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体内時計と光の関係

身体のリズム

人の生理機能のほとんどは「生体リズム」に基づいています。血圧や呼吸、体温、ホルモンの分泌などにもリズムが存在しており、その組み合わせで身体は動いています。何らかの影響を受けることで、これらのリズムに乱れが生じると生活や健康に支障が出てしまいます。
今回は生体リズムのひとつである「体内時計」についてご紹介します。

体内時計を同調させる方法

人の体内時計は元々25時間周期であると言われています。一方で地球の自転に伴う「1日」は24時間ですので、体内時計の周期とは1時間のズレが生じています。人は、この1時間のズレを日常生活の中での食事や運動、仕事などの刺激によって調整しています1)。日常生活の刺激の中では、「光」がこの1時間のズレを修正するために大きな役割を担っていることがわかっています2)

昔は夜になって外が暗くなると、日中行っていた活動は終了していましたが、現代では24時間営業のお店などもあり、夜でも明るい状況にあるため、この1時間のズレを調整しづらい環境になっていると言えます。
1日では1時間程度のズレでも日々積み重ねることで体内時計はズレていってしまい、睡眠に影響が出てしまうこともあるようです。

体内時計の調整は、睡眠にも重要です。朝、目から光の情報が入ることで体内時計はリセットされるので、リズムが整わず苦労している患者さんには、目が覚めた時にカーテンを開けて朝日を浴び、体内時計のスイッチをオンにするよう勧めてみてはいかがでしょうか。

イラスト
  1. 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット/睡眠・覚醒リズム障害
    (https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-006.html)
  2. 西野精治.スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣, PHP新書, 2019.