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入眠に適している温度

睡眠に温度は重要

深い眠りを得るために適した環境とはどんなものがあるのでしょう?睡眠の質には寝室の温度、湿度、騒音、光、寝具、寝衣などが関係すると言われています1)。特に温度は季節に応じて適切に保たれることが大切になります。先生方は快眠を得るために寝室や寝床の温度を気にしたことはありますか?人は眠るときに体の内部の温度(深部体温)が下降すると言われています。しかし、部屋が寒いと手足の血管が収縮し、皮膚からの放熱を防いで体温を保とうとします。逆に暑いと発汗による体温調節がしにくく、皮膚からの放熱がうまくできません。そのため暑くても寒くても体温が効率的に下がらないため寝付きが悪くなり、深い眠りを得ることが難しくなります2)

イラスト

睡眠に適した環境(厚生労働省e-ヘルスネット/快眠のためのテクニック)

入眠に適した寝床内の温度

安定した眠りに適した体の周り温度は裸の状態で29~34℃と言われています。この範囲を超えると中途覚醒が増えてしまい、深い睡眠を得られないことが知られています3)。実際には寝具や寝衣を用いて眠るので、13~29℃くらいの室温が良いとされ、寝床内の温度を33℃前後に保つと深い睡眠が得られるとされています4)

スムーズな入眠のためにも季節に応じて空調、寝具、寝衣などで温熱環境を整え、心地よいと感じられる温度を保つように調整してみてはいかがでしょうか。

<参考文献>

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」
    Horne J. Human slow wave sleep: a review and appraisal of recent findings, with implications for sleep functions, and psychiatric illness. Experientia 1992; 48: 941-954
  2. Haskell EH, et al. The effects of high and low ambient temperatures on human sleep stages. Electroencephalogr Clin Neurophysiol 1981; 51: 494-501
  3. 梁瀬度子. 温熱環境. 鳥居鎮夫 編. 睡眠環境学. 東京: 朝倉書店, 1999; 152-157