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成人の侵襲性肺炎球菌感染症による疾病負担

成人の侵襲性肺炎球菌感染症による疾病負担

侵襲性肺炎球菌感染症の届出数と疾病負担に関してご紹介します。

日本における侵襲性肺炎球菌感染症の年齢層別届出数(20歳以上)

侵襲性肺炎球菌感染症の届出数は、55-59歳から増加しはじめ、70-74歳で最多でした。

日本のIPDの年齢層別届出数

*1  中耳炎、副鼻腔炎、感染性心内膜炎、胸膜炎、関節炎、錐体炎、感染性大動脈瘤 等
*2  感染巣が不明の菌血症
*3  病型不明の3例を除く

方法:「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」に基づき、各都道府県および政令指定都市から、集計時点(2022年10月19日時点)までに報告された2018~2021年の感染症発生動向調査データをもとに年齢・病型別の侵襲性肺炎球菌感染症届出数(n=9,720*3)を集計した。

IASR. 2023;44(1):1-2より改変

成人の侵襲性肺炎球菌感染症の疾病負担

成人における肺炎球菌感染症の罹患率と致命率、侵襲性肺炎球菌感染症の予後と死亡例の入院日数に関してご説明します。

成人における肺炎球菌感染症の罹患率と致命率【海外データ】
肺炎球菌感染症は侵襲性と非侵襲性があります。髄膜炎による致命率は約22%、菌血症は約20%、肺炎は5-7%と報告されています。

成人における肺炎球菌感染症の罹患率と致命率

1)Palotta A, et al. Cleve Clin J Med. 2016;83(6):427-433.より改変Reprinted with permission from Pallotta A, Rehm SJ. Navigating pneumococcal vaccination in adults. Cleve Clin J Med 2016; 83(6):427-433. doi:10.3949/ccjm.83a.15044 Copyright © 2016 Cleveland Clinic Foundation. All rights reserved.
2)CDC Pneumococcal Disease https://www.cdc.gov/pneumococcal/hcp/clinical-signs/index.html(2025年6月25日アクセス)

侵襲性肺炎球菌感染症の予後【国内データ】
侵襲性肺炎球菌感染症に罹患した成人患者のうち、22.1%が死亡し、8.7%に明らかな後遺症が確認されました。

IPDの予後

対象・方法
2010年4月~2012年10月までに国内343施設の医療機関の患者検体から分離された成人の侵襲性感染症由来株のうち、肺炎球菌について分析した。また侵襲性肺炎球菌感染症の予後についても検討した。

厚生労働科学研究費補助金新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業「 重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの構築と病因解析 , その診断・治療に関する研究」
http://strep.umin.jp/pneumococcus/case_study.html( 2025年6月25日アクセス)

侵襲性肺炎球菌感染症による死亡例の入院日数
侵襲性肺炎球菌感染症に罹患し死亡した患者のうち、ほぼ半数の25例が2日以内で死亡と急激な経過をたどりました。

IPDによる死亡例の入院日数

対象・方法:
2010年4月~2012年10月までに国内343施設の医療機関の患者検体から分離された侵襲性感染症由来株のうち、肺炎球菌が分離された成人の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)患者のうち、死亡が確認された46例の入院日数を検討した。

厚生労働科学研究費補助金新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業 「重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの構築と病因解析, その診断・治療に関する研究」
http://strep.umin.jp/pneumococcus/case_study.html( 2025年5月27日アクセス)

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