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304試験, REFLECT

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国際共同第Ⅲ相試験
(304試験, REFLECT)

(承認時評価資料)Kudo M et al. Lancet 2018; 391(10126): 1163 -1173
本試験はエーザイ株式会社の支援を受けて実施されました。

全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞癌患者において、レンバチニブ群のソラフェニブ群に対する全生存期間の非劣性が検証されました[ハザード比(95%信頼区間):0.92(0.79〜1.06)、非劣性マージン:1.08](検証的解析)。

*優越性は検証されなかった

試験概要

【目的】全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞癌患者を対象に、レンバチニブの有効性、安全性をソラフェニブと比較検討するとともに、レンバチニブの薬物動態を評価すること。
【試験デザイン】多施設共同無作為化非盲検ソラフェニブ対照並行群間比較試験
【対象】全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞癌患者954例
[レンバチニブ群478例(日本人患者81例)、ソラフェニブ群476例(日本人患者87例)]
(主な除外患者)
 • 肝細胞癌の画像所見により、肝占拠率が50%以上、又は明らかな胆管浸潤や門脈本幹への浸潤(Vp4)を有する患者
【方法】• レンバチニブ12mg(60kg以上)又は8mg(60kg未満)を1日1回、又はソラフェニブ1回400mgを1日2回経口投与した。
• 病勢進行、忍容できない毒性発現、同意撤回又は患者の治験継続拒否まで治験薬の投与を継続した。
• 腫瘍評価は、主治医判定によりmRECIST(肝外病変はRECIST 1.1)に基づいて行った。
【評価項目】主要評価項目:全生存期間(OS)
副次評価項目:主治医判定による無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、奏効率、健康関連QOL
探索的評価項目:盲検下の独立画像判定によるPFS、TTP、奏効率及び病勢コントロール率(DCR)、主治医判定によるDCR、臨床的有用率(CBR)、奏効までの期間、標的病変径和の最大変化率
※検証的解析項目
【解析計画】最大解析対象集団(FAS)を有効性の主要解析対象集団として実施し、治験実施計画書に準じた解析対象集団(PPS)を副解析集団として解析した。主要評価項目のOSにおいて、レンバチニブ群のソラフェニブ群に対するハザード比の95%信頼区間の上限が非劣性マージンとして設定した1.08を下回る場合、レンバチニブ群のソラフェニブ群に対する非劣性が検証されることとした。また、OSの非劣性が検証された場合には、優越性検定を行うとともに、副次評価項目は閉手順を用いて、PFS、TTP、奏効率、QOLの順に有意水準5%(両側)で検定した。有効性及び安全性については日本人集団、またOS、PFS、TTP及び奏効率については患者背景別のサブグループ解析を行うとともに患者背景の因子を用いてOSの共変量解析を実施することが事前に規定されていた。

患者背景

有効性

全生存期間(OS)(主要評価項目)

全体集団において、レンバチニブ群のソラフェニブ群に対する全生存期間(OS)のハザード比(95%信頼区間)は0.92(0.79~1.06)であり、95%信頼区間の上限が事前に規定した非劣性マージンの1.08を下回ったことから、レンバチニブ群はソラフェニブ群と比較してOSにおける非劣性が統計学的に検証されました(OS中央値:レンバチニブ群13.6ヵ月、ソラフェニブ群12.3ヵ月)
※検証的解析項目

*優越性は検証されなかった

日本人集団において、レンバチニブ群のソラフェニブ群に対するOSのハザード比(95%信頼区間)は0.90(0.62~1.29)でした。

OSのサブグループ解析では、ソラフェニブ群に対するレンバチニブ群のハザード比の点推定値は地域(欧州、北米)、肉眼的門脈浸襲及び/又は肝外転移(なし)、肝細胞癌の要因(アルコール性肝障害)を除き1未満でした。

全生存期間のハザード比(サブグループ解析)


患者背景で調整したOSの解析では、いずれの因子においてもハザード比の点推定値は1未満であり、主要解析の結果と一貫していました(患者背景を共変量としたCox回帰モデル)。なお、患者背景に偏りがみられたベースライン時のAFP高値で調整したOSのハザード比(95%信頼区間)は0.856 (0.736~0.995)であり、名目上有意な差が確認されました(名目p=0.0342、層別ログランク検定)。


患者背景で調整した全生存期間の解析


最大解析対象集団のうち、治験実施計画書に適合した解析対象集団(PPS)を対象とした解析では、OSのハザード比(95%信頼区間)は全体集団で0.91(0.78~1.06)、日本人集団で0.90(0.63~1.30)であり、FASを対象とした解析結果と一貫していました。

治験実施計画書に適合した解析対象集団(PPS)を対象とした全生存期間の解析

無増悪生存期間(PFS)(副次評価項目)

全体集団における無増悪生存期間(PFS)中央値は、レンバチニブ群7.4ヵ月、ソラフェニブ群3.7ヵ月であり、レンバチニブ群で有意な延長が認められました[ハザード比:0.66(95%信頼区間:0.57~0.77)、p<0.00001、層別ログランク検定]。

日本人集団におけるPFS中央値は、レンバチニブ群7.2ヵ月、ソラフェニブ群4.6ヵ月であり、レンバチニブ群で有意な延長が認められました[ハザード比:0.63(95%信頼区間:0.44~0.90)、名目p=0.01040、層別ログランク検定]。

