共有する

製品基本Q&A

製品基本Q&A

エアウィン®

製品情報

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

4. 効能又は効果
肺動脈性肺高血圧症

5. 効能又は効果に関連する注意
5.1 本剤は肺血管拡張薬による治療を受けている患者に適用を考慮すること。
5.2 本剤の使用にあたっては、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、併用薬等)を十分に理解した上で、最新の治療ガイドライン等を参考に投与の要否を検討すること。[17.1.1、17.1.2参照]
5.3 肺動脈性肺高血圧症の治療に関する十分な知識及び経験を有する医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者のみに使用すること。
5.4 WHO機能分類クラスⅠ及びⅣにおける有効性及び安全性は確立していない。

<引用>
電子添文

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

ソタテルセプトはヒトアクチビン受容体IIA型(ActRIIA)の細胞外ドメインとヒトIgG1のFc領域を結合した遺伝子組換え融合タンパク質であり、アクチビンA及びその他のTGF-βスーパーファミリーリガンドと結合するアクチビンシグナル伝達阻害剤である。ソタテルセプトは増殖促進性(ActRIIA/Smad2/3)シグナルの伝達を阻害し、増殖促進性(ActRIIA/Smad2/3)及び増殖抑制性(BMPR2/Smad1/5/8)のシグナル伝達のバランスを改善することで、肺血管平滑筋細胞の増殖を抑制する。

<引用>
電子添文

ソタテルセプトは蛋白質であり、一般的な蛋白質分解過程によりアミノ酸に異化され、腎臓や肝臓の代謝酵素又はトランスポーターを介した経路では消失しないと考えられています(1)(2)。

<引用>
(1)インタビューフォーム Ⅶ. 薬物動態に関する項目 6.代謝 (1)代謝部位及び代謝経路
(2)申請資料概要 2.6.4.7 薬物動態学的薬物相互作用

使用方法

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

6. 用法及び用量
通常、成人にはソタテルセプト(遺伝子組換え)として初回に0.3mg/kgを投与し、2回目以降は0.7mg/kgに増量し、3週間ごとに皮下投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 本剤の投与開始前及び投与中はヘモグロビン値及び血小板数を測定すること。少なくとも、本剤の投与5回目まで並びにその後もヘモグロビン値及び血小板数が安定するまでの間は、各投与前にヘモグロビン値及び血小板数を測定すること。それ以降も本剤投与中は定期的にヘモグロビン値及び血小板数を測定すること。
7.2 本剤の投与中は、下記7.3を参照の上、増量、維持又は投与の延期を行うこと。用量調整の必要性がない限り、維持用量(0.7 mg/kg)を継続すること。
7.3 次のいずれかに該当する場合は、本剤の投与を3週間延期すること。
・ヘモグロビン値の増加が前回の投与時から2.0 g/dLを超え、かつ基準値上限(ULN)を上回る。
・ヘモグロビン値の増加がベースライン値から4.0 g/dLを超える。
・ヘモグロビン値がULNより2.0 g/dLを超える値に増加する。
・血小板数が50,000/mm3未満に減少する。
7.4 血小板数が50,000/mm3未満に減少後に本剤の投与を再開する場合及び前回投与からの投与間隔が9週間を超える場合、初回用量(0.3 mg/kg)から投与を再開すること。

<引用>
電子添文

実体重で計算することを推奨します。

本剤の国内外で実施された臨床試験では投与当日の実体重で適切な投与量を算出していました。

投与を予定日の±3日で調節してください。
国内外で実施された本剤の臨床試験では投与予定日のずれの許容範囲を±3日と設定していました。

なお、投与予定日に本剤を投与出来なかった場合は、可能な限り速やかに投与してください。
本剤の投与予定日から実際の投与日が3日を超えた場合は、そこから3週間の投与間隔を維持するようにスケジュールを調整してください。

<引用>
インタビューフォーム Ⅴ. 治療に関する項目 4. 用法及び用量に関連する注意

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 本剤の投与開始前の血小板数が50,000/mm3未満の患者[9.1.2参照]

<引用>
電子添文

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 赤血球増加症の患者
血栓塞栓症又は過粘稠度症候群の発現リスクが高まるおそれがある。[11.1.3参照]

9.1.2 出血傾向並びにその素因のある患者[血小板凝集抑制作用を有する薬剤若しくは抗凝固薬を投与している患者又は血小板数が低値の患者(投与開始前の血小板数が50,000/mm3未満の患者※を除く)]
出血のリスクが高まるおそれがある。[2.2、11.1.1、15.1.1参照]

※本剤の投与開始前の血小板数が50,000/mm3未満の患者は、禁忌です。

<引用>
電子添文

電子添文上、腎機能障害患者への投与に制限はありません。
また、用量調整の必要性もありません。
ソタテルセプトは細胞内での異化作用により代謝・排泄され、未変化体は腎排泄されません。
末期腎不全の被験者(PAHを有さない)では薬物動態に差は認められませんでした(1)。

