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教えます、究極の寝落ち

アメリカ海軍で96%の成功率

体は疲れているのに、布団に入るとなかなか寝付けない−。そんな経験はありませんか。翌日が休みなら夜更かしも問題ないかもしれませんが、仕事などの予定が入っていると焦ってしまうもの。そこで、耳寄りな情報を1つ紹介します。実は、アメリカで開発された「究極の寝落ち」方法があるのです。

それは、後にアメリカ陸上競技界の名コーチとして知られるようになる、Lloyd “Bud” Winter氏が第二次世界大戦中にアメリカ海軍の要請を受けて開発した睡眠導入法です1)。Winter氏は後年、27人のオリンピック代表選手を含む優秀なスプリンターたちを世に送り出し、1964年の東京オリンピックにもアメリカ代表の助監督として来日しています。

戦闘機を操縦するパイロットにとって、睡眠不足による操作ミスは命取りになります。そのことに気付いた当時の海軍がWinter氏に科学的な観点から開発するよう要請したのがこの睡眠導入法でした。実際に試したところ、たった6週間の訓練で成功率は驚きの96%を収めたといいます。銃声が聞こえるような環境下やコーヒーを飲んだ後でも、はたまた椅子に腰掛けた状態でも効果が発揮されたそうです。

イラスト

2分で眠るための4つのステップ

それでは、具体的な方法を紹介しましょう。

1:まずはベッドに横になり、顔の筋肉をリラックスさせましょう。
(顔には43の筋肉があるそうですが、それらの筋肉の緊張をほぐすことで脳に安全に眠れる状態であることを知らせる働きがあるとか。特に意識したいのはおでこ、頬、舌、顎の4箇所。これで呼吸が深くゆったりとしてくるでしょう)

2:次にの力を抜き、上腕から前腕へと力を抜いていきましょう。
(一度、肩に力を入れてからだらんと完全に力を抜いてみましょう。首の後ろ側の緊張をほぐします。深呼吸をしてゆっくり息を吐き出しながら、すべての緊張をほぐすように。腕は利き腕側を最初に行います。上手くいかないときは、一度力を入れてからだらんとさせましょう)

3:そしての力を抜きましょう。
(まずは右足から。太ももの前側がだんだん重たくなっていくようなイメージです。そのまま右足のふくらはぎ、足首、そして足裏まで同じ様にイメージしましょう。それが終わったら、今度は左側も同じ順序で行います)

4:10秒間、頭の中を空っぽにしましょう。
(余計なことは一切考えないようにします。難しい場合には、①穏やかな湖に浮かぶカヌーの上で揺られている自分を想像する、②真っ暗な部屋で黒いベルベット製ハンモックに揺られている自分を想像する、③何も考えない、何も考えないと呪文のように繰り返す−というようにいずれかの方法を試します)

たったこれだけで深い眠りにつけるのです。あれ? この文章も最後までお読みいただく前に、もうすっかり眠りに落ちたようですね。それでは、良い夢を!

<参考文献>

  1. Lloyd Bud Winter,et al. Relax and Win: Championship Performance in Whatever You Do 1981, Oak Tree Pubns.