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海外後期第Ⅱ相試験(001試験、海外データ)

本剤は希少疾病用医薬品に指定され、海外臨床試験成績並びに国内臨床試験成績が評価され承認されました。そのため、一部承認外の効能又は効果が含まれるデータですが紹介します。

海外後期第Ⅱ相試験(001試験、海外データ)

Olsen EA et al. J Clin Oncol 2007; 25: 3109-3115
本試験はMSD社のサポートを受けて実施された。また、著者にMSD社の社員が含まれる。
承認時評価資料:海外第Ⅱ相試験(001試験):臨床成績

試験方法

【目的】

再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)患者に対するゾリンザ®の有効性及び安全性の評価

【試験デザイン】

非盲検、多施設共同、単一投与群試験

【対象】

組織学的にCTCLと診断され、かつ2種類以上の全身療法の施行中又は施行後に再発又は難治性を示した成人患者(Stage ⅠB以上)。ただし、禁忌でない限り、全身療法のひとつにはベキサロテン(レチノイド剤:国内未承認)を含む。

【評価症例数】

74例

【投与方法】

28日間を1サイクルとしてゾリンザ®400mgを1日1回食後反復経口投与し、原疾患の進行(PD)又は忍容できない毒性の発現等の中止基準に該当しない限り継続した。

【評価項目】

有効性
主要評価項目;皮膚病変全体の客観的奏効率
副次的評価項目;奏効までの期間、奏効期間、無増悪期間及びそう痒症の緩和

安全性

【解析計画】

有効性
主要解析は、1回以上治験薬を投与されたStage ⅡB以上のCTCL患者のうち、mSWATを用いた皮膚病変全体の評価において臨床的完全奏効(CCR)あるいは部分奏効(PR)が認められた患者の割合とした。CCRは、臨床的に疾患のエビデンスなし(100%改善)と定義した。PRは、ベースラインと比較してSWAT皮膚評価スコアが50%以上減少し、4週間以上持続した場合と定義した。
前治療として2種類以上の全身療法を実施した患者において予測される自然寛解率は最高でも5%未満であるとし、ゾリンザ®投与により、皮膚病変全体に対する奏効率が20.0%、その95%信頼区間の下側信頼限界が5%を超えた場合に、ゾリンザ®はCTCLに対して効果があると考えた。また、Stage ⅠB以上(全症例)、セザリー症候群、皮膚腫瘤ありの患者を対象にサブグループ解析を実施した。
Stage ⅡB以上の患者を対象に奏効までの期間、奏効期間、無増悪期間はKaplan-Meier法により推定した。また、Stage ⅠB以上の患者(全症例)を対象にサブグループ解析を実施した。
そう痒症の緩和は、患者質問表を用いて皮膚そう痒感の程度(そう痒症スコア)**の評価を行った。

安全性
治験薬を投与されたすべての患者を安全性評価対象とした。

【判定基準】

有効性
客観的奏効率;mSWATを用いて全般的皮膚病変の評価を行う。「奏効」はCCR及びPRとした。
そう痒症の緩和;患者質問表を用いて皮膚そう痒感の程度(そう痒症スコア)**の評価を行う。臨床的に意味のある「そう痒症の緩和」はそう痒症スコアの3点以上の減少が、抗そう痒薬の増量を必要とせずに少なくとも4週間持続すること、「そう痒症の完全緩和」は痒みなしが少なくとも4週間持続することとした。

安全性
NCI-CTC(National Cancer Institute Common Terminology Criteria)ver.3.0に従う。
* 試験時:国内未承認。2016年1月:国内承認済。
** そう痒症スコア:患者自身が来院前1週間の皮膚そう痒症を0~10点のスケール(0点:痒みなし、10点:最悪の痒み)を用いて評価した。

4. 効能又は効果
皮膚T細胞性リンパ腫

患者背景

患者背景

治療成績

【客観的奏効率(主要評価項目及びそのサブグループ解析)】

主要評価項目であるStage ⅡB以上の症例におけるゾリンザ®の客観的奏効率は29.5%(18例/61例)でした。また、事前に設定したStage ⅠB以上(全症例)、セザリー症候群の症例あるいは腫瘤を有する症例のサブグループ解析の結果は下表のとおりでした(皮膚病変全体に対する奏効率が20.0%、その95%信頼区間の下側信頼限界が5%を超えた場合に、ゾリンザ®はCTCLに対して効果があると解析計画で設定しました)。

客観的奏効率(主要評価項目及びそのサブグループ解析)

【奏効までの期間、奏効期間、無増悪期間(副次的評価項目及びそのサブグループ解析)】

Stage ⅡB以上の症例における奏効までの期間中央値は56日、奏効期間中央値は未到達(推定:6ヵ月以上)、無増悪期間中央値は未到達(推定:169日)でした。

奏効までの期間、奏効期間、無増悪期間(副次的評価項目及びそのサブグループ解析)
奏効が得られた症例における奏効期間、無増悪期間

【そう痒症の緩和(副次的評価項目)】

ベースラインのそう痒症スコアが1点以上であった72例中23例(31.9%)でそう痒症の緩和が得られ、うち8例(11.1%)はそう痒症の完全緩和が得られました。

そう痒症の緩和(副次的評価項目)

安全性

評価症例74例のうち、臨床症状の副作用は68例(91.9%)に、臨床検査異常は74例(100%)に認められました。評価症例74例の全Gradeで10%以上の発現率だった副作用は下痢が36例(48.6%)、疲労が34例(45.9%)、悪心が32例(43.2%)、食欲不振が19例(25.7%)、味覚異常が18例(24.3%)、血小板減少症が16例(21.6%)、体重減少が15例(20.3%)、脱毛症が13例(17.6%)、筋攣縮が12例(16.2%)、血中クレアチニン上昇が11例(14.9%)、貧血、悪寒及び嘔吐が各9例(12.2%)、便秘及び口渇が各8例(10.8%)でした。重篤な有害事象は血栓塞栓症が4例(5.4%)、貧血、血中クレアチニン上昇、脱水、胃腸出血、虚血性脳卒中、レンサ球菌性菌血症、失神及び血小板減少が各1例(1.4%)でした。投与中止に至った有害事象は剥脱性皮膚炎、深部静脈血栓症、胸痛、死亡、血管神経性浮腫、肺塞栓症、脊髄損傷、虚血性脳卒中、無力症及び無気力が各1例(1.4%)でした。また、治療関連死は脳卒中及び原因不明の2例(2.7%)に認められました。

発現率が10%以上の副作用一覧

4. 効能又は効果
皮膚T細胞性リンパ腫
9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。