CDI Topics

はじめに

CDIは、医療関連の感染性下痢症として世界的に有名ですが、日本国内におけるCDI発症率は、欧米と比べて低率であることが報告されています。
この原因としてCDI検査の実施頻度又は疫学的な違いが考えられるため、国内医療施設のCDI発症率を前向きに調査したところ、これまでの報告よりもCDI発症率は高く、CDI検査の実施が不十分なため、多くのCDIが見落とされている可能性が考えられました。

日本国内のCDI発症率

国内12施設の20病棟におけるCDI発症率は、10,000患者日あたり7.4件でした。病棟別にみると、ICUで22.2件と最も高く、次いで外科9.0件、内科6.0件、内科/外科3.2件でした。CDIは173件認められ、そのうち医療施設発症CDI(HO-CDI)が134件(81.2%)を占めていました。

病棟別のCDI発症率

各施設のCDI発症率と検査実施率

各施設のCDI発症率と検査実施率

CDI検査実施率が高いとCDI発症率も高い

ガイドラインにおけるC. difficile検査のフローチャート

通常診療におけるC. difficile検査の考え方(フローチャート1)

迅速診断キットでGDH・トキシン検査を行い、その結果に基づいてNAATを組み合わせるアルゴリズムである。
一般的にGDHの感度はある程度高いことが知られており、GDH陽性・トキシン陽性はCDI、GDH陰性・トキシン陰性の場合CDIは否定的となる。一方、糞便検体におけるトキシン検査の感度は低いことから、GDH陽性・トキシン陰性の結果では、トキシン産生株と非産生株を区別することはできない。したがって、GDH陽性・トキシン陰性結果の検体を対象として、NAAT法を行うことにより、トキシン産生であれば病態とともにCDIを判断し、トキシン非産生であればCDIは否定的で抗C. difficile薬は不要であり、下痢として他の原因を考慮することとなる。

通常診療におけるC. difficile検査の考え方(フローチャート1)

中村先生コメント

CDIの診断では、臨床症状と検査所見の両方を確認します。CDIを疑う下痢を認めた場合、Bristol score 5以上の便であればCDI検査を実施します。
一般的にはGDHとトキシン検査を組み合わせた迅速診断キットが用いられており、GDH陽性かつトキシン陽性であればCDIと診断します。CDIは臨床医が検査することで初めて診断がつくため、CDIを疑う症例には積極的に検査を行い、CDI患者の適切な診断と治療が求められています。

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