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CDI Topics

はじめに

ClostridioidesClostridium difficile感染症(CDI)は腸管内で毒素を産生したC. difficileが腸炎や下痢症を引き起こす感染症です。今世紀になってCDIは北米やヨーロッパを中心に増加傾向にあり、とりわけ強毒株とされる027株、078株などによる重症例や死亡例が増加してきたことから、CDIの診断、治療、感染管理に対する関心が高まっています。米国ではC. difficileはMRSAと並ぶ主要な医療関連感染の原因微生物として認識されるようになり、CDC(米国疾病管理センター)はカルバペネム耐性腸内細菌科細菌などと並ぶ耐性菌の脅威としてC. difficileを挙げて警戒を促しています。

CDIのさまざまな症状・病態

CDIでは菌そのものではなく、菌から放出されるトキシンが腸管壁を傷害し、腸管の炎症反応を惹起します。
病態としては、1日10回以上に及ぶ水様性の下痢や発熱・腹痛などの症状が現れることが知られていますし、大腸内視鏡検査においては偽膜性大腸炎が認められることがあります。また、まれではありますが、下痢を認めずイレウスを呈することもあると言われており、CDIの最重症例である中毒性巨大結腸症のような、急激な大腸の拡張を特徴とした極めて予後不良な病態を発症することもあります。
このように、CDIは重篤な疾患へとつながる可能性のある感染症です。

CDI発症に関与するリスク因子

CDI発症のリスク因子は、腸内細菌叢/粘膜または免疫システム、環境汚染、宿主要因に分けられます。

CDI発症に関与するリスク因子

CDI発症機序

CDI発症機序について

抗菌薬による腸内細菌叢への影響
CDI発生機序

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