Q&Aで読み解くKEYNOTE-407試験

Q&Aで読み解くKEYNOTE-407試験

進行・再発の扁平上皮非小細胞肺癌に対するキイトルーダ®と化学療法の併用治療

2019年2月 掲載

キイトルーダ®は2018年12月より、進行・再発非小細胞肺癌(扁平上皮癌)に対して、パクリタキセル又はnab‑パクリタキセル/プラチナ製剤との併用が、PD‑L1の発現率に関わらず使用可能となりました。本コンテンツでは、KEYNOTE‑407試験に関する質問について、仙台厚生病院 院長 兼 呼吸器内科主任部長 菅原 俊一 先生に解説していただきました。

Question一覧【クリックで各Q&Aへ移動します】

Q1 KEYNOTE‑407試験にはどのような患者が組み入れられましたか?


Q2 どの程度の臓器機能があれば、キイトルーダ®と化学療法の併用が可能であると考えられますか?


Q3 プラセボ併用群において、どのくらいの患者で後治療として抗PD‑1/PD‑L1抗体が投与されましたか?


Q4 キイトルーダ®と化学療法の併用にあたって特に注意すべき副作用はありますか?


Q5 PD‑L1検査は今後も必要ですか?


Q1
KEYNOTE‑407試験にはどのような患者が組み入れられましたか?

A
ECOG PSが0又は1、十分な臓器機能を有しているなどの組み入れ基準を満たし、放射線療法や脳転移などに関して設定された除外基準に該当しない、全身化学療法の治療歴がないⅣ期扁平上皮非小細胞肺癌患者が組み入れられました

KEYNOTE-407試験の主な組み入れ基準

全身化学療法の治療歴がない扁平上皮非小細胞肺癌の患者が対象となったKEYNOTE‑407試験ですが、その他にも、18歳以上、余命3ヵ月以上、ECOG PSが0又は1、十分な臓器機能を有している、などが組み入れ基準として規定されていました。

KEYNOTE-407試験の主な除外基準

放射線療法、脳転移、その他の合併症や既往歴に関しては、どのような患者が除外されたのでしょうか。
放射線療法に関しては、治験薬初回投与前6ヵ月以内に30Gyを超える肺への放射線療法を受けた患者や、7日以内に緩和放射線療法を完了した患者は除外されました。
脳転移に関しては、活動性の中枢神経系への転移又は癌性髄膜炎を有する患者が除外されましたが、治療により安定している患者や、無症候性の脳転移を有する患者は組み入れられています。その他、Grade 2以上の末梢性ニューロパチーや自己免疫疾患、慢性的にステロイドを全身投与している患者などが除外されました。

Q2
どの程度の臓器機能があれば、キイトルーダ®と化学療法の併用が可能であると考えられますか?

A
KEYNOTE‑407試験の組み入れ基準で「十分な臓器機能」として規定されていた血液、腎機能、肝機能、凝固系の臨床検査値が参考になります。

KEYNOTE-407試験の組み入れ基準における十分な臓器機能

こちらは、KEYNOTE‑407試験の組み入れ基準の「十分な臓器機能」として規定されていた臨床検査値です。
キイトルーダ®とプラチナ製剤併用化学療法の併用治療を考慮する場合には、適切な検査を実施し、これらの基準値を含む組み入れ基準や除外基準などを参考にして、治療の可否をご検討いただきたいと思います。

Q3
プラセボ併用群において、どのくらいの患者で後治療として抗PD‑1/PD‑L1抗体が投与されましたか?

A
プラセボ併用群では、31.7%(89/281例)に、後治療として抗PD‑1/PD‑L1抗体が投与されました。

KEYNOTE-407試験におけるクロスオーバーを含む後治療の内訳

プラセボ併用群では、281例のうち75例でクロスオーバーが実施されました。
2例がクロスオーバーの基準に合致しない後治療としてキイトルーダ®の投与を受け、10例がニボルマブ、2例がアテゾリズマブによる後治療を受けました。

Q4
キイトルーダ®と化学療法の併用にあたって特に注意すべき副作用はありますか?

A
キイトルーダ®と化学療法を併用することにより、副作用が相乗的に増加するということはありませんが、免疫関連など特に注目すべき有害事象には、単剤の場合と同様に注意が必要です。

KEYNOTE-407試験における副作用(ASaT集団)

KEYNOTE‑407試験の副作用をみると、キイトルーダ®併用群で278例中265例の95.3%、プラセボ併用群で280例中249例の88.9%に認められています。
キイトルーダ®と化学療法を併用することにより、副作用が相乗的に増加するということはありませんでした。

KEYNOTE-407試験及びKEYNOTE-024試験における免疫関連など特に注目すべき有害事象

KEYNOTE‑407試験のキイトルーダ®併用群における免疫関連などの有害事象発現率は28.8%で、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、肺臓炎などが多く認められました。キイトルーダ®単剤の試験であるKEYNOTE‑024試験のキイトルーダ®群における免疫関連などの有害事象発現率は29.2%であり、化学療法と併用することで相乗的に増えるわけではないようです。
とはいえ、キイトルーダ®をご使用いただく上では、これまでどおり免疫関連などの有害事象にはご注意いただきたいと思います。

キイトルーダ®と化学療法の併用治療中は、これらの有害事象が発現する可能性を念頭に置き、十分な対策を行っていただきたいと思います。

Q5
PD‑L1検査は今後も必要ですか?

A
キイトルーダ®を単剤で使用する場合はPD‑L1検査が必須となるので、患者さんの状態に応じてより適した治療を行うためにも、これまで同様PD‑L1検査は必要です。

キイトルーダ®の臨床試験

キイトルーダ®と化学療法の併用治療は、PD‑L1発現にかかわらず行うことができます。
ただ、キイトルーダ®単剤での治療を検討する場合には、あらかじめPD‑L1検査を実施しておくことが必要となります。患者さんの状態に応じてより適した治療を行うためにも、これまで同様PD‑L1検査は必要と考えております。

キイトルーダ®と化学療法どちらに起因するか判断のつきにくい副作用

また、キイトルーダ®と化学療法の併用治療中の副作用発現時の対応の参考にもなるかもしれません。
下痢、皮膚障害、発熱などの副作用は、キイトルーダ®と化学療法のどちらに起因するものか、判断が難しいことと思います。
要因となっている薬剤の特定を行い、副作用の状態を鑑みリスクとベネフィットを考慮して治療戦略を考える際、PD‑L1発現状況も休薬や投与中止を検討する一つの目安になるのではないでしょうか。

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