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1分で読める睡眠豆知識 ~安眠に有効な照明は?~

光の「色」を表す「色温度」

快適な眠りのために睡眠環境を整えることは大切です。自分に合った寝具を揃えたり、室温や照明を調節したり…。今回は照明について少し紹介しましょう。

光には、その色を数値化した色温度(color temperature)と呼ばれる指標があります。単位はケルビン(K)です。温度とはいっても、光源が発する温度や明るさの指標ではありません。

色温度の低い照明は脳の働きを抑えて睡眠を誘発

例えば、朝日や夕日、白熱電球やろうそくなどの色を表す「電球色」の色温度はおよそ2,000〜3,000Kです。色味としては、黄色やオレンジ色のいわゆる暖色系です。日中の太陽光でおよそ5,000〜6,000Kとされています。

色温度がヒトの中枢神経系にどのような影響を及ぼすかを調べた日本の研究があります1)。被験者を22分間、日中の太陽光レベル(5,000K)または朝日や夕日レベル(3,000K)の色温度に曝露させ、続いて暗闇で20分の睡眠を取らせたところ、朝日や夕日レベルの色温度に曝露したグループでは脳の働きが有意に抑制され、睡眠を誘発しやすいことが示唆されました。
不眠に悩む人は、試してみる価値がありそうです。

  1. Noguchi H, et al. Appl Human Sci 1999; 18: 117-123.