国内外ガイドラインで強調されるLDL-C値の「the lower, the better」

笠原 尚 先生

国内外ガイドラインで強調される
LDL-C値の「the lower, the better」

山陰労災病院 循環器科 顧問 笠原 尚 先生

急性冠症候群(ACS)を含めた心血管イベントリスク予防のための脂質管理は、LDL-Cをいかに低下させるかがポイントです。
スタチンを使用した8つのRCTのメタ解析により、到達LDL-C値が低いほど主要心血管イベント発症のリスクが低い、「the lower, the better」であることが示されました1)
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版では、冠動脈疾患の発症リスクに基づくLDL-C管理目標値が設定されています。
糖尿病を合併している場合は、合併していない場合と比べてより厳格な管理目標値となっています。糖尿病により細小血管が障害されるのに加え、大血管の動脈硬化リスクも高まり、より積極的な脂質管理が必要となるためです。一次予防(冠動脈疾患既往なし)では、高リスクに分類される糖尿病合併患者のLDL-C管理目標値は120mg/dL未満、二次予防(冠動脈疾患既往あり)では、他の高リスク病態を合併する糖尿病患者のLDL-C管理目標値は70mg/dL未満とされています2)
なお、ACSに関する昨今のガイドラインのLDL-C管理目標値は、日本循環器学会の急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)が70mg/dL未満3)、欧州心臓病学会(ESC)の脂質異常症のガイドライン(2019年改訂版)が55mg/dL未満4)です。より「the lower, the better」が強調されているといえます。

※ 非心原性脳梗塞、PAD、CKD、メタボリックシンドローム、主要危険因子の重複、喫煙

1)Boekholdt SM et al. J Am Coll Cardiol 2014; 64: 485-494.
2)日本動脈硬化学会(編). 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版.日本動脈硬化学会, 2017.
3)日本循環器学会 他. 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版). 日本循環器学会, 2019.
4)Mach F et al. Eur Heart J 2019; 00: 1-78. pii: ehz455. doi: 10.1093/eurheartj/ehz455

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