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製品基本Q&A

製品基本Q&A

ベルソムラ®(スボレキサント)


製品情報

本剤の電子添文には、以下の通り記載されています。
4. 効能又は効果
不眠症

5. 効能又は効果に関連する注意
二次性不眠症に対する本剤の有効性及び安全性は確立されていない。

<引用>
電子添文

スボレキサントはオレキシン受容体に選択性が高い可逆的な拮抗薬です。
スボレキサントは、覚醒を促進する神経ペプチドであるオレキシンA及びBの受容体(OX1及びOX2受容体)への結合を可逆的に阻害することにより、脳を覚醒状態から睡眠状態へ移行させ、睡眠を誘発すると考えられています。

<引用>
電子添文 18. 薬効薬理 18.1 作用機序

錠剤の強度を増す(欠けなどを防ぐ)ためです。
ベルソムラ®の原薬に味はありません。

無包装における製剤の光安定性試験において、性状、定量(成分量)、錠剤の厚みを検討した結果、溶出速度の増加、崩壊時間の短縮、硬度の低下及び退色(10mg)が観察されました。

<引用>
インタビューフォーム Ⅳ. 製剤に関する項目

抗コリン作用を検討した薬理試験および臨床試験データはありません。
また、ベルソムラ®はアセチルコリン受容体に対して親和性を示しませんでした(1)。

<引用>
(1)電子添文 18. 薬効薬理 18.1 作用機序

無味です。ただし、味覚には個人差があります。

吸収部位を同定する試験はしていませんが、一般的な薬剤と同様ほとんどは腸から吸収されると考えられます。 ただし、胃からの吸収がわずかにある可能性はあります。

他の睡眠薬と効果の違いを直接比較検討した報告がなく、効果の強弱は不明です。

作用発現時間には個人差があり一概には言えません。

なお、第Ⅲ相試験にて、投与1日目から客観的評価(PSG)による入眠効果・睡眠維持効果が確認されています。

使用方法

本剤の電子添文には、以下の通り記載されています。

6. 用法及び用量
通常、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 本剤は就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中で一時的に起床して仕事等で活動する可能性があるときは服用させないこと。[17.1.1、17.3.1参照]
7.2 入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、本剤の食事と同時又は食直後の服用は避けること。食後投与では、空腹時投与に比べ、投与直後のスボレキサントの血漿中濃度が低下することがある。[16.2.1参照]
7.3 他の不眠症治療薬と併用したときの有効性及び安全性は確立されていない。
7.4 CYP3Aを中等度に阻害する薬剤(ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾール等)との併用により、スボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠、疲労、入眠時麻痺、睡眠時随伴症、夢遊症等の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤を併用する場合は1日1回10mgへの減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。[10.2、16.7.2参照]

<引用>
電子添文

本剤の電子添文には、以下の通り記載されています。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。高齢者での薬物動態試験において、非高齢者と比較して血漿中濃度が高くなる傾向が認められている。[16.6.1参照]

16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 年齢
健康成人に、本剤40mgを1日1回14日間反復投与したとき、定常状態でのスボレキサントのAUC0-24hr、Cmax及びt1/2の平均値は、それぞれ、10.64μM・hr、1.080μM及び9.4時間であった。健康高齢者に、本剤40mgを1日1回7日間反復投与したとき、定常状態でのスボレキサントのAUC0-24hr、Cmax及びt1/2の平均値は、それぞれ、17.88μM・hr、1.336μM及び18.4時間であり、健康成人と比べてAUC0-24hr及びCmaxは高値を示し、t1/2の延長がみられた。高齢者不眠症患者及び非高齢不眠症患者に、本剤15mg及び20mgをそれぞれ1日1回反復投与した際の定常状態でのスボレキサントの投与後9時間の血漿中濃度(C9hr)は、それぞれ0.362μM及び0.321μMで同程度であった(外国人データ)。[9.8参照]

なお、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与してください。

<引用>
電子添文

本剤の電子添文には、以下の通り記載されています。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)では、交配前、交配期間中及び妊娠初期に臨床曝露量の70倍を投与した場合、黄体数、着床数及び生存胎児数の減少が、妊娠期に臨床曝露量の86倍を投与した場合、胎児体重の減少が認められた。また、妊娠から授乳期に臨床曝露量の49倍を投与した場合、出生児に一過性の体重低値が認められた。

