効能・効果、用法・用量
効能・効果、用法・用量
4. 効能又は効果
- 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症
- カンジダ属又はアスペルギルス属による下記の真菌感染症
- 食道カンジダ症
- 侵襲性カンジダ症
- アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性壊死性肺アスペルギルス症、肺アスペルギローマ)
5. 効能又は効果に関連する注意
〈真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症〉
5.1 本剤は以下の3条件を満たす症例に投与すること。
・1回の検温で38℃以上の発熱、又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱
・好中球数が500/mm3未満の場合、又は1,000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合
・適切な抗菌薬投与を行っても解熱せず、抗真菌薬の投与が必要と考えられる場合
5.2 発熱性好中球減少症の患者への投与は、発熱性好中球減少症の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。
5.3 発熱性好中球減少症に投与する場合には、投与前に適切な培養検査等を行い、起炎菌を明らかにする努力を行うこと。起炎菌が判明した際には、本剤投与継続の必要性を検討すること。
〈侵襲性カンジダ症〉
5.4 カンジダ血症、腹腔内膿瘍、腹膜炎、胸腔内感染以外における検討は行われていない。[17.1.1、17.1.2 参照]
〈侵襲性アスペルギルス症〉
5.5 他の治療が無効あるいは忍容性に問題がある患者に本剤の使用を考慮すること。
6. 用法及び用量
〈成人〉
真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症
通常、カスポファンギンとして投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。
カンジダ属又はアスペルギルス属による下記の真菌感染症
- 食道カンジダ症
通常、カスポファンギンとして50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。 - 侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症
通常、カスポファンギンとして投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。
〈小児〉
真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症、カンジダ属又はアスペルギルス属による食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症
通常、カスポファンギンとして投与初日に70mg/m2(体表面積)を、投与2日目以降は50mg/m2(体表面積)を1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。なお、1日1回50mg/m2(体表面積)の投与で効果不十分の場合には、1日1回70mg/m2(体表面積)まで増量することができる。いずれの場合も1日用量として70mgを超えないこと。
7. 用法及び用量に関連する注意
〈成人〉
7.1 中等度の肝機能障害を伴う患者に対しては、下表を目安に本剤の用量調節をすること。[16.6.1 参照]

軽度の肝機能障害(Child-Pughスコア5~6)を伴う患者に対しては通常の用量を投与する。
重度の肝機能障害(Child-Pughスコア10以上)を伴う患者に対しては本剤の投与経験がない。
7.2 エファビレンツ、ネビラピン、リファンピシン、デキサメタゾン、フェニトイン、カルバマゼピンと本剤を併用する場合、本剤70mgの1日1回投与を検討すること。[10.2、16.7.3、16.7.4 参照]
〈小児〉
7.3 3ヵ月未満の患者では血中濃度が高くなる可能性があるので、3ヵ月未満の患者に投与する際は減量を考慮すること。[16.1.2 参照]
7.4 小児の肝機能障害患者に対する検討は行われていない。
7.5 エファビレンツ、ネビラピン、リファンピシン、デキサメタゾン、フェニトイン、カルバマゼピンと本剤を併用する場合、本剤70mg/m2(体表面積)の1日1回投与を検討すること。なお、1日用量として70mgを超えないこと。[10.2、16.7.3、16.7.4 参照]