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寝言に答えてはいけない!?

寝言は夢への反応や日中のストレス、不安から

睡眠中に寝言を言うことは不思議なことではありませんが、その寝言に答えたり、話しかけたりしてしまうことで、“眠りから覚めなくなる”とか“早死にしてしまう”などという迷信を聞いたことがあるのではないでしょうか。

そもそも寝言は、なぜ発せられるのでしょうか。寝言が発せられる原因として、①見ている夢に反応する1)②日中の強いストレスや不安が表出する2)③眠りが浅いため、脳が活動している−の3つが挙げられます。③については、眠りが深いノンレム睡眠中でも寝言をいうことはあるようですが、レム睡眠中に発せられることの方が多いようです。

寝言に答えても問題なし

さて、寝言に対して答えたり、話しかけたりしてはいけないのか、という本題ですが、実はまったく問題はありません。もちろん、答えたり話しかけたりすることで、眠りから覚めさせてしまうこともあるので、注意は必要です。しかし、寝言に答えたり、話しかけたりしたからといって、“眠りから覚めなくなる”とか“早死にしてしまう”などという科学的根拠はありません。

とはいっても、寝言は一緒に寝ている家族やパートナーを不安にさせてしまうこともあります。安眠できるよう、湿度や温度を調整するなどして室内環境を整えたり、食生活や運動でストレスを解消したりすることが大切です。

イラスト

<参考文献>

  1. Tore Nielsen, et al. Sleep 2009; 32: 1629-1636.
  2. David Peeters, et al. Front Young Minds 2014.00009.