9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)でスボレキサントが乳汁中へ移行することが報告されている。

<引用>
電子添文

【適応外】
この情報は承認されている使用法ではありません。
本剤のご使用にあたっては製品電子添文をご覧いただきますようお願いします。

小児は、適応外です。

本剤の電子添文には、以下の通り記載されています。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

<引用>
電子添文

本剤の電子添文には、以下の通り記載されています。

13. 過量投与
13.1 徴候、症状
本剤の過量投与に関する情報は少ない。外国人健康成人に本剤120~240mgを朝投与した臨床試験で、用量依存的に傾眠の発現率及び持続時間が増加し、脈拍数が一過性に低下する傾向がみられた。外国人健康成人に本剤240mgを朝投与した臨床試験では、胸痛及び呼吸抑制が報告された。

13.2 処置
血液透析は本剤の除去に有用かどうかは不明である。スボレキサントは蛋白質結合能が高いため、血液透析では除去されないと考えられる。多剤服用の可能性を考慮する。

<引用>
電子添文

【適応外】
この情報は承認されている使用法ではありません。
本剤のご使用にあたっては製品電子添文をご覧いただきますようお願いします。

承認された用途とは異なるため、中等度のCYP3A 阻害剤との併用以外の使用は推奨できません。

保険審査については、各都道府県の基金・国保支部の審査員の先生が、患者さんの個別の病態に応じてご判断されます。レセプトへのコメント記載が必須かどうかなど、詳細は当社では正確にはわかりかねます。正確な情報が必要な場合は、医療機関様から直接、各都道府県の基金・国保支部にお問い合わせをお願いします。

現時点では他の睡眠薬との併用を検討したデータはなく、併用時の有効性及び安全性は確立されていません。

他の睡眠薬との併用により、作用が増強される恐れがありますので、傾眠などの副作用の発現にご注意ください。

他の睡眠薬との併用については、治療上の有益性と危険性を考慮し、必要性をご勘案の上、主治医の先生よりご判断いただきますようお願いいたします。

電子添文
7. 用法及び用量に関連する注意
7.3 他の不眠症治療薬と併用したときの有効性及び安全性は確立されていない。

<引用>
電子添文

頓服での有効性・安全性を検討した報告はありません。

中等度のCYP3A阻害剤との併用時において、10mgへの減量は必須ではありません。患者さんの個別の病態に応じたご判断をお願いします。

ベルソムラ®通常用量(15mg/20mg)を中等度のCYP3A阻害剤と併用すると、ベルソムラ®の血中濃度が上昇するおそれがあるため、注意して投与する必要があります。そのため、併用時にはベルソムラ®10mgへの減量を考慮するとともに、患者さんの状態を慎重に観察することとされています。

【適応外】
高齢者への20mgの投与は適応外の用量です。
本剤のご使用にあたっては製品電子添文をご覧いただきますようお願いします。

高齢者に20mgを投与し、有効性・安全性を検討したデータはありません。
用法及び用量どおり、高齢者には15mgを投与していただきますようお願いします。

弱いCYP3A阻害剤とベルソムラ®を併用した場合、減量を考慮する必要性はないと考えられます。

禁忌には該当しません。
ただし、該当患者を対象として、有効性・安全性を検討しておりません。

食事と同時又は食直後の服用は避けてください。

一般的に食後2時間で胃での消化及び吸収はほぼ終了し、薬剤の吸収に及ぼす食事の影響もほぼなくなり空腹時と同じ状態と考えられます。よって、一つの目安として、食後2時間以内の服用は避けてください。

薬物動態試験より、成人(通常用量:ベルソムラ®20mg)において、ベルソムラ®10㎎と中等度のCYP3A阻害剤との併用は、20㎎単独のAUCに相当すると考えられたためです(1)。
また高齢者(通常用量:ベルソムラ®15mg)において、ベルソムラ®10㎎と中等度のCYP3A阻害剤との併用は、15mg単独投与時のAUCに比べてやや高くなりますが、個人差による分布範囲内に収まることが予測されたためです(1)。

