教えて!てつこさ~ん 動物由来感染症の予防法

動物由来感染症の予防法
企画・執筆・監修:浅野みどり先生(名古屋大学大学院 医学系研究科 総合保健学専攻・副専攻長 包括ケアサイエンス領域看護科学 教授)
協力:杉村篤士先生(東海大学医学部看護学科講師)/作画:松永えりか
* にちにちこれこうじつ:どんな日でも毎日は新鮮で最高にいい日である。





- 野生の動物をさわったらきちんと手洗いをする
- お家の猫は、定期的なつめ切りやノミ対策をし、清潔にする
- 動物の排泄物は乾燥する前に、できるだけ早く処理をする


Q. ほかに身近なペットからうつる感染症はありますか?
A. 動物由来感染症は、世界保健機構(WHO)で把握されているだけで200種類以上あり、年々増加傾向です。日本国内においても、パスツレラ症や猫ひっかき病など、約60種類程度あるといわれています。
代表的な動物感染症:パスツレラ症について
- 犬の約75%、猫の約100%が口腔内常在菌として保有している
- 主な感染経路:咬まれる、引っ掻かれる、傷などをなめられる
- 主な症状:皮膚症状、呼吸器症状、髄膜炎、外耳炎、敗血症など
- 過去に死亡例もあり
- 免疫力が低い赤ちゃんや高齢者、糖尿病患者の方は特に注意!
解説
動物由来感染症の主な予防方法
- 動物に触ったら必ず手洗いをする
動物の毛についたカビ・寄生虫・唾液などから感染する可能性があります。
砂場や公園などで遊ぶと、知らないうちに動物の排泄物を触っている可能性があります。 - 野生動物には触らない
野生動物はどのような病原体を持っているか分からないので大変危険です。 - ペットの身の回りを清潔にする(爪切り、ブラッシング、敷物の交換など)
ペットの伸びたツメなどにひっかかれることにより感染する場合があります。
タオルや敷物は定期的に交換しないと、細菌が増殖する恐れがあります。 - 動物の排泄物の速やかな処理・定期的な換気を行う
動物の排泄物が乾燥すると、その中の病原体が空気中に漂い、吸い込んで感染する恐れがあります。
動物と上手にふれあえるようにアドバイスしましょう
- 野生動物との接触(触る、餌をあげる、不用意に近づく)は避けるよう指導する。
- ペットの衛生管理のポイント(爪切り、ブラッシング、換気など)を説明する。
- 動物が触れたものの取り扱い、外で遊んだあとの手洗いなど子どもの発達に合わせて指導する。
- 過剰なスキンシップ(スプーンの共有、一緒の布団で寝るなど)は控えるよう説明する。
- 子どもが動物に対して過剰な恐怖心をもたないように配慮した伝え方をする。
厚生労働省「動物由来感染症ハンドブック2020」もチェックしてみましょう。

