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睡眠前のリラックス法

副交感神経の活性化

就寝時刻になり眠ろうとする時、脳は覚醒した状態から徐々にリラックスした状態に移り、やがて眠りにつきます1)。スムーズな入眠のためには交感神経を落ち着かせ、副交感神経を徐々に高める必要があります。副交感神経の活性化は緩やかなので、この副交感神経の活性化を妨げない事がとても重要です。そのためには自分にあったリラックス方法を取り入れて、心身ともにリラックスすると良いと言われています。

入浴の工夫

効果のあるとされるリラックス法にはどんな物があるのでしょうか?一般には、眠りの質を高めるためにストレッチで体をほぐしたり、軽く読書をしたり、自分の好きな音楽を聴いたり、好きな香りを楽しむのが良いと言われています。またぬるめのお湯に入浴するのも効果的と言われています。具体的には就寝1~2 時間前に40℃くらいのぬるめのお風呂にはいることで、入眠の促進や深い睡眠を増加させることが知られています1,2)。これは精神的なリラックス効果に加えて、軽く体温が上がることで、その後の放熱が活発となり徐々に深部体温が下降することで入眠後90分前後の深い睡眠を増加させると考えられています2)。ただし42℃以上の熱いお風呂は脳の覚醒を促してしまい、入眠を妨げてしまうので注意が必要です3)

快適な睡眠のためのリラックス法はいろいろあります。自分にあった方法が見つかると良いですね。

<参考文献>

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」
  2. Shahab Haghayegh et al. Sleep Medicine Reviews. 2019; 46: 124-135
  3. 小川徳雄. 温浴と運動. 鳥居鎮夫編. 睡眠環境学. 東京: 朝倉書店, 1999; 203-210