従って、成人でも高齢者でも、中等度のCYP3A阻害剤との併用時には、ベルソムラ®10mgが通常用量に相当すると判断されました。

<引用>
(1)インタビューフォーム Ⅶ.薬物動態に関する項目 1.血中濃度の推移

投与中の睡眠薬を中止して切り替えた場合、切替え前の薬剤による反跳性不眠(*1)や退薬症候(*2)が現れることがありますので、注意が必要です。

治療上、他の睡眠薬からベルソムラ®への切替えが必要とお考えの際には、前薬と入眠感(眠りにつくときの感覚)が異なる可能性があることや、反跳性不眠等によって一時的に不眠症状が悪化する可能性があることを事前に患者さんにご理解いただくことが重要であると考えられます。

(*1)反跳性不眠: 睡眠薬を急に減量したり、中断した場合に生じる、睡眠薬を服用する前よりも更に強い不眠(1)
(*2)退薬症候:睡眠薬を急に減量したり、中断した場合に生じる、不安・焦燥、振戦、発汗、まれにせん妄、けいれんなどの症状(1)

<引用>
(1)内山 真 編. 睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版. 発行:じほう, 2019:104-138.

【適応外】
成人(非高齢者)への15mgの投与は適応外の用量です。
本剤のご使用にあたっては製品電子添文をご覧いただきますようお願いします。

成人(非高齢者)に15mgを投与し、有効性・安全性を検討したデータはありません。
用法及び用量どおり、成人には20mgを投与していただきますようお願いします。

血中濃度(ベルソムラ®服用後9時間)を検討したところ、高齢者15mgと成人20mgでほぼ同じ血中濃度が得られたことから、異なる用量が設定されました。

就寝直前の服用をお願いします。

【適応外】
この情報は承認されている使用法ではありません。
本剤のご使用にあたっては製品電子添文をご覧いただきますようお願いします。

噛み砕いて服用することはおすすめできません。
また、噛み砕いて服用した際の薬物動態、有効性、安全性等は検討しておりません。

ベルソムラ®の効果判定の時期について、明確な指針はありません。

ベルソムラ®の服用期間の明確な指標はありませんが、一般に、睡眠薬は不眠症が寛解(*1)すれば減薬・休薬が可能であると考えられます。

(*1)夜間の不眠症状と日中のQOL障害の両者が治療により十分に改善している状態。

電子添文
8. 重要な基本的注意
8.2 症状が改善した場合は、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。

1日の承認用量を超えてしまうため、おすすめできません。
また服用時間等によっては、翌日に持ち越し効果が現れる可能性も考えられます。

本剤を分包または他剤と一包化した際の安定性について検討していませんので、おすすめしていません。

有効成分であるスボレキサントは水に溶けにくいため、製剤に工夫がされています。そのためベルソムラ®は、無包装状態での安定性試験において、光、湿度の影響を受けやすいことが確認されており、両面アルミ包装としています。

PTPのままお渡しいただき、服用直前にPTPから取り出していただきますようお願いします。

【適応外】
本剤を粉砕して投与することは、承認外の用法となります。

粉砕してヒトに投与した場合の薬物動態解析、有効性試験、安全性試験は実施されておらず、安全性・有効性を保証できず、おすすめしていません。

また、粉砕後の安定性データはありません。

なお、飲みやすいように複数個に割る等も、有効性や安全性、安定性等を検討しておらずおすすめしていません。

有効成分であるスボレキサントは水に溶けにくいため、製剤に工夫がされています。そのためベルソムラ®は、無包装状態での安定性試験において、光、湿度の影響を受けやすいことが確認されており、両面アルミ包装としています。

PTPのままお渡しいただき、服用直前にPTPから取り出していただきますようお願いします。

【適応外】
本剤を分割して投与することは、承認外の用法となります。

分割後の安定性について検討していませんので、おすすめできません。
また、錠剤分割後、ベルソムラ®の含量が均一になるかについてはデータがありません。

承認用量は非高齢者20㎎、高齢者15㎎であり、分割(減量)しての投与は用法及び用量の承認外です。
なお、ベルソムラ®錠には割線がありません。

有効成分であるスボレキサントは水に溶けにくいため、製剤に工夫がされています。そのためベルソムラ®は、無包装状態での安定性試験において、光、湿度の影響を受けやすいことが確認されており、両面アルミ包装としています。
PTPのままお渡しいただき、服用直前にPTPから取り出していただきますようお願いいたします。