<引用>
(1)インタビューフォーム Ⅶ. 薬物動態に関する項目 10. 特定の背景を有する患者 (1) 腎障害患者(外国人データ)

透析患者への投与は可能です。
また、その用法・用量は腎機能障害を持たない患者と同じです。

電子添文上、肝機能障害患者への投与に制限はなく、用量調整の必要性は設定されていません。
ソタテルセプトは細胞内での異化作用により代謝され、肝薬物代謝酵素やトランスポーターの影響を受けないと考えられることから、肝機能障害は 本剤の代謝に影響しないと考えられます。

<引用>
(1)申請資料概要 2.5.3.3.1 内因性要因

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。生殖可能な年齢の患者には、本剤投与による受胎能への潜在的リスクについて説明すること。動物実験において、雌ラットでは、ヒトの9倍以上の曝露量で妊娠率が低下し、着床前後の胚損失率の増加及び同腹児数の減少がみられた。また、21倍の曝露量では、性周期の延長がみられた。[9.5参照]

<引用>
電子添文

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。本剤を投与する場合は、胎児への潜在的リスクについて説明すること。動物実験において、妊娠ラット及びウサギにそれぞれヒトの4倍及び0.6倍以上の曝露量に相当する用量で投与したとき、胎児体重の減少、骨化遅延、並びに吸収胚数及び着床後胚損失率の増加がみられた。ラットでは、15倍の曝露量で、胎児に骨格変異(過剰肋骨数の増加及び胸椎又は腰椎数の変化)の増加が認められた。[9.4参照]

<引用>
電子添文

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

9.6 授乳婦
本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間は授乳を避けさせること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトの2倍以上の曝露量に相当する用量で授乳期間中に母ラットにソタテルセプトを投与したとき、授乳中の児において体重減少及び性成熟の遅延がみられたことから、本剤の乳汁移行が示唆されている。

<引用>
電子添文

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。幼若ラットを用いた反復投与試験において、成熟ラットと比較してソタテルセプトの毒性の増強が生後7~91日に認められたことから、本剤投与により小児における臓器発達(副腎、腎臓及び雄性生殖器)に影響が認められる可能性がある。

<引用>
電子添文

電子添文上、高齢者に関する注意及び用量調整の必要性は設定されていません。

【承認外情報に関する注意】
本Q&Aには、承認外の情報が含まれます。
本剤のご使用にあたっては、電子添文をご確認ください。

過量投与時にはヘモグロビン値増加、ヘマトクリット値増加並びに血圧上昇について慎重にモニタリングし、異常が認められた場合には投与を中止する、支持療法を行うなど適切な処置を行ってください(1)。

本剤は血液透析により除去されません(2)。
本剤の過量投与に対する特定の管理経験及び解毒剤はありません。

なお、健康成人に本剤1 mg/kg 28日おきに皮下投与※したとき高血圧を伴うヘモグロビン増加が認められ、瀉血により回復したとの報告があります(2)。

※承認された用法及び用量ではありません。
本剤の用法及び用量は、「通常、成人にはソタテルセプト(遺伝子組換え)として初回に0.3mg/kgを投与し、2回目以降は0.7mg/kgに増量し、3週間ごとに皮下投与する。」です。

<引用>
(1)申請資料概要 2.7.4.5.5 過量投与
(2)インタビューフォーム Ⅷ. 安全性(使用上の注意等)に関する項目 10. 過量投与

安全性

本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。

8. 重要な基本的注意
8.1 本剤投与によるヘモグロビン増加及び血小板減少症が認められている。本剤投与中は、定期的にヘモグロビン値及び血小板数を確認し、患者の状態をモニタリングすること。

8.2 肺血行動態の明らかな悪化が認められていないにもかかわらず、原因不明の低酸素症の発現や悪化が認められた場合には、肺内右左シャントの可能性も考慮し、コントラスト心エコー検査等による原因精査を考慮する等、適切に対応すること。[15.1.3参照]

<引用>
電子添文

電子添文上、相互作用については記載されておらず、またその性質から本剤は他剤との薬物相互作用を起こしづらいと想定されています。

なお、薬物代謝酵素及びトランスポーターに対するソタテルセプトの阻害又は誘導作用を検討するための試験は実施されていません(1)。

<引用>
(1)申請資料概要 2.6.4.7 薬物動態学的薬物相互作用

主な副作用は、頭痛、鼻出血、下痢、毛細血管拡張症、注射部位疼痛でした。

重大な副作用として出血、血小板減少症、血小板数減少、ヘモグロビン増加、赤血球増加症、ヘマトクリット増加が報告されています。

<引用>
インタビューフォーム Ⅰ. 概要に関する項目 2. 製品の治療学的特性

その他

貯法は、2~8℃です。

外箱開封後は、遮光して保存してください。
また、凍結を避けてください。

<引用>
電子添文

調製中及び投与中の遮光については、電子添文にも規定されておらず、不要です。

臨床試験時も調製時、投与中に遮光は行っていません。