人に比べて、症状が「よくある」「いつもある」と回答した人では2倍以上でした。ドライアイ症状の頻度と睡眠の質の低下との関連は、目の乾きと痛みの両方で有意でした(年齢と性別で調整後のP値<0.0001、ロジスティック回帰分析)。

図:ドライアイ症状(目の乾きまたは痛み)と睡眠の質の低下(PSQIスコア5超)

以上から、Magno氏らは、特に症状が強いドライアイ患者には睡眠について尋ね、治療介入を検討すべきだとしています。
ドライアイで悩んでいたら、一度、睡眠習慣を見直すとよいかもしれません。

  1. Stapleton F et. al. Ocul Surf 2017; 15(3): 334-365.
  2. Magno MS et al. Ocul Surf 2021; 20: 13-19.