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1分で読める睡眠豆知識 ~予防医学としての睡眠~

睡眠障害は万病の元

昔から『睡眠障害は万病の元』と言われています。先生は毎日しっかり眠れていますでしょうか? 不眠や睡眠不足は、うつ病1)や高血圧、肥満、糖尿病などの心と体の病気を悪化させることが知られています2)。一見関わりがなさそうですが、睡眠とこれらの病気はどのように関係しているのでしょうか。

不眠はうつ病を招くことが知られており、うつ病の方は眠っても疲れが取れないことも顕著です。睡眠不足により仕事などの効率が悪くなると、さらにうつ病が悪化することもあります。また不眠や睡眠不足は、高血圧、糖尿病、肥満を悪化させ、その肥満は睡眠時無呼吸症候群や生活習慣病も悪化させると考えられています2)

そして、睡眠時間が短いほど風邪に罹りやすくなることも知られています3)。睡眠不足により、ウイルス感染細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞の活性が抑制され、免疫力が低下4)するためです。

予防医学としての睡眠

厚生労働省が策定した「健康日本21」では、様々な精神疾患と身体疾患の予防の観点から、健やかな睡眠と休養を確保することが推奨されており、健やかな睡眠を保つことで心と体の病気を予防する『予防医学としての睡眠』が注目されつつあります。生活習慣病や感染症の予防・改善のためにも、質の良い睡眠を心がけることが重要になります。

Health care

*厚生労働省 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(健康日本21)

  1. Kai Spiegelhalder et al. Curr Psychiatry Rep. 2013; 15: 364
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット/健やかな眠りの意義
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-001.html
  3. Aric A Prather et al. Sleep. 2015; 38(9): 1353-1359.
  4. Michael Irwin, et al. Psychosom Med. 1994; 56: 493-498.