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海外第III相試験

海外第Ⅲ相試験(003試験:STRIDE-3試験)

肺炎球菌ワクチンの接種歴がない成人を対象としたキャップバックス®とPCV20の比較試験

承認時評価資料:海外第Ⅲ相試験(003試験)

コホート1には承認外の50 ~64 歳の健康成人が含まれるが、承認時評価資料として評価されたため掲載する。
コホート2は、主に承認外の被験者で構成されるため掲載しない。

試験デザイン

無作為化、実薬対照、並行群間、多施設共同、二重盲検比較試験

肺炎球菌ワクチンの接種歴がない成人を対象としたキャップバックス®とPCV20の比較試験(STRIDE-3試験)の試験デザイン

PCV20:沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン

試験概要

臨床試験結果

安全性

有害事象を1件以上発現した被験者の割合は、キャップバックス®群(APaT集団1,177例)で685例(58.2%)、PCV20群(APaT集団1,175例)で778例(66.2%)でした。

免疫原性【主要評価項目:検証的解析結果】

  • キャップバックス®固有の11血清型( 優越性)
    固有の11血清型のうち10血清型に対して、接種後30日目OPA GMT比でPCV20群に対するキャップバックス®群の優越性が検証※1されました。血清型15Cに対して、PCV20群に対するキャップバックス®群の優越性が検証されませんでした。
  • PCV20と共通の10血清型( 非劣性)
    接種後30日目のOPA GMT比でPCV20群に対するキャップバックス®群の非劣性が検証※2されました。

※1優越性基準:OPA GMT比(キャップバックス®群/PCV20群)の両側95%CIの下限>2.0(片側p値<0.025)
※2非劣性基準:OPA GMT比(キャップバックス®群/PCV20 群)の両側95%CI の下限>0.5(片側p 値<0.025)

安全性

事前に規定した有害事象(接種後5日間)(APaT集団*1)【主要評価項目】

STRIDE-3試験の事前に規定した有害事象

*1 APaT(All Participants as Treated)集団:ワクチンを接種した全ての被験者
*2 接種後1〜5日までに疼痛、腫脹、紅斑のいずれかが1件以上発現した数
*3 接種後1〜5日までに疲労、頭痛、筋肉痛、発熱のいずれかが1件以上発現した数
*4 体温は接種後1〜5日目に測定され、38.0℃以上を発熱とみなした。

重篤な副反応【主要評価項目】

本試験期間中に、キャップバックス®群、PCV20群ともに重篤な副反応は認められませんでした。

試験期間中に認められた有害事象

有害事象を1件以上発現した被験者の割合は、キャップバックス®群(APaT集団1,177例)で685例(58.2%)、PCV20群(APaT集団1,175例)で778例(66.2%)でした。主な有害事象は、キャップバックス®群で、注射部位疼痛471例(40.0%)、疲労240例(20.4%)、頭痛162例(13.8%)、PCV20群で、注射部位疼痛608例(51.7%)、疲労235例(20.0%)、頭痛174例(14.8%)でした。重篤な有害事象はキャップバックス®群で19例(1.6%)、PCV20群で24例(2.0%)に認められました。2例以上に認められた重篤な有害事象は、キャップバックス®群で敗血症、脳血管障害各2例(0.2%)、PCV20群で心筋梗塞4例(0.3%)でした。死亡例は、キャップバックス®群で4例(敗血症、脳血管発作、心筋梗塞並びに肝硬変および肝性脳症)、PCV20群で2例(心停止および腹腔内膿瘍)認められました。重篤な有害事象および死亡はキャップバックス®群、PCV20群ともにワクチンと関連なしと判定されました。

免疫原性

キャップバックス® 固有の11血清型に対する血清型特異的OPA GMT比(優越性)【主要評価項目:検証的解析結果】

キャップバックス® 固有の11血清型のうち10血清型に対して、接種後30日目OPA GMT比で、両側95%CIの下限が2.0を超え、PCV20群に対するキャップバックス® 群の優越性が検証されました(片側p値<0.001、cLDA法)。血清型15CはOPA GMT比の両側95%CIの下限が1.77で、PCV20群に対する優越性が検証されませんでした。

キャップバックス® 固有の11血清型に対する血清型特異的OPA GMT比(優越性)

PP集団
GMT比、95%CIおよびp値は、cLDA法により算出した。
優越性基準:OPA GMT比(キャップバックス®群/PCV20群)の両側95%CIの下限>2.0(片側p値<0.025)

キャップバックス®とPCV20共通の10血清型に対する血清型特異的OPA GMT比(非劣性)【主要評価項目:検証的解析結果】

PCV20と共通の10血清型に対して、接種後30日目OPA GMT比は、全ての血清型において両側95%CIの下限が0.5を超え、PCV20群に対するキャップバックス® 群の非劣性が検証されました( いずれの血清型においても片側p値<0.001、cLDA法 )。

キャップバックス®とPCV20共通の10血清型に対する血清型特異的OPA GMT比(非劣性)

PP 集団
GMT 比、95%CI およびp 値は、cLDA 法により算出した。
非劣性基準:OPA GMT比(キャップバックス®群/PCV20 群)の両側95%CI の下限>0.5(片側p 値<0.025)

本剤における効能又は効果、効能又は効果に関連する注意(抜粋)は以下の通りです。
4. 効能又は効果
 高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌による感染症の予防
5. 効能又は効果に関連する注意
( 抜粋)
 5.3 肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人とは、以下のような状態の者を指す。
 ・ 慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患又は腎疾患
 ・ 糖尿病
 ・ 基礎疾患若しくは治療により免疫不全状態である又はその状態が疑われる者
 ・ 先天的又は後天的無脾症
 ・ 鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症
 ・ 人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御能が低下した者
 ・ 上記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた者

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