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赤ちゃんの睡眠

多くの時間を寝て過ごしている赤ちゃん

一般的に赤ちゃんは1日の15時間程度を寝て過ごし、大人になるにつれ睡眠時間は短くなるといわれています。
赤ちゃんの睡眠にはどのような特徴があるのでしょうか。

赤ちゃんの生体リズムと睡眠の発達

生まれたばかりの赤ちゃんは「約3時間寝ては授乳され、また3時間眠る」というサイクルを繰り返しますが、これは体内時計の働きがまだ十分にできていないために起こります。
体内時計が生み出す生体リズムは約24時間10分を1日としていると言われており、そのままだと毎日10分ずつズレてしまいます。生後3~4ヵ月経つと、朝の日光や食事時間などを手掛かりとして体内時計のズレを調整できるようになってきます1)

イラスト

実際に、乳幼児の1日の総睡眠時間は4ヵ月児で14~15時間、1歳児で11~13時間程度と報告されています1)
また、国立睡眠財団(National Sleep Foundation)では、子どもの1日の睡眠時間は生後3ヵ月までは14~17時間、生後4~11ヵ月では12~15時間を推奨しています2)
必要な睡眠時間は個人によって異なりますが、乳幼児の成長に睡眠は重要な役割を担っているのかもしれません。

また、睡眠・覚醒リズムに関連するメラトニンには、日内変動があることが報告されています3)。夜間は日中と比べて、母乳中のメラトニンの含有量が高くなっており、赤ちゃんの概日リズム形成には、母乳中のメラトニン量が関連しているのかもしれません。

  1. 睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会 内山 真 編:睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版,じほう,2019.
  2. 国立睡眠財団より
    (https://www.sleepfoundation.org/children-and-sleep/how-much-sleep-do-kids-need)
  3. 清水 正樹ほか.小児保健研究 2001; 60(2); 261.