薬物動態:薬物相互作用

薬物動態:薬物相互作用

薬物相互作用1)

In vitro試験の結果からカスポファンギンは、肝取り込みトランスポーター(OATP1B1)の低親和性の基質であることが明らかとなった。また、チトクロームP450(CYP)系薬物代謝酵素の阻害剤ではないことが示された。臨床試験では、カスポファンギンは他の薬剤のCYP3A4代謝を誘導しなかった。カスポファンギンはP-gpの基質ではなく、またCYPによりほとんど代謝されなかった。

シクロスポリンとの併用(外国人データ)2)

健康成人にカンサイダス®70mgを1日1回反復静脈内投与時にシクロスポリン4mg/kgを単回又は3mg/kgを12時間間隔で2回経口投与した時、カンサイダス®の幾何平均比はAUC0-24hrがそれぞれ1.34、1.35で、AUCは約35%増加した。一方、カンサイダス®はシクロスポリンの薬物動態に影響を及ぼさなかった。

■ カンサイダス®反復静脈内投与10日目にシクロスポリンを併用した時のカンサイダス®の薬物動態パラメータ(外国人データ)

カンサイダス®反復静脈内投与10日目にシクロスポリンを併用した時のカンサイダス®の薬物動態パラメータ(外国人データ)

†被験者数
‡幾何平均比=(カンサイダス®+シクロスポリン)/(カンサイダス®単独投与)
§ シクロスポリン実薬併用群(4例)及びシクロスポリンプラセボ併用群(5例)の各群から得られたカンサイダス®単独投与及びシクロスポリン併用投与時のデータに基づく混合効果モデルによる分散分析(mixed-effects ANOVA)の結果

タクロリムスとの併用(外国人データ)3)

健康成人にカンサイダス®70mgを1日1回反復静脈内投与時にタクロリムス0.1mg/kgを12時間間隔で2回経口投与した時、タクロリムスの投与後12時間の幾何平均比は、AUC0-12hrが0.80、Cmaxが0.84で、血中濃度は26%減少した。 一方、タクロリムスはカンサイダス®の薬物動態に影響を及ぼさなかった。

■ カンサイダス®反復静脈内投与10日目にタクロリムスを併用した時のタクロリムスの薬物動態パラメータ(外国人データ)

カンサイダス®反復静脈内投与10日目にタクロリムスを併用した時のタクロリムスの薬物動態パラメータ(外国人データ)

†被験者数
‡幾何平均比=(カンサイダス®+タクロリムス)/(タクロリムス単独投与)

リファンピシンとの併用(外国人データ)4)

健康成人にリファンピシンの前投与なしでカンサイダス®50mg(静脈内投与)及びリファンピシン600mg(経口投与)を1日1回14日間反復併用投与した時、第1日にカンサイダス®の幾何平均比はAUC0-24hrが1.61で、AUCは約60%増加した。また、リファンピシンを前投与してあらかじめ定常状態とした上で両剤を併用した際は、カンサイダス®の幾何平均比は、C24hrが第1日及び第14日にそれぞれ0.71及び0.69で、C24hrは約30%減少したものの、AUC及びC1hrはいずれもほとんど変化しなかった。一方、カンサイダス®はリファンピシンの薬物動態に影響を及ぼさなかった。

■ カンサイダス®50mgとリファンピシン600mgを1日1回14日間反復投与した時のカンサイダス®の薬物動態パラメータ(外国人データ)

カンサイダス®50mgとリファンピシン600mgを1日1回14日間反復投与した時のカンサイダス

†被験者数
‡幾何平均比=(カンサイダス®+リファンピシン)/(カンサイダス®単独投与)
§ 1例の被験者からC1hrの検体を採取できなかったため、欠測とした。

薬物クリアランスの誘導作用を有する薬剤との併用(外国人データ)5)、6)

母集団薬物動態解析の結果から、成人患者では薬物クリアランスの誘導作用を有する薬剤(エファビレンツ、ネビラピン、デキサメタゾン、フェニトイン及びカルバマゼピン)とカンサイダス®との併用により、カンサイダス®の血中濃度は臨床的に有意に低下する可能性が示唆された。また、小児患者でも薬物クリアランスの誘導作用を有する薬剤(デキサメタゾン)との併用により、成人患者と同様、カスポファンギンの血中濃度は臨床的に有意に低下する可能性が示唆された。

その他の薬剤との併用(外国人データ)7)〜10)

健康成人でイトラコナゾール、アムホテリシンB、ミコフェノール酸モフェチル又はネルフィナビルとカンサイダス®を併用した際、カンサイダス®の薬物動態はこれらの薬剤の影響を受けなかった。また、カンサイダス®はイトラコナゾール、アムホテリシンB及びミコフェノール酸(ミコフェノール酸モフェチルの活性代謝物)の活性代謝物の薬物動態に影響しなかった。

6. 用法及び用量

〈成人〉

真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症

通常、カスポファンギンとして投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。

カンジダ属又はアスペルギルス属による下記の真菌感染症

食道カンジダ症
通常、カスポファンギンとして50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。

侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症
通常、カスポファンギンとして投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。

 

10. 相互作用 −抜粋−

10.2 併用注意(併用に注意すること)
シクロスポリン、タクロリムス、リファンピシン、エファビレンツ、ネビラピン、フェニトイン、デキサメタゾン、カルバマゼピン

1)社内資料(in vitro薬物相互作用試験)
2)社内資料(シクロスポリンとの相互作用試験:013試験及び017試験)
3)社内資料(タクロリムスとの相互作用試験:017試験)
4)Stone JA, et al., Antimicrob Agents Chemother, 2004;48:4306-4314.
(利益相反:Stone、Migoya、Hickey、Winchell、Deutsch、Ghosh、Freeman、Bi、DesaiはMSD社研究所員。)
5)Li CC, et al., Antimicrob Agents Chemother, 2011;55:2098-2105.
(利益相反:Li、Sun、Dong、Bi、Desai、Dockendorf、Kartsonis、Ngai、Bradshaw、StoneはMSD社研究所員。)
6)社内資料(エファビレンツ、ネビラピン、フェニトイン、デキサメタゾン、カルバマゼピンとの相互作用試験)
7)社内資料(イトラコナゾールとの相互作用試験:021試験)
8)社内資料(アムホテリシンBとの相互作用試験:016試験)
9)社内資料(ミコフェノール酸モフェチルとの相互作用試験:023試験)
10)社内資料(ネルフィナビルとの相互作用試験:032試験)

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