年齢、性別、地域、肉眼的門脈侵襲及び/又は肝外転移の有無、ECOG-PS、体重、ベースライン時の血清中AFP値、肝細胞癌の要因、BCLC分類、後治療別のすべてのサブグループにおいて、ソラフェニブ群に対するレンバチニブ群のPFSのハザード比の点推定値は1未満であり、レンバチニブ群ではサブグループを通じて一貫した結果が示されました。

主治医判定による無増悪生存期間のハザード比(サブグループ解析)


無増悪期間(TTP)(副次評価項目)

全体集団における無増悪期間(TTP)中央値は、レンバチニブ群8.9ヵ月、ソラフェニブ群3.7ヵ月であり、レンバチニブ群で有意な延長が認められました[ハザード比:0.63(95%信頼区間:0.53~0.73)、p<0.00001、層別ログランク検定]。

日本人集団におけるTTP中央値は、レンバチニブ群7.2ヵ月、ソラフェニブ群4.6ヵ月であり、レンバチニブ群で有意な延長が認められました[ハザード比:0.62(95%信頼区間:0.43~0.89)、名目p=0.00871、層別ログランク検定]。

主治医判定による奏効率(副次評価項目)、病勢コントロール率、臨床的有用率、奏効までの期間(探索的評価項目)

mRECISTを用いた主治医判定による奏効率は、全体集団においてレンバチニブ群24.1%、ソラフェニブ群9.2%、日本人集団においてレンバチニブ群29.6%、ソラフェニブ群6.9%であり、いずれもソラフェニブ群に比べてレンバチニブ群で有意な改善が認められました(それぞれp<0.00001、名目p=0.00006、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。なお、レンバチニブ群では全体集団で6例、日本人集団で1例にCRが認められました。

主治医判定による病勢コントロール率(DCR)、臨床的有用率(CBR)についても、ソラフェニブ群に比べてレンバチニブ群で有意な改善が認められ(いずれもp<0.00001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)、日本人集団では、以下のとおりでした。

主治医判定による奏効率、病勢コントロール率、臨床的有用率、奏効までの期間(mRECIST)


主治医判定による標的病変径和の最大変化率(探索的評価項目)

mRECISTを用いた主治医判定において、全体集団におけるレンバチニブ群およびソラフェニブ群で標的病変の縮小効果を示した患者は、以下のとおりでした。日本人集団では、以下のとおりでした。

盲検下の独立画像判定による奏効率、病勢コントロール率(探索的評価項目)

mRECISTを用いた盲検下の独立画像判定による奏効率は、レンバチニブ群40.6%、ソラフェニブ群12.4%であり、レンバチニブ群の改善を支持する結果が認められました(オッズ比:5.01(95%信頼区間:3.59~7.01)、p<0.00001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。なお、レンバチニブ群では10例にCRが認められました。病勢コントロール率についても、レンバチニブ群の改善が認められました(p<0.00001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。

盲検下の独立画像判定による奏効率、病勢コントロール率(mRECIST)

RECIST 1.1を用いた盲検下の独立画像判定による奏効率は、レンバチニブ群18.8%、ソラフェニブ群6.5%であり、レンバチニブ群の改善を支持する結果が認められました(p<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。

盲検下の独立画像判定による奏効率、病勢コントロール率(RECIST 1.1)

安全性

副作用

切除不能な肝細胞癌患者を対象にした国際共同第Ⅲ相試験における副作用は、レンバチニブ群447例(93.9%)、ソラフェニブ群452例(95.2%)に認められ、このうちGrade3以上の副作用はレンバチニブ群271例(56.9%)、ソラフェニブ群231例(48.6%)に認められました。

主な副作用はレンバチニブ群では高血圧189例(39.7%)、下痢143例(30.0%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群126例(26.5%)、食欲減退122例(25.6%)、蛋白尿114例(23.9%)、疲労111例(23.3%)、発声障害104例(21.8%)等であり、ソラフェニブ群では手掌・足底発赤知覚不全症候群249例(52.4%)、下痢199例(41.9%)、高血圧132例(27.8%)、脱毛症115例(24.2%)、食欲減退100例(21.1%)、疲労99例(20.8%)等でした。

重篤な副作用はレンバチニブ群で84例(17.6%)、ソラフェニブ群で48例(10.1%)に認められ、主なものはレンバチニブ群で肝性脳症9例(1.9%)、食欲減退8例(1.7%)、下痢7例(1.5%)等であり、ソラフェニブ群で発熱4例(0.8%)、腹水、肝不全、肝機能異常及び手掌・足底発赤知覚不全症候群各3例(0.6%)等でした。

投与中止に至った副作用はレンバチニブ群で42例(8.8%)、ソラフェニブ群で34例(7.2%)に認められ、主なものはレンバチニブ群で疲労及び血中ビリルビン増加各4例(0.8%)等であり、ソラフェニブ群で手掌・足底発赤知覚不全症候群3例(0.6%)等でした。なお、治療関連死はレンバチニブ群で肝不全及び脳出血各3例、呼吸不全2例等の11例(2.3%)、ソラフェニブ群で腫瘍出血、虚血性脳卒中、呼吸不全、突然死各1例の4例(0.8%)に認められました。

主な副作用
(全体又は日本人集団のいずれかの群において発現率10%以上、安全性解析対象集団)

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