開発の経緯

開発の経緯

Clostridium difficile(以下、C. difficile)は芽胞を形成する嫌気性のグラム陽性桿菌であり、2種類の強力な外毒素であるC. difficileトキシンA及びC. difficileトキシンBを産生し1)、これらの毒素産生株が腸内で増殖することで感染症(C. difficile infection:以下CDI)を引き起こすと考えられています。このとき、正常な腸内細菌叢を変化させる抗菌薬の曝露が、C. difficileの定着とやがて生じるCDIの主要な要因の1つとされています2)。CDIの症状には、軽度の下痢から激しい水様性の下痢があり、これにより脱水、生命を脅かす合併症が引き起こされ、ときに死亡に至ることもあります。また、CDIは再発率の高い疾患であり3)、特にCDIのリスクファクターとして、全身性抗菌薬投与、長期入院、プロトンポンプ阻害薬使用、CDI既往歴あり、65歳以上、免疫不全、重症CDIなどが知られています4, 5)

ジーンプラバ®点滴静注625mg[一般名:べズロトクスマブ(遺伝子組換え)](以下、本剤)は遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体としてベズロトクスマブを含有する点滴静脈内注射用製剤です。本剤はC. difficileトキシンBに結合し、C. difficileトキシンBと標的細胞との結合を阻害することによりトキシンBの活性を中和します。本剤は抗菌活性を有しないことから、CDIの抗菌薬治療との併用により、標準治療抗菌薬を中止した後のCDIの再発を抑制します。

本剤は、Massachusetts Biologic Laboratories(MBL)及びMedarex社によって開発され、第Ⅰ相及び第Ⅱ相試験が実施されました。2009年にMerck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.Aが開発及び製造販売権を取得し、新たに5試験(第Ⅰ相試験の004試験、005試験及び006試験、並びに第Ⅲ相試験のMODIFY Ⅰ;001試験及びMODIFY Ⅱ;002試験)を実施しました。米国、欧州、日本及びその他の地域で開発が進められ、2016年10月に米国、2017年1月に欧州、及び2017年9月に日本で製造販売承認を取得しました。

1) Voth DE et al. Clin Microbiol Rev. 2005;18:247-63.
2) Bassetti M et al. Expert Rev Anti Infect Ther. 2012;10:1405-23.
3) McFarland LV. J Med Microbiol. 2005;54:101-11.
4) Gerding DN et al. Infect Dis Clin North Am. 2015;29(1):37-50.
5) Eyre DW et al. Clin Infect Dis. 2012;55 Suppl 2:S77-87.

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