【適応外】
本剤を簡易懸濁して投与することは、承認外の用法となります。

簡易懸濁にて投与した際の薬物動態、有効性、安全性は検討していませんので、おすすめしていません。

また、簡易懸濁後の安定性データはありません。

なお、有効成分であるスボレキサントは水に溶けにくいため、製剤に工夫がされています。
ベルソムラ®は、無包装状態での安定性試験において、光、湿度の影響を受けやすいことが確認されており、そのため両面アルミ包装としています。

PTPのままお渡しいただき、服用直前にPTPから取り出していただきますようお願いします。

安全性

本剤の電子添文には、以下の通り記載されています。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の影響が服用の翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。[17.3.1 参照]
8.2 症状が改善した場合は、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。

<引用>
電子添文

主な副作用として、傾眠、頭痛、疲労などが報告されています。

<引用>
電子添文

ヒトでの致死量についての検討や報告はありません。

ベルソムラ®に耐薬性は見られないと考えられます。

【禁忌】
クラリスロマイシンとベルソムラ®の併用は禁忌になります。

ベルソムラ®服用中はグレープフルーツジュースを控えるようにご指導ください。

ベルソムラ®はCYP3Aにより代謝されますが、CYP3Aを阻害するグレープフルーツジュースとの併用の成績がなく、飲む量や併用した場合の影響が不明であることから、具体的には記載しておりません。

エリスロマイシンは、中等度にCYP3Aを阻害する薬剤(1)であることから、「併用注意」に該当すると考えられます。

電子添文
10.2 併用注意(併用に注意すること)
CYP3Aを中等度に阻害する薬剤 [7.4、16.7.2 参照]
[臨床症状・措置方法]
傾眠、疲労等の本剤の副作用が増強するおそれがあるため、併用する際には1日1回10mgへの減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
[機序・危険因子]
スボレキサントの代謝酵素であるCYP3Aを中等度に阻害し、スボレキサントの血漿中濃度を上昇させる。

<引用>
(1) インタビューフォーム Ⅴ. 治療に関する項目 4.用法及び用量に関連する注意

ベルソムラ®は主に薬物代謝酵素CYP3Aによって代謝される点、弱いP糖蛋白(腸管)への阻害作用を有する点に注意が必要です。

以下の薬剤は、併用禁忌および併用注意に該当します。

併用禁忌
CYP3Aを強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン、ボノプラザン・アモキシシリン・クラリスロマイシン、ラベプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン、リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビル、エンシトレルビル):ベルソムラ®の血漿中濃度を顕著に上昇させますので、併用しないでください。

併用注意
アルコール(飲酒):中枢神経系に対する抑制作用を増強させるおそれがあるため、同時服用は避けてください。
中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等):中枢神経系に対する抑制作用を増強させるおそれがあるため、併用には注意してください。
CYP3Aを中等度に阻害する薬剤(ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾール等):ベルソムラ®の血漿中濃度を上昇させるため、併用には注意してください。
CYP3Aを強く誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等):ベルソムラ®の血漿中濃度を低下させるため、併用には注意してください。
ジゴキシン:ベルソムラ®のP糖蛋白阻害作用によりジゴキシンの血漿中濃度を上昇させるおそれがあるため、併用する場合は、モニタリングしてください。

ケトコナゾールの外用剤は併用禁忌には該当しません。

CYP3Aを中等度に阻害する薬剤は数多く存在し、また新しい薬剤も次々と出てきますので、全てを網羅することは出来ません。

代表例として、

ベルソムラ®錠インタビューフォーム( Ⅴ. 治療に関する項目  4. 用法及び用量に関連する注意)に掲載されているものを一部ご紹介します。


CYP3Aの中程度の阻害薬の例
※相互作用を受けやすい基質薬のAUCが2倍以上5倍未満に上昇(CL/Fが1/2未満1/5以上に減少)

