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国際共同第Ⅲ相試験(006試験)

国際共同第Ⅲ相試験(006試験:STRIDE-6試験)

1 年以上前に肺炎球菌ワクチンの接種歴がある50歳以上の成人を対象としたキャップバックス®の安全性と免疫原性を検討した試験

承認時評価資料:国際共同第Ⅲ相試験(006試験)
Scott P, et al. Clin Infect Dis . 2024: 79(6):1366-1374.
[利益相反:本研究はMSD社からの支援により実施され、著者には同社の社員および株式を保有している者が含まれている。]

各コホートに承認外の50~64歳の健康成人が含まれるが、承認時評価資料として評価されたため掲載する。

試験デザイン

コホート1、2:無作為化、実薬対照、並行群間、多施設共同、二重盲検比較試験
コホート3:多施設共同、非盲検単群試験

1 年以上前に肺炎球菌ワクチンの接種歴がある50歳以上の成人を対象としたキャップバックス®の安全性と免疫原性を検討した試験(STRIDE-6試験)の試験デザイン

PPSV23:23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン
PCV13:沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン
PCV15:沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン
PCV20:沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン

試験概要

4. 効能又は効果
 高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌による感染症の予防
5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
5.3 肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人とは、以下のような状態の者を指す。
 ・ 慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患又は腎疾患
 ・ 糖尿病
 ・ 基礎疾患若しくは治療により免疫不全状態である又はその状態が疑われる者
 ・ 先天的又は後天的無脾症
 ・ 鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症
 ・ 人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御能が低下した者
 ・ 上記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた者

臨床試験結果

安全性

有害事象を1件以上発現した被験者の割合は、キャップバックス®群(APaT集団509例)で265例(52.1%)、PCV15群(APaT集団117例)で75例(64.1%)、PPSV23群(APaT集団85例)で56例(65.9%)でした。

APaT(All participants as treated)集団:無作為化され、ワクチンを接種した全ての被験者

免疫原性

コホート1

  • PPSV23接種歴あり(キャップバックス®群 vs.PCV15群)
    キャップバックス®群は、PCV15と共通の6血清型に対して、PCV15群と同程度の免疫応答※1を、キャップバックス®固有の15血清型に対して、PCV15群より高い免疫応答を誘導しました※2

コホート2

  • PCV13接種歴あり(キャップバックス®群 vs.PPSV23群)
    キャップバックス®群は、PPSV23と共通の12血清型に対して、PPSV23群と同程度の免疫応答※1を、キャップバックス®固有の9血清型に対して、PPSV23群より高い免疫応答を誘導しました※2

コホート3

  • その他接種歴あり※3(キャップバックス®群)
    キャップバックス®群は含有する全ての血清型において免疫応答※1を誘導しました。

※1 免疫応答:ワクチン接種後 30 日目の血清型特異的 OPA GMT
※2 探索的解析結果
※3 PCV13+PPSV23、PCV15+PPSV23、PCV15、PCV20またはPPSV23+PCV13の接種歴

安全性

事前に規定した有害事象(接種後5日間)(APaT集団*1)【主要評価項目】

STRIDE-6の事前に規定した有害事象

*1 APaT(All Participants as Treated)集団:ワクチンを接種した全ての被験者
*2 接種後1~5日までに疼痛、腫脹、紅斑のいずれかが1件以上発現した数
*3 接種後1~5日までに疲労、頭痛、筋肉痛、発熱のいずれかが1件以上発現した数
*4 体温は接種後1~5日目に測定され、38.0℃以上を発熱とみなした。

重篤な副反応【主要評価項目】

重篤な副反応は、コホート1のキャップバックス®群の1例(注射部位蜂巣炎)がワクチン接種後6日目に発現しましたが、回復が認められました。コホート2およびコホート3では重篤な副反応は認められませんでした。

試験期間中に認められた有害事象

有害事象を1件以上発現した被験者の割合は、キャップバックス®群(APaT集団509例)で265例(52.1%)、PCV15群(APaT 集団117 例)で75 例(64.1%)、PPSV23 群(APaT 集団85 例)で56 例(65.9%)であった。各コホートの主な有害事象は下記の通りでした。

