CDI Topics

CDI重症度分類について

CDI:ClostridioidesClostridium difficile 感染症

監修:愛知医科大学病院 感染症科 教授(特任) 山岸 由佳 先生

※ご所属は監修当時のものです

はじめに

C. difficile感染症(CDI)に対する治療法選択にあたってはCDI重症度の判定が基本概念として含まれていることが多いですが、これまで報告されているCDI重症度分類はそれぞれ異なっており、国際的にも確立された基準はないのが現状です。今回、世界的に頻用されている基準と第47回日本嫌気性菌感染症学会総会・学術集会で発表した基準を中心にCDI重症度分類について紹介します。

海外におけるCDI重症度分類のガイドラインについて

現在、海外にはIDSA/SHEA(米国)1)、ACG(米国)2)、ESCMID(欧州)3)、WSES(グローバル)4)およびASID(豪州)5)の5つのCDI重症度分類に関するガイドラインがあります。各ガイドラインそれぞれの基準により軽度、中等度、重症の分類が行われていますが、それらのカテゴリの基準には大きな違いがあります。
そこで、これらのガイドラインに示されている重症CDI基準を比較したFeherら6)の論文について紹介します。この論文においては、身体所見、臨床検査、画像・内視鏡検査のどのような項目が重症CDI基準となり得るのかについて記されています(下表参照)。
なお、詳細な重症CDI基準は各ガイドラインを参照ください。

各ガイドラインにおける重症CDIの定義

各ガイドラインにおける重症CDIの定義

Zar基準とMN基準

Zarらの基準について

Zarらの基準は、イリノイ大学のZarらによりバンコマイシンとメトロニダゾールの治療効果に関するランダム化比較試験において定義されたCDI重症度判定基準です。
年齢が60歳以上、体温が38.3℃、血清アルブミン値が2.5g/dL未満、白血球数が15,000/µL超の各項目について各1点、偽膜性腸炎あり、ICU治療ありを各2点とし、合計点が2点以上を重症CDIと定義しています。

Zarらの基準
Zarらの基準

【New topics】MN基準について

MN基準は第47回日本嫌気性菌感染症学会総会・学術集会の演題の中で提唱された新しいCDI重症度判定基準です。
このMN基準においては、年齢、腹部膨満感もしくは下腹部痛、体温、1日あたりのブリストルスケール5以上を下痢とした場合の下痢の回数、白血球数、eGFR値、血清アルブミン値、画像所見(腸管拡張、壁肥厚、腸管周囲の脂肪組織浸潤像、他の原因で説明できない腹水、偽膜の存在)の各項目について0~3点とし、合計点4点以下が軽症、5~9点が中等症、10~13点が重症、14点以上が超重症と分類されます。
国内学会で提唱された新たな基準ですが、先行研究および各国ガイドラインを参考に日本の現状を考慮して作成されています。

CDI重症度判定 MN基準
CDI重症度判定 MN基準

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