一般名英語表記(一般名カタカナ表記)
amprenavir(アンプレナビル)
aprepitant(アプレピタント)
atazanavir(アタザナビル)
ciprofloxacin(シプロフロキサシン)
crizotinib(クリゾチニブ)
cyclosporine(シクロスポリン)
diltiazem(ジルチアゼム)
erythromycin(エリスロマイシン)
fluconazole(フルコナゾール)
fosamprenavir(ホスアンプレナビル)
imatinib(イマチニブ)
istradefylline(イストラデフィリン)
miconazole(ミコナゾール)
tofisopam(トフィソパム)
verapamil(ベラパミル)(1)

加えて、上記ガイドラインには未記載ですが、以下も該当すると考えています。
nilotinib(ニロチニブ)

上記は一例であり、その他の薬剤も該当する可能性がありますので、ご使用いただく際には、各薬剤の電子添文をご確認いただきますようお願いします。

<引用>
(1)医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)(平成26年7月8日厚生労働省医薬食品局審査管理課 事務連絡)

CYP3A阻害薬の程度は以下のごとく定義されます(1)。

強い阻害薬:相互作用を受けやすい基質薬のAUCが5倍以上に上昇
中程度の阻害薬:相互作用を受けやすい基質薬のAUCが2倍以上5倍未満に上昇
弱い阻害薬:相互作用を受けやすい基質薬のAUCが1.25倍以上2倍未満に上昇

<引用>
(1)インタビューフォーム V. 治療に関する項目 4.用法及び用量に関連する注意

その他

光及び湿気を避けるため、PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出すようにしてください。

なお、ベルソムラ®は、習慣性医薬品です。
「病院・診療所における向精神薬取扱いの手引」によりますと、習慣性医薬品については向精神薬と同様に管理することが望ましい、とされています。

<引用>
電子添文 / 病院・診療所における向精神薬取扱いの手引

ベルソムラ®は向精神薬ではないため、14日、30日、90日の処方日数制限はありません。

電子添文では高齢者の年齢は定義されていません。ベルソムラ®の治験では65歳以上を高齢者としていました。

高齢者になった際には用量の変更を検討していただくことになります。いつから変更すべきかは、先生のご判断にゆだねられますが、保険審査の見解については、個々の患者さんの症状等に応じて各都道府県の審査員の先生方が個別に判断されるため、正確なことは申し上げられません。

ベルソムラ®はベンゾジアゼピン系薬剤とは異なる作用機序の睡眠薬です。
ベンゾジアゼピン系薬剤は、GABA受容体を介して睡眠・鎮静作用を示すのに対し、ベルソムラ®は覚醒システムに作用し、覚醒の維持に働くオレキシンの働きをブロックすることで睡眠をもたらすと考えられます。

ベルソムラ®は、向精神薬多剤投与の減算既定の対象となる睡眠薬としてカウントされます。

平成28年4月から施行される診療報酬改定以降、スボレキサントが睡眠薬の対象リストに入っています(1)。

<引用>
(1)診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) (平成28年3月5日保医発0305第1) 「様式(医科)」p.82

ベルソムラ®20mg錠1錠を投与した場合と、ベルソムラ®10mg錠2錠を投与した場合の薬物動態は同程度であり、生物学的には同等であると考えられます(1)。

保険につきましては、都道府県の審査機関にお問い合わせください。

<引用>
(1)インタビューフォーム Ⅶ.薬物動態に関する項目 1.血中濃度の推移

ベルソムラ®による睡眠構築への影響は最小限であり、臨床的に意味のある影響を及ぼしません。

各睡眠段階が比例して延長することにより、全体的な総睡眠時間の増加につながっていると考えられます(1)。

<引用>
(1) Snyder E et al. Sleep Med. 2016;19:93-100.

「高齢者に使用される医薬品の臨床評価法に関するガイドライン」では65歳以上を高齢者と定義しており、本剤の臨床試験でも同様に定義し、評価を行いました。

ベルソムラ®は新規作用機序の薬剤のため、ベンゾジアゼピン系薬等の従来薬と力価を換算することはできません。

ベルソムラ®は国内法規「麻薬及び向精神薬取締法」で定められている輸入・輸出が出来ない物質には該当しませんが、諸外国への持ち込みは各国の法規に従う必要があるので、各国大使館などでご確認ください。

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