コホート1:キャップバックス®群では、注射部位疼痛82例(35.7%)、疲労33例(14.3%)、注射部位腫脹20例(8.7%)、PCV15 群では、注射部位疼痛51例(43. 6%)、疲労20 例(17. 1%)、頭痛11例(9. 4%)でした。
コホート2:キャップバックス®群では、注射部位疼痛72例(41.4%)、疲労33例(19.0%)、頭痛18例(10.3%)、PPSV23群では、注射部位疼痛40例(47.1%)、注射部位腫脹14例(16.5%)、疲労12例(14.1%)でした。
コホート3:キャップバックス®群では、注射部位疼痛46例(43.8%)、疲労23例(21.9%)、注射部位腫脹11例(10.5%)で

重篤な有害事象はキャップバックス®群で6例(1.2%)に認められ、うっ血性心不全、注射部位蜂巣炎、肛門裂傷、慢性閉塞性肺疾患、胆石症、尿路感染症、各1件でした。PCV15群では4例(3.4%)に認められ、心不全、心筋虚血、大動脈腸管瘻、マロリーワイス症候群、小腸穿孔、肺炎、低血圧、各1件でした。 PPSV23群では3例(3.5%)に認められ、胆管炎、虚血性脳卒中、慢性閉塞性肺疾患、各1件でした。死亡はキャップバックス®群、PCV15群、PPSV23群の全ての群で認められませんでした。

免疫原性

キャップバックス®が含有する全血清型に対する血清型特異的OPA GMT【主要評価項目】

コホート1: PPSV23接種歴あり(キャップバックス® 群 vs.PCV15群)
コホート1: キャップバックス®群は、PCV15と共通の6血清型に対して接種後30日目OPA GMTで、PCV15群と同程度の免疫応答*を、キャップバックス®固有の15血清型に対して、PCV15群より高い免疫応答を誘導しました**。

PCV15と共通する6血清型

キャップバックス®が含有する全血清型に対する血清型特異的OPA GMT_PCV15と共通する6血清型

* 免疫応答:ワクチン接種後30日目の血清型特異的OPA GMT **探索的解析結果
PP 集団
連続量の評価項目の点推定値は自然対数変換した平均値を逆変換することにより算出し、接種群ごとのCI は自然対数変換した平均値のt 分布に基づくCIを逆変換し算出した。

キャップバックス®固有の15固有血清型

キャップバックス®が含有する全血清型に対する血清型特異的OPA GMT_キャップバックス®固有の15固有血清型

* 免疫応答:ワクチン接種後30日目の血清型特異的OPA GMT **探索的解析結果
PP 集団
連続量の評価項目の点推定値は自然対数変換した平均値を逆変換することにより算出し、接種群ごとのCI は自然対数変換した平均値のt 分布に基づくCIを逆変換し算出した。

コホート2: PCV13接種歴あり(キャップバックス® 群 vs.PPSV23群)
キャップバックス®群は、PPSV23と共通の12血清型に対して接種後30日目OPA GMTで、PPSV23群と同程度の免疫応答*を、キャップバックス®固有の9血清型に対して、PPSV23群より高い免疫応答を誘導しました**。

PPSV23と共通する12血清型

キャップバックス®が含有する全血清型に対する血清型特異的OPA GMT_PPSV23と共通する12血清型

* 免疫応答:ワクチン接種後30日目の血清型特異的OPA GMT **探索的解析結果
PP 集団
連続量の評価項目の点推定値は自然対数変換した平均値を逆変換することにより算出し、接種群ごとのCI は自然対数変換した平均値のt 分布に基づくCIを逆変換し算出した。

キャップバックス®固有の9固有血清型

キャップバックス®が含有する全血清型に対する血清型特異的OPA GMT_キャップバックス®固有の9固有血清型

*免疫応答:ワクチン接種後30 日目の血清型特異的OPA GMT **探索的解析結果
PP 集団
連続量の評価項目の点推定値は自然対数変換した平均値を逆変換することにより算出し、接種群ごとのCI は自然対数変換した平均値のt 分布に基づくCIを逆変換し算出した。

コホート3: その他接種歴あり(キャップバックス®群)
キャップバックス®群は含有する全ての血清型において、接種後30日目OPA GMTで、免疫応答*を誘導しました。

キャップバックス®が含有する全血清型に対する血清型特異的OPA GMT_その他接種歴あり(キャップバックス®群)

* 免疫応答:ワクチン接種後30 日目の血清型特異的OPA GMT
PP集団
連続量の評価項目の点推定値は自然対数変換した平均値を逆変換することにより算出し、CIは自然対数変換した平均値のt分布に基づくCIを逆変換し算出した。

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