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動物の睡眠

睡眠時間は体重あたりのエネルギー消費量と関係する

ヒトは1日に6~8時間眠りますが、動物達はどれくらいの時間眠るのでしょうか? 種によって様々ではありますが、動物の睡眠時間の長さは、体重あたりのエネルギー消費量と正の相関関係にあることが分かっています1)。ネズミなど体が小さい動物は、体重に対して体表面積が大きいため熱が逃げやすく、必要とするエネルギーも多くなります。また運動量が多いため体重あたりのエネルギー消費量も大きくなります。そのため絶えず食べ続けてエネルギーを摂取するか、エネルギー消費量を抑えるために睡眠時間が長くなる傾向にあります。赤ちゃんの平熱が高く、絶えず哺乳してよく眠るのもこの理由と言われています。

グラフ

酸素消費量と睡眠量(厚生労働省e-ヘルスネット/眠りのメカニズム)

体重あたりのエネルギー消費量が少ないと睡眠時間は短くなる

逆に体重あたりのエネルギー消費量が少ないゾウやウマなど体が大きい動物は、睡眠時間も1日2時間程度と短いことがわかります。人間も成長とともに体重あたりのエネルギー消費量が減少しますが、睡眠時間、特に深い睡眠が年齢とともに減るのは理に適っていると言えますね。
ちなみにコアラは運動量が多くは見えませんが1日20時間も寝ます。実は常食のユーカリの葉が繊維質で毒素が強く、栄養価が低いため、それらを消化するのに多くのエネルギーを必要とします。そのためコアラはエネルギーをあまり使わないで済むように睡眠時間が長いのだそうです2)。だからコアラはよく眠るのですね。

イラスト

<参考文献>

  1. 三島 和夫. 眠りのメカニズム. e-ヘルスネット.
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html.厚生労働省.(2021)
  2. Australian Koala Foundation. https://www.savethekoala.com/japan/jpkoalasfacts