1分で読める睡眠豆知識 ~睡眠障害があると燃え尽き症候群になりやすい?~

1分で読める睡眠豆知識 ~睡眠障害があると燃え尽き症候群になりやすい?~

教育病院の医師の3割に睡眠障害(海外データ)

それまで精力的に仕事に向き合ってきた人が、極度の心身の疲労によって燃え尽きたように意欲を失ってしまう―。そんな状態のことを、燃え尽き症候群(バーンアウト)といいます。どんな職種でも燃え尽き症候群に陥る危険性はありますが、特に医療や介護といった、人を相手にする職種ではリスクが高いといわれています。

そんななか、医師の燃え尽き症候群の予防には睡眠が大切であることを示唆する横断研究の結果が報告されています1)。この研究は、米国Brigham and Women’s HospitalのWeaver氏らが2020年に報告したもので、さまざまな専門科を擁する大規模な教育病院の教職員約1,000人を対象に実施されました。その目的は、教職員における睡眠障害の有病率を調べ、睡眠障害と燃え尽き症候群との関連について検討することでした。

まず、Weaver氏らが開発したSleep Health and Wellness (SHAW)プログラムで睡眠障害のスクリーニングを実施したところ、約29%(スクリーニングを受けた1,047人中306人)になんらかの睡眠障害が見つかりました。見つかった睡眠障害で最も多かったのは不眠症(全体の約14%)で、次に閉塞性睡眠時無呼吸(同約12%)、交代勤務睡眠障害(同約11%)が続きました。また、睡眠障害のスクリーニング陽性者の92%は未診断かつ未治療でした。

一方、燃え尽き症候群に関しては、バーンアウト測定尺度(Maslach Burnout Inventory)を用いてスクリーニングを行いました。その結果、燃え尽き症候群の定義を満たしている人の割合も約29%(スクリーニングを受けた1,047人中313人)に達していました。

睡眠障害があると燃え尽きリスクが約4倍に(海外データ)

次に、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて睡眠障害と燃え尽き症候群との関連について解析したところ、睡眠障害のスクリーニング陽性者では、燃え尽き症候群のリスクが3.67倍高いとの結果が得られました。また、燃え尽き症候群の主な症状別に見ると、睡眠障害のスクリーニング陽性者において、脱人格化は3.32倍、個人的達成感の低下は2.00倍、情緒的消耗感は3.67倍にリスクが上昇していました。一方、Professional Fulfillment Indexを用いて評価した職業的充実感については、睡眠障害のスクリーニング陽性者におけるオッズの有意な低下(オッズ比0.53)が示されました()。

図:睡眠障害と燃え尽き症候群との関連

この解析結果を踏まえ、Weaver氏らは「睡眠障害を治療することで、燃え尽き症候群に陥る医師を減らせる可能性がある」との見方を示しています。今後、睡眠障害の治療に燃え尽き症候群の予防効果があるのかどうかについての検討が望まれます。

  1. Weaver MD et al. JAMA Netw Open 2020; 3(10): e2023256