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肺炎球菌感染症のリスク因子

肺炎球菌感染症のリスク因子

肺炎球菌感染症に罹患するリスクの高い因子、基礎疾患別肺炎球菌性肺炎の罹患リスク、そして各年齢層別肺炎球菌性肺炎の罹患率に関してご紹介いたします。

肺炎球菌感染症に罹患するリスクの高い因子

肺炎球菌感染症に罹患するリスク因子は、以下があげられます。1-3)

肺炎球菌感染症のリスク因子

1)Kobayashi M, et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022;71(4):109-117.
2)Shea KM, et al. Open Forum Infect Dis. 2014;1(1):ofu024.
3)Imai K, et al. BMJ Open. 2018;8:e018553【. 利益相反】本研究はMSD社からの資金提供により実施され、著者には同社の社員が含まれている。

基礎疾患(リスク因子)別肺炎球菌性肺炎の罹患リスクと各年齢層別肺炎球菌性肺炎の罹患率

国内で行われたデータベース研究の結果をご紹介します。
基礎疾患がある方の肺炎球菌性肺炎の罹患リスクは、基礎疾患がない方と比べて高く、慢性肺疾患では5.2倍、慢性心疾患・慢性腎疾患では2.6倍、慢性肝疾患では2.1倍、糖尿病では1.9倍、がんでは1.7倍でした。また、各年齢層別の10万人・年あたりの罹患率は、19から49歳で24.9、50から64歳で46.8、65歳以上で150.8でした。
このように肺炎球菌性肺炎は基礎疾患があると罹患リスクが高まり、罹患率は基礎疾患有無に関わらず65歳以上で最も高かったことが報告されています。

基礎疾患(リスク因子)別肺炎球菌性肺炎の罹患リスク

基礎疾患(リスク因子)別肺炎球菌性肺炎の罹患リスク

各年齢層別肺炎球菌性肺炎の罹患率

各年齢層別肺炎球菌性肺炎の罹患率

対象: MDVデータ[日本における急性期病院(平均300床)の二次利用の許諾を得た施設データ:2009~2014年]に記録されていた19歳以上 2,967,475例
方法: 同年齢の健康成人と比較することで、基礎疾患を有する19歳以上の成人の肺炎球菌性肺炎のリスクを明らかにするためにレトロスペクティブコホート観察研究を実施した。
基礎疾患は、慢性心疾患、慢性肺疾患、糖尿病、慢性肝疾患、アルコール依存症、慢性腎疾患、がん、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)/後天性免疫不全症候群(AIDS)、機能的/解剖学的無脾症、臓器移植、脳脊髄液漏出症とし、肺炎球菌性肺炎の罹患率より、その罹患率比を、性別を調整因子とした多変量ポアソン回帰モデルで解析した。
また、19~49歳、50~64歳、65歳以上に分けて解析した。
Limitation:本研究においては、ICD-10コードを用いて基礎疾患や肺炎球菌性肺炎を同定したため、誤分類の可能性がある。本解析で、肺炎球菌ワクチン接種歴や居住環境など、疾患リスクに有意に影響する可能性のある交絡因子については考慮していない。1つのデータベースから得られた結果であり、日本人の成人集団に外挿することはできない。

Imai K, et al. BMJ Open. 2018; 8(3): e018553. より作図 【利益相反】本研究はMSD社からの資金提供により実施され、著者には同社の社員が含